渋谷系カルチャーの出発点となったコンサート映画の金字塔!
あの伝説が渋谷に再び降臨!
84年、若者たちは個性に目覚め始め、映画業界も娯楽映画からインディペンデント映画へ注目が集まり出す空気の中で、日本における“ミニシアター映画の夜明け”を明確に告げたのがこの『STOP MAKING SENSE』。吉祥寺バウスシアターでのロードショーが発火点となってから、レイトショー上映にも関わらず、渋谷では渋谷公園通りには長い行列ができるほどだったという。劇場では曲の切れ目には拍手が起こり、我慢できなくなった観客が上映中にも踊り出すほど。実際にコンサート会場にいるような気分にしてくれた。アートスクール出身のメンバーたちが織りなす最小限の小物と照明を駆使し表現される都市生活者の孤独や狂気―――音楽と映画がクロスオーバーし、そしてトーキング・ヘッズのフロントマン、デイヴィッド・バーンが「Girfriend Is Better」で着用する“ビッグスーツ”はその後長きに渡り彼の代名詞にもなるほどファッションにも大きな影響を与えた。トーキング・ヘッズの人気を不動のものとしたこのコンサート映画の金字塔ののち、監督の故・ジョナサン・デミは名作『羊たちの沈黙』を手がけることになる。
『STOP MAKING SENSE』から『アメリカン・ユートピア』へ
トーキング・ヘッズの代表曲「サイコキラー」から始まる『STOP MAKING SENSE』。白いスニーカーの足元にはラジカセ。デイヴィッド・バーンだけがステージに登場するオープニングから、1 曲ごとにメンバーが増えていき、サウンドが分厚くなっていく。シンプルなステージ、振り付け、ダン
ス……そこには37年の時を経て辿り着いた『アメリカン・ユートピア』との共通点が散りばめられている。演奏される「This Must Be The Place」や「Once In A Lifetime」「Burning Down The House」など、同じ曲でありながらも、混迷と分断に悩める現代において、全く違う意味を持って響いてくる。『アメリカン・ユートピア』を見る前の予習・復習に!
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『STOP MAKING SENSE』(84年/88分/アメリカ)
4月30日(金)~5月6日(木)の1週間上映
エネルギーに溢れ、躍動感に満ちた最盛期のトーキング・ヘッズ。NY のパンクのムーヴメントから始まり、ブライアン・イーノを経てバーニー・ウォーレル(ファンカデリック=パーラメント)へと至る音響とリズムの進化の中で、かつてない新たな音楽が出現した。
1983年12 月にLA で行われた3回のライヴを撮影し、トーキング・ヘッズの数々の名曲を収録。
バンドメンバーはデヴィッド・バーン、ティナ・ウェイマウス、クリス・フランツ、ジェリー・ハリソンの他、バーニー・ウォーレル、アレックス・ウィアー、スティーヴ・スケールズ、リン・マブリィ、エドナ・ホルトが参加。
監督:ジョナサン・デミ
製作:ゲイリー・ゴーツマン
製作総指揮:ゲイリー・カーファースト
脚本:ジョナサン・デミ、トーキング・ヘッズ
上映劇場:渋谷シネクイント
上映料金:1,200 円均一
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提供:キングレコード 配給:boid