『女王陛下の~』を手掛ける前に完成⁉ 箸休めのつもりの歴史ドラマ
映画『女王陛下のお気に入り』でアカデミー賞脚本賞にノミネートされ、一躍名を挙げたマクナマラ。意外ではあるが、本人はとりわけ歴史に興味があるというわけではなかったという――。
「僕はシドニー・シアター・カンパニーで現代劇を書いていた。その頃、カンパニーのトップのロビン・ネヴィン(豪女優)が『私のために何か書いて頂戴』と言ってきたんだ。ちょうど僕は現代劇に飽きていた頃だったから、何か他の題材はないかと思ったわけさ」
「最初は1950年代を舞台にしようと思った、当時の政治が好きだったからね。同じ頃、エカチェリーナの話が目に止まったんだ。彼女の歴史的な功績とくだらない噂話との対比がおもしろかった。そこで考えた、これはすごく今っぽい話じゃないかって。立派な誰かの人生をくだらない噂話でおとしめるのって、現代にありがちなことじゃないか」
「どんな文体で書こうか?(ロシア人の)エカチェリーナを何語で描くのか?そうこうしているうちに気付いたんだ。これを歴史物として描くことは僕には上手くできないと。だから僕の強みを生かせるように書いてみることにした。それが始まりさ」
戯曲「The Great」(「THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~」の原題)が完成したのは2008年のこと。マクナマラが『女王陛下のお気に入り』を手掛ける、ずっと前のことだ。戯曲が公演された後、手ごたえを掴んだマクナマラは「The Great」を映画化しようと考えた。これが最終的にTVシリーズへと発展していく――。
「戯曲自体は60分の舞台になった。それを映画用に90分に膨らませた。TVシリーズになり、シーズン1は10時間くらい、シーズン2ではさらに10時間だ。問題は「The Great」の世界をどこまで広げられるか。これは僕の他の脚本家、プロデューサーにとっても同じ挑戦だったと思う。TVシリーズにとって、その世界を構築することが一番大切だからね。魅力的なキャラクターを生み出して、視聴者を引き付けておかないといけない。さらには11人の主要なキャラクターにそれぞれ素晴らしいシーンを与えて、彼らのことも引き付けておかなきゃならない。そうでなきゃ、彼らは自分のベストを見せてくれないからね。だから本当に仕事はたくさんあった、皆を引き付けて離さない世界を作り上げる仕事がね」
“2人のケミストリーがいいし最高”
「最初にエル・ファニングとニコラス・ホルトのシーンを見たのは朝食を食べるシーンだった。テーブルに並んだ朝食を前にした二人だけのシーンだ。興奮したね、『ケミストリーがいい。2人のテンポが合っている。最高じゃないか』ってね」
いかに個々の俳優が素晴らしくても、キャラクターとしての二人の相性がいかなるものかはフタを開けてみないと分からない。マクナマラはこの朝食のシーンで、作品の成功を確信したという――。
「THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~」
2月15日(月)より独占日本発放送!
(海外ドラマ専門チャンネル スーパー!ドラマTV)
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