取材・文/タナカシノブ 撮影/大西基
平澤宏々路が自己分析「チャレンジすることに怖さを感じないタイプです!」
ーー生まれてまもなく事務所に入ったそうですが、演じることを“仕事”として意識したのはいつ頃からですか?
「物心ついたときからお仕事をしていたので、“楽しいな”くらいの気持ちで、遊びに行くような感覚で現場に向かっていた気がします。小学生になるとセリフが徐々に増えはじめ、周りと合わせてお芝居をすることを考えるようになりました。これは仕事だと意識したのはその頃からだったと思います」
ーー『アーヤと魔女』に登場するお気に入りキャラクターはカスタードとトーマスということですが、その理由は?
「カスタードもトーマスもとにかくかわいい! ちょっとビクビクしながらもアーヤについていく姿にキュンとします。トーマスは人間の言葉を話すけれど、猫目線なので、猫っぽさを感じるセリフがかわいいなと思います。ニヤッとしている表情も惹かれちゃいます。動物全般好きなのですが、特に猫が大好きなんです!」
ーーカスタードもトーマスもアーヤにとってよき相棒ですよね。
「アーヤのようなヒロインももちろん好きなのですが、ヒロインを支える役目をしている人に惹かれがちです。その人がいないとヒロインって成り立たない、裏で支えている人に注目しちゃいます」
ーー平澤さん自身はアーヤのようにリードするタイプですか? それともカスタードやトーマスのように支えるタイプですか?
「学校では仲良しの友だちとみんなでワイワイ過ごす時間が大好きです。アーヤのように、たまに隠れていたずらとかすることもあります(笑)。私の周りは、ボケるタイプが多いので、みんなが一気にボケはじめたら、ツッコミ役にまわります。ツッコミ役がいるときは、ボケる側にまわります」
ーーどんなことをしてワイワイ過ごすのですか?
「K-POPが好きな子、漫画が好きな子、小説が好きな子、アニメが好きな子など、それぞれにみんな好きなものを語りまくります。私はゲームと声優さん担当です。好きなものの話をしているときは、みんなの目が輝いていて、活き活きしているので、聞いているだけでも楽しいです。お互いのおすすめを言い合うのが定番です。話は止まることはありません!」
ーーオフの日の楽しみはありますか?
「家にいるときは、ペットのチンチラと遊びます。最近スコティッシュフォールドの子猫を飼い始めたので、ずっとなでて眺めて過ごします。あとは、映画やアニメをたくさん観たり、家でゆっくり過ごすことが多いです」
ーー『アーヤと魔女』のポスターに「私のどこが、ダメですか?」とありますが、平澤さんが「私のここがダメ」と思うところを教えてください。
「私、あまり要領がよくないんです。例えば、片付けをしているときに台本を見つけると、片付けを忘れて台本に没頭してしまうし、逆に、台本を読まなくちゃいけないときに、ちょっと片付けに手をつけると、いつの間にかそっちに集中してしまっている。またやってしまった、と思うことはよくあります(笑)」
ーーでは、「私のここが良い!」と思うところは?
「1つのことに没頭するのは得意だと思います。チャレンジすることに怖さを感じず、やってみてから考えるタイプです。大体、突っ走っていって、転んで帰ってくるんですけれど(笑)。でも転んで学んで、別の方法を試してみるようにしています」
ーー目標にしている俳優や、目指すスタイルはありますか?
「いろんな作品に出ているバイプレイヤーになりたいとずっと言っています。これからもそうしたいと思っています。主役で中心にいるのは自分には向いていない気がしています(笑)。どちらかというとみんなと一緒に真ん中の人を支えるほうが合っているように感じます。“あの作品にも出てたよね”“この作品にも出てるの?”と言われたいです。なので、いろんな役を演じ分けられるようになりたいという目標はあります。日本の俳優さんなら、渡辺いっけいさんに憧れます。何度か共演させていただいたのですが、とても優しく接してくださるし、声ひとつで違うまったく違う表情になる、とても魅力的な方です」
ーー渡辺さんもナレーションや声優もやっていらっしゃいますね。そして、名バイプレイヤーです。
「そうなんです! そういう部分でもすごく憧れます!」
ーー平澤さんが今、やってみたいことを教えてください。
「秘境めぐりがしたいです。母が秘境を調べるのが好きで、“行ってみたいね”なんて言いながら、ひたすら写真を見て楽しんでいます。写真では見えない部分を、実際に現地に行って確認したいと思っています」
ーー声優初挑戦を無事に終えて、今後声優としての仕事にも興味は出ましたか?
「声だけのお芝居の難しさに悩んだり、いろいろ試すことができて、とても経験になりました。そして、改めて声優さんの凄さに気づかされました。画にあわせてお瞬時に芝居を“クルッと”切り替えられるなんて、尊敬しかないです。ますます声優さんが大好きになりました。大変だったけれど、楽しい記憶が勝っているので、今後も機会があったら、やってみたいお仕事です!」
ひらさわ・こころ
2007年9月21日生まれ、東京都出身。QBBチーズのCM(当時2歳)でデビュー。『貞子3D2』(13)や『ミックス。』(17)、『BLEACH』(18)、『水上のフライト』(20)など話題の映画やドラマ「ドラマ24浦安鉄筋家族」(20)などに話題作に多数出演。オーディションで射止めた『アーヤと魔女』のアーヤ役で声優初挑戦。
アーヤと魔女
8/27(金)公開
声の出演/寺島しのぶ、豊川悦司、濱田岳、平澤宏々路
企画/宮﨑駿
監督/宮崎吾朗 配給/東宝
(C)2020 NHK,NEP,Stusdio Ghibli