2021年6月〜7月に、東京、京都にて、COCOON PRODUCTION 2021 DISCOVER WORLD THEATRE vol.10『夜への長い旅路』の上演が決定した。

DWTシリーズ最多登場の英国気鋭の演出家フィリップ・ブリーンの指揮のもと、 大竹しのぶ 大倉忠義 杉野遥亮 池田成志 のキャスト陣が、ユージン・オニールの家族愛憎劇に挑む。

※DISCOVER WORLD THEATRE とは・・・
「シアターコクーンが海外の才能と出会い、新たな視点で挑む演劇シリーズ」として、2016 年秋からスタート。作品・プランナー・俳優 など限定することなく、劇場が広く世界の演劇と出会い、成長してい きたいという思いから生まれた。

ノーベル文学賞受賞、ピュリッツァー賞4回受賞などの輝かしい功績を残した、アメリカ近代劇作家、ユージン・オニールの遺作となった『夜への長い旅路』が、上演される。

DISCOVER WORLD THEATRE の第10弾として上演する本作は、オニール自身の青春時代における、凄惨な家族の姿を描いた自伝劇といわれ、彼の死後、妻によって発表され、4度目のピュリッツァー賞を獲得した。
悲劇的な家族の歴史を、人間の真実を突く普遍のドラマに昇華させ、自らの人生に“赦し”を与えたオニール の代表作。

本作の演出を手掛けるのは、シアターコクーンでの舞台作りは5作目となるイギリス演劇界のトップランナー、フィリップ・ブリーン。人間を深く見つめ、物語を繊細に紡ぎ出すことで定評がある。

ある家族の、夏のある一日の物語。心揺さぶる濃密な会話劇
世界中で繰り返し上演されている本作だが、キャストには、モルヒネ中毒に冒されて常に精神が不安定な母メアリーに 大竹しのぶ 、アルコールに溺れ、父親の脛をかじって放蕩を繰り返す長男ジェイミーに 大倉忠義 、結核を患っている次男エドマンドに 杉野遥亮 、アイルランド系移民で、金銭に対して異常な執着を持つ俳優の父ジェイムズ・タイロンに 池田成志 の面々が顔を揃えた。
オニール家をほぼ忠実に再現したとされるタイロン家の、夏のある一日の物語。オニール自身が投影された次男エドマンドの視点のみならず、母、兄、父、家族 4 人の個々の内面が深く掘り下げられ、それぞれの抱える哀切や怒り、後悔や絶望、そして家族間の愛憎、確執が、巧みな会話で創られた家庭劇。

STORY

1912 年、夏のある日の朝。俳優ジェイムズ・タイロンの別荘の居間で、家族が朝食後の団欒を楽しんでいる。しかしその会話から徐々に明らかになるのは、彼らの実像、家族を覆う暗い陰である。父ジェイムズは異常な吝嗇家であり、母メアリーは麻薬の常習者、長男ジェイミーは酒と女にだらしない放蕩息子で、次男エドマンドは肺を病んでいる。メアリーは昔、幼い息子ユージンを亡くしたことで罪の意識にさいなまれていた。その後にエドマンドを出産し、産後の病気をきっかけにモルヒネ中毒に陥ってしまったのだ。家族の確執が次第にあぶり出されていく中、再びモルヒネに手を出したメアリーが幻覚に襲われ始めて......。

キャストコメント

大竹しのぶ(おおたけ・しのぶ)
1957年7月17日生まれ 東京都出身

ユージン・オニールの作品は『喪服の似合うエレクトラ』(04 年上演)以来、二度目の挑戦です。今回も精神を病みそうな作品で(笑)、“頬に手を触れる”とか“肩にかける”といった繊細なト書きの一つ一つに、孤独と愛があふれていると感じます。演出のフィリップがその意味を全部わかるように説明してくれると思うので、とても 寂しいお話だけど、すごく幸せな舞台になると思います。フィリップの稽古場は、他の方へのノートを聞くだけでも鳥肌が立つくらい、本当に発見が多くて楽しいです。どんな道を通ってもいつかは到達点に辿り着ける、そう信じて皆で旅をしているような感覚。今回も役者4人とフィリップで、濃密な旅に出かけることになるだろうと楽しみにしています。
家族のスリリングな会話劇から、今、その場で起こっている現実、愛や人生を目の当たりにしていただきたい。何か大きなものをズシッと受け止めた...、そんな感触を与えられる舞台を目指したいと思います。

大倉忠義(おおくら・ただよし)
1985年5月16日生まれ 大阪府出身

以前から、大竹しのぶさんに「一緒に舞台をやりたいね」とお声をかけていただいていたんです。今回やっと実現する!と思って、詳しい話を聞く前に「やります!」と即答し、後になって作品の内容や演出の方についての情報を知って、これはものすごいハードルだぞ...と若干ひるみました(笑)。でも映像にはなかなかない、演劇 だからこそ出来る内容だと思うし、この作品にどっぷり浸かることで、自身のレベルアップにつなげていかなくてはと。しのぶさんと同じ舞台に立ちたい人は山ほどいると思うので、こんな素敵な場所に誘っていただけて、本当にありがたいなと思います。
今、多くの方が辛い状況にいると思います。芝居のテーマは重いかもしれないけれど、始まりから終わりまで、 辛い現実をちょっとでも忘れて没入できる...、そんな体験をしていただけたら嬉しいですね。皆さんに豊かな時 間を提供できるよう、頑張りたいと思います。

杉野遥亮(すぎの・ようすけ)
1995年9月18日生まれ 千葉県出身

いつかは舞台をやりたいと思っていたので、今回の機会に感謝し、すごくワクワクしています。同世代の俳優仲間に初舞台をシアターコクーンで...と話したら「え〜!」、しかも大竹しのぶさんと...「ええ〜!」さらに演出の方がイギリス人で...「えええ〜!」というもっともな反応が(笑)。とにかくコトが大きすぎて、一周回って逆にフラットな気持ちになってきました。何も出来ないんだから怖がることもない、頑張るしかない。わからないことは「わからない」と言って、迷わずに聞いていこうと思っています。
作品は難しいけれど、このコロナ禍で僕も家族について見つめ直すところがありました。自分たちが楽しくい られる空間って何だろう、自分らしく生きるには...と考えた時にこのお話を読んで、けっしてかけ離れた物語じゃない、共感できるものは確かにあるなと感じて。今はとにかく、嘘や後悔なく一生懸命生きることをこの作品への準備と考えて、日々を過ごしていこうと思っています。

池田成志(いけだ・なるし)
1962年9月27日生まれ 福岡県出身

大竹しのぶさんと舞台を...と声をかけていただき、嬉しさと同時に怖いなという気持ちがありました。本当に豹変してしまう、スゴい役者さんですからね。で、どんな作品?と思ったら、これまた非常に深い、それぞれが鬱屈を抱える家族のお話で。コロナ禍の今、こんな重い話を〜と思うかもしれませんが、僕は、演劇は多様であるべきだと思っています。僕自身、昨年末はとっても下品な明るい芝居をしていたけれど(笑)、今度は180度違う舞台に参加できる。その幸せを噛み締めて挑みたいですね。
演出のフィリップさんについては、彼の作品に 2 度出演している三浦春馬君とお仕事でご一緒した時に「どんな人?」と聞いたことがあって。「メチャいい人ですよ!」ってすごく信頼していましたね。きっと舞台に対して 誠実な人だろうからとても楽しみです。6月に社会がどうなっているかはわからないけれど、僕らはしっかり準備をしてお客様をお待ちします。劇場にいるあいだだけはコロナのことは忘れていただきたい。そんな時間をお届けできればと思っています。

COCOON PRODUCTION 2021
DISCOVER WORLD THEATRE vol.10 『夜への長い旅路』

作 ユージン・オニール
演出 フィリップ・ブリーン
翻訳・台本 木内宏昌
美術・衣裳 マックス・ジョーンズ
出演 大竹しのぶ 大倉忠義 杉野遥亮 池田成志

東京公演 2021 年 6 月 Bunkamura シアターコクーン
京都公演 2021 年 7 月 京都劇場

公式サイト https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/
企画・製作 Bunkamura
※詳細は後日発表

[注]
・チケット購入時に登録の氏名・緊急連絡先は、保健所等の公的機関からの要請により提供させていただく場合がございます。
・各劇場の感染症対策とご来場されるお客様へのお願いにつきましては、最新情報をホームページにてご確認の上、ご来場ください。

This article is a sponsored article by
''.