映画の舞台は1942年創立の伝統校<The School of Housewives>。若い女性を良き「主婦」に育成するべく始まった学校で、洋裁、編み物、刺繍、穴の繕い、洗濯、アイロンがけ、テーブルセッティング、消火器の使い方…など、生活に役立つあらゆることを学ぶ場だ。1970年代には男子生徒も受け入れて男女共学に。
今では「自分のことを自分で世話できる人間になりたい」「今を生きる知恵を身につけたい」という学生たちが集まり、「自立した人生を楽しむ術」を教える学校へとその役割が変化してきた。学生たちは、一年をかけてひとつひとつの技術を習得し、家族を招いて発表の場も。その姿はどこか誇らしげでさえある。
2020年から続くコロナ禍において、誰もが家で過ごす時間が長くなった今こそ、主婦の学校の「生活を大切にする」という学びから、それぞれの生活や暮らしを見直せるのではないだろうか。ジェンダーギャップ指数ランキング11年連続1位のアイスランドから届いた本作は、「暮らし」や「家事」のあり方を柔らかく問う。
※ジェンダーギャップ指数ランキングとは、男女格差を表す指標として毎年発表されている。日本は120位で、G7の中でもダントツの最下位。
本作の公開劇場であるシアター・イメージフォーラムでは、コロナ禍が続く今年1月より、YouTubeチャンネルで「Sign of Life:シアター・イメージフォーラム ‟配給さん、いらっしゃい!”」を絶賛配信中。映画を一番よく知っている配給会社の担当者に映画の魅力や、会社や自身のことを語って貰い、上映する映画により興味を持ってもらうという番組だ。
今回、その別企画として、映画が映画館で公開され、観客に届くまでの配給・宣伝のプロセスをオープンにする配信番組「Sign of Life: “配給さんと映画を届ける”」が立ち上げられた。
第1回は、北欧映画に特化して配給しているkinologueがこの映画を配給するに至った経緯、邦題や宣伝コンセプトをどのように決めたかといった話をしていく。そして、奇しくも同じく家政学校を舞台としたフランス映画『5月の花嫁学校』(5/28(金)より公開)の宣伝プロデューサーをゲストに迎え、立ち上げから公開直前までの配給・宣伝について語ってもらう。
ミニシアター映画が好きな方はもちろん、映画の配給や宣伝をやってみたい!と映画業界を目指す方にも必見の内容となる。
今後も10月の公開までに、ポスターや予告編の制作プロセス、専門家によるレクチャーといったテーマで4-5回の番組配信を予定。『〈主婦〉の学校』が公開=開校する前の“事前学習講座”としてご覧になってみてはいかがだろうか。
<配信番組情報>
シアター・イメージフォーラム配信番組「Sign of Life: ‟配給さんと映画を届ける”」
#1 kinologue配給『〈主婦〉の学校』:第1回「配給の経緯と邦題・宣伝コンセプト決定」
出演者:シアター・イメージフォーラム山下宏洋、kinologue森下詩子、宣伝担当・伊藤麻衣子
ゲスト:アルバトロス・フィルム 坂井甲子郎さん(『5月の花嫁学校』宣伝プロデューサー)
配信日:2021年5月26日(水)18:00~(45分程度)
イメージフォーラムYouTubeチャンネルにて
https://www.youtube.com/user/imageforum
ゲスト担当作品:『5月の花嫁学校』 https://5gatsu-hanayome.com/
1967年、フランスのアルザス地方の花嫁学校。パリから届いた“自由”の風に乗り、先生と生徒たちの革命がはじまる!?フランスの名女優たちが奏でるカラフル&キュートな人生賛歌‼
監督:マルタン・プロヴォ 出演:ジュリエット・ビノシュほか 配給:アルバトロス・フィルム
5月28日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかにて全国公開
〈主婦〉の学校
10月シアター・イメージフォーラムにて公開
配給:kinologue