池森乾麺専用のレーンを生で見た時は涙が出ました
──池森さんが蕎麦の愛好家であるというのは、『マツコの知らない世界』(TBS系)などを通じて存じていたのですが、プロフィールを拝見したら、ワインも嗜まれているんですね。
「はい、大好きです」
──グルメですねぇ。
「いや〜(笑)。ただ、こだわり抜くというか、好きなものに出会ってしまうとのめり込むタイプだっていうことは、よく言われます」
──1年間のうち約360日も昼食は蕎麦というほどの愛好家ですが、続けられるっていうのも、とことん好きじゃないとできないですよね。
「最初は体調管理の一環として、当時、鍛えすぎて筋肉が付き過ぎたので、それを落とすためにと思って始めたんです。それまで3食食べていた食生活を、朝は野菜ジュースだけ、お昼はお蕎麦。それも、かけ蕎麦かもり蕎麦だけ。毎日好きなワインを飲んで、好きなものを食べてという生活を1カ月続けたら、体重が戻ったんです。ウエート管理ってすごく難しいじゃないですか。でも、僕には見事にはまった。それで“お蕎麦って、食べ過ぎなければ本当に効果があるんだ”と思って、飽きずに今、15年です」
──その蕎麦好きが結実して、昨年9月より、こだわりのオリジナル乾麺が発売されています。
「“自分のオリジナル乾麺を作りたいんです”って言ったところから始まりました。僕はそば粉が多いお蕎麦が好きなので、そば粉は絶対八割以上というところに、まずこだわりました」
──乾麺を作る工程にもこだわりがあるそうですが。
「『二八の極み』は、池森乾麺専用のレーンで作られています。それを生で見た時は、涙が出ましたね」
──そこまでするか、と。
「たぶん、ポルシェを2台ぐらい買えますよ(笑)。本当に感謝しかないです」
──池森さんのオリジナル乾麺に合う、オリジナルの蕎麦つゆも発売されています。
「つゆは絶対大事ですね。つゆって、育った環境の味がその人のDNAになっていると思うんです。例えば、僕のマネージャーは九州出身なのですが、九州はたまり醤油で甘いんですよ。その甘い醤油が彼のDNAの中にあったりする。僕が“辛口が美味しい”と言っても、甘口が出ると、“僕はやっぱりこっちのほうが美味しいです”ってなるんです。だから、みんなが共通して美味いっていうことではないんだなということがわかったので、つゆは二つ作ったんですよ。甘口と辛口。想像を超える美味しさです(笑)」
──新商品『香りの外一』についても聞かせてください。
「新商品は“至福の九割そば”と謳っていて、そば粉10割に対して、割り粉を1割を使用する外一という割合で作りました。ほぼ十割なんですけれど、細かな食感で、茹でたすぐ後に、蕎麦の香りがきます。だから『香りの外一』という商品名にしました。池森そばの中でも、抜群の香りです」
──食べ比べして、そこから自分の好きな蕎麦を見つけてもらいたい。
「そうしてほしいです。“乾麺って一つ一つにこんなに違う世界観があるんだ”っていうことに気づきますから。もちろん、他にも美味しい乾麺はあります。でも、池森そばは、美味いだけじゃなく、間違いないです。今、こういう時代ですから。ぜひ池森そば公式ショップに遊びに来ていただいて、気になるものがあったらポチポチしていただけると嬉しいです(笑)」
DEEN流でシティポップに仕上がったオリジナルアルバムもお楽しみいただけたと思います
──ところで、最近は美味しいお蕎麦屋さんに出会いましたか?
「六本木にある蕎麦おさめさん。挽き方が違う三種類のそばを食べたんですけど、めっちゃくちゃ美味いです! さすが六本木で出す店だなって思ったら、『ミシュランガイド東京』(ビブグルマン)に2年連続で掲載されたお店でした」
──すごいですね。
「でも、全然、敷居が高くない。“東京・六本木でやってやるぜ!”みたいなものが何もない。上質なのに、自然体。店の雰囲気も大将も味も、トータルで素敵だなって思いました」
──ありがとうございます。最後に、DEENの2021年の活動についても聞かせてください。
「DEENはとにかく、作品を作ってコンサートしてという活動をずっと続けてきたので、そのペースを崩さないのが毎年の目標です」
──1月にリリースした『POP IN CITY ~for covers only~』は、大滝詠一さんの『恋するカレン』やシュガー・ベイブの『DOWN TOWN』、吉田美奈子さんの『恋は流星』などシティポップの名曲をカバーしたアルバムですが、DEEN色に染めているところが素敵だなって思いました。
「企画色のある制作は、楽曲を掘り下げることによって自分たちの情報量も増えて、すごく世界が広がります。5、6年に一度はこういうアルバムを作ってもいいかなって思います。7月7日には、DEEN流でシティポップに仕上がったオリジナルアルバムがリリースされますので、そちらもお楽しみいただけたらと思います!」