2019年に字幕版が公開され、アニメファン、アニメ関係者を中心に大きな話題となった中国発のアニメーション映画『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』の日本語吹替版が11月7日から全国公開された。スクリーンオンラインでは、主人公・シャオヘイの吹替を担当した花澤香菜にインタビュー。シャオヘイの魅力やお気に入りのシーン、アフレコ時のエピソードや気になるキャラクター、さらにテンションをあげる時に観るお気に入りの映画や、大好きな映画スターについても語ってもらった。
画像: Photo by Tsukasa Kubota

Photo by Tsukasa Kubota

魅力的なキャラクターばかりで引き込まれました

──作品を初めて観た時の印象を教えてください。

「とにかくシャオヘイがかわいいなって思いました。オリジナルの声もとてもかわいくて、すぐに魅了されちゃいました。映像のクオリティの高さにはびっくりしました。戦闘シーンも迫力満点だったし、カット割がすごくおもしろくて、どんな風に作っているのかなと気になりました。ギャグの“間の取り方もすごくよかったし、魅力的なキャラクターばかりで引き込まれました」

──吹替のシャオヘイはどのように作り上げていったのでしょうか?

「実写の吹替の場合、原音に寄せようとすると伝えたいことが上手く伝わらないことがあったりもします。この作品ではシャオヘイをどのように演じるのがいいのか、すごく悩みました。シャオヘイが猫の時の音声はほとんど原音を使うことになっていたので、私の声から原音に滑らかに繋がることは意識していました。ただ、シャオヘイの心の動きもとても重要なので、原音に縛られすぎないよう、セリフの部分は自分の気持ちや感じたことを大事にして演じました。いかだの上ではしゃぐシーンのシャオヘイの子供らしいリアクションは“素敵だな”と思ったので、マネさせてもらいました(笑)。いいなと感じるところも多かったので、原音版のシャオヘイをマネしたところはいっぱいあります」

──シャオヘイと似ていると感じた部分はありますか?

「食い意地が張っているところです(笑)。小さい頃から、自分の分の食べ物は自分で全部食べたい、奪われたくないという気持ちが強くて。いつも弟に取られないようにしっかり自分の分を確保していました。シャオヘイも割と食べ物に釣られるところがあるので、似ているなと思うところはありました」

──食べるシーンも多かったですよね。食べたいと思った食べ物はありましたか?

「美味しくない魚(笑)。どのくらい美味しくなかったのか、確かめたいですね。口いっぱいに頬張ってほっぺをぷっくりさせながら、美味しそうなものはいっぱい食べていたけど、気になるのはあの魚です(笑)」

──まさかの美味しくないものを食べたい(笑)。シャオヘイのかわいらしさを感じた具体的なセリフやシーンはありますか?

「シャオヘイって、ちょいちょい“ちぇっ”って言うんです。子供らしさというか、ちょっとひねくれた感じが表現されていて、シャオヘイらしいと感じるセリフでした。“ちぇっ”って出てくると、“きたー! かわいいーー!!”ってテンションが上がって、演じていました」

画像: 魅力的なキャラクターばかりで引き込まれました

今回のアフレコで一番戸惑ったのはイントネーションです

──魅力的なキャラクターがたくさん出ています。シャオヘイ以外に気になったのは?

「この映画は、女の子同士で観に行ったら、ムゲン(CV:宮野真守)とフーシー(CV:櫻井孝宏)どっちが好き?って会話になると思うんです。そう考えた時に、私はムゲンかなって思いました。あのポケーっとした感じ、隙のあるところがすごくいいなって。この人、頼れると思っていたのに、食事をしに行って財布を持っていないとか。すごく強いのにどこか抜けている、親しみやすさもあって、すごく素敵だなと思います」

──ということは、シャオヘイの選択には花澤さんも納得といった感じですか?

「アハハハハ。確かにそうかもしれません。もちろんムゲンの思想にもなるほどなと思うところはたくさんありました。でも、いろいろ難しいことはあるけれど、話し合って決めて行こうというムゲンの姿勢が共感できるところだなと思いました」

──森と都市。どちらで暮らしたいと思いましたか?

「自然がいっぱいの場所で、のびのび走り回っているシャオヘイもいいなと思いました。でも、お仕事で何度も訪れた中国では“ここにいたら自由なのかも”と感じる自分がいて。街の活気や、人の感じなのかな。それこそ、シャオヘイが初めて街に行った時に、楽しそうに暮らす妖精と会った時の感覚に似ているような気がします。街も悪くないかもって思ったりもします。どちらかを選ぶのは難しいです」

──中国は何度も訪れているのですね。

「お仕事で行く機会が多くて、実は、ちょっとだけ中国語も勉強しているんです。なので、中国語のイントネーションでキャラクターの名前を練習したのですが、吹替版では日本語のイントネーションで発音することになっていて。アフレコで直されてしまいました(笑)。今回のアフレコで一番戸惑ったのはイントネーションです」

画像: 今回のアフレコで一番戸惑ったのはイントネーションです

映画雑誌を読みながら“外国人と結婚するんだ”って思っていました(笑)

──さまざまな能力を操るキャラクターが登場します。気になった能力はありましたか?

「“領界”です。自分しか入れない領域があるっていいですよね。あそこに入れたら、アフレコの練習とかも防音対策とか気にせずに、思いっきりできるなと」

──仕事用ですね(笑)。では、次は映画に関する質問を。子供の頃から好きな作品はありますか?

「『平成狸合戦ぽんぽこ』です。ちょっと『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)ぼくが選ぶ未来』とテーマ的にも似ているところがある感じですね。ぽんぽこのほうが、ちょっと胸が痛くなるかな。私の地元にも多摩地区と似たような景色があるので、自分が知っているような場所で、たぬきさんたちが可哀想な目に合っているんだという印象がありました」

──テンションを上げる時に観る映画はありますか?

「『ラ・ラ・ランド』です。ミアとセバスチャンがセリフから歌に流れていくのがすごく自然体で。自分でもこんな風に歌って踊れるかも、そんな気持ちにしてくれるところが好きです」

──実際に踊り出したりしちゃいますか?

「サントラを聴きながら、交差点で信号待ちをしている時間にルンルンすることはあります(笑)。今にも踊り出しそうに……なりますね」

──好きな映画俳優を教えてください!

「中学生時代は、オーランド・ブルームにハマりました。きっかけは『ロード・オブ・ザ・リング』です。イケメンが大好きで、ヘイデン・クリステンセンも好きでした。映画雑誌を読みながら“外国人と結婚するんだ”って思っていました(笑)」

取材・文/タナカシノブ

画像: 映画雑誌を読みながら“外国人と結婚するんだ”って思っていました(笑)

(作品紹介)

森の中で暮らすシャオヘイは黒ネコの妖精。ところがその森が人間に開発されてしまった。居場所を失い、街や村をさまよい歩くシャオヘイが出会ったのは、同じ妖精のフーシー、そして彼の仲間たち。フーシーはシャオヘイにいう。「これからここは君の家だ」。

だが穏やかな時間は長くは続かなかった。人間でありながら妖精たちの館に所属する最強の執行人、ムゲンが現れたのだ。やがてシャオヘイは人間と妖精の関係を揺るがす大事件の中心へと導かれる。その時、シャオヘイはどんな未来を選ぶのか――。

『羅小黒戦記』は、中国・北京の寒木春華スタジオのMTJJ監督が制作し、ビリビリ動画において2.3億回再生を誇る人気WEBアニメシリーズの劇場版。2019年に中国で公開され、興行収入3.2億人民元(約49億円)のヒットを記録した。日本でも全国数カ所の映画館で字幕版が公開され、そのハイレベルな作画と魅力的なキャラクターがコアなファンの間で話題を呼んだ。その日本語吹替版が11月7日、ついに公開。

かわいらしいキャラクターとユーモアのセンス。大胆なアクションとドラマチックなストーリー。誰の心にも響くエンターテインメントの傑作!!

画像1: 花澤香菜:映画『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』インタビュー
画像2: 花澤香菜:映画『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』インタビュー
画像3: 花澤香菜:映画『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』インタビュー
画像: ©️Beijing HMCH Anime Co.,Ltd

©️Beijing HMCH Anime Co.,Ltd

『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来』
全国公開中
シャオヘイ(CV:花澤香菜)/ムゲン(CV:宮野真守)/フーシー(CV:櫻井孝宏)
シューファイ(CV:斉藤壮馬)/ロジュ(CV:松岡禎丞)/テンフー(CV:杉田智和)
シュイ(CV:豊崎愛生)/ナタ(CV:水瀬いのり)/キュウ爺(CV:チョー)/館長(CV:大塚芳忠)
花の妖精(CV:宇垣美里 ※特別出演)
原作/監督:MTJJ
配給:アニプレックス、チームジョイ
©Beijing HMCH Anime Co.,Ltd

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