どんな時にもこの曲が背中を押してくれるんじゃないかなと思っています
──大好きだという『賭ケグルイ』の主題歌を担当すると聞いた時は、テンションが上がったのではないでしょうか?
「“待ってました!”という感じでした。大好きな作品で、世界観は理解していたし、強気でイキリ切った曲をやりたいと思っていたタイミングだったので、迷うことなく“やります! おまかせください”と即答しました(笑)」
──重厚感があって、アグレッシブな感じもすごくマッチしていますよね。
「デモをお渡ししたら。“ぴったりです”とコメントをいただき、一発OKをいただきました。『賭ケグルイ』チームにコネクトした感じがして、すごく嬉しかったです。チェスをモチーフに、自分がギャンブルをしたらどういう人間になるのかを想像しながら作った楽曲です。出来上がった時に、過去のシリーズの映像と重ねて“合う合う、ぴったり合う”と感じたので、自信を持ってデモをお送りさせていただきました(笑)」
──映画館だけで聴ける5.1chバージョンも制作したと伺いました。
「試写で拝見したのですが、大迫力の音楽に圧倒されました。音がいろいろなところから飛び交ってくるので、元の曲よりも強い曲に感じたくらいです。映画本編後に流れる曲ですが、曲を聴きながら気持ちが高揚して“もう一回観たい”と思える曲になりました。映画館ならではの迫力を体感してほしいです」
──映画にぴったりですが、映画以外でも勝負曲のように聴きたくなる楽曲でした。
「嬉しいです。勝っても負けても笑っちゃおう、ぶつかって砕け散ればいい。それくらい強気なメッセージを込めて作りました。当たって砕けろな気持ちの時、ちょっとビビっている自分がいる時、虚勢を張りたい時。どんな時にもこの曲が背中を押してくれるんじゃないかなと思っています」
作品を放出していきたい気持ちがとても強いです
──miletさんの楽曲作りのスタイルを教えてください。
「2パターンあります。家で一人で作る時と、スタジオで知り合いのミュージシャンとセッションしながらコライトするパターンです。伴奏を流してもらいながら、歌詞やメロディを載せていくスタイルで音楽作りを始めたので、これが自分のスタイルになりつつあります」
──デビューから取り巻く環境など、めまぐるしい変化があったかと思います。アーティストとして目指す道、なりたい形はありますか?
「今は、曲を作って歌うことを純粋に楽しみながらやっています。今回のように映画など誰かの作品の一部になることもすごく喜びを感じています。とにかく作品を放出していきたい気持ちがとても強いです。それを聴いてくれる人がいてもいなくても続けていきたいと思っています。もちろん、聴いてくれる人がいれば最高に嬉しいし、そこに向けて全力で歌いたいという気持ちがあります。音楽をはじめて出会った人たちが大好きで、その人たちと一緒にいたい、そんな思いで続けているし、続けていきたいです」
──今回は主題歌でしたが、映画音楽にも興味があるそうですね。
「いつかやりたいです。サントラなど、歌がなくてもやってみたい気持ちがあります。映画好きな両親の影響で、小さい頃から映画をたくさん観ていました。大好きなクラシック音楽がたくさん流れている作品と聞き、高校生の頃『2001年宇宙の旅』を観たのですが、 “ここで、そうくるか!”という音楽の使い方、ダイナミックな曲の付け方に惹き込まれました。その頃から少しずつ映画音楽に興味を持つようになりました。かと思えば、音のない、ナチュラルな世界観の小津安二郎作品とかもすごくいいと思ったりして。映画は、少し昔の作品が好きです」
インタビュー・文/タナカシノブ
スタイリスト/入江陽子(Tron)
ヘアメイク/枝村香織
デジタルシングル『checkmate』配信中
『映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』
5月12日(水)公開