コリン・ファースとスタンリー・トゥッチ、イギリスとアメリカが誇る 2 大紳士俳優が共演した話題作、『スーパーノヴァ』が、7 月 1 日(木)より TOHO シネマズ シャンテ他にて全国順次公開。本作の公開を記念して、個性的演技が光るコリン出演の LGBT 映画の歴史を 5 本の出演作で振り返ってみたい。
画像: 『スーパーノヴァ』

『スーパーノヴァ』

20 年の歳月を共にしてきた2人が向き合う人生の最終章を圧倒的な演技で魅せる

『英国王のスピーチ』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したコリン・ファースと、『ラブリーボーン』で同賞助演男優賞にノミネートされたスタンリー・トゥッチがカップル役を演じ、20 年という歳月を共にしてきた 2 人が向き合う人生の最終章を、圧倒的な演技で魅せる心震える感動作『スーパーノヴァ』がついに日本で公開となる。

不器用で無口だが、胸の奥に熱い愛情を燃やし続けるピアニストのサムを演じるのはコリン・ファース。人を惹きつける才能と魅力に溢れ、いつもブラックジョークで周囲に笑いをもたらす作家タスカーにはスタンリー・トゥッチ。最初にオファーされたスタンリーが、「サムとタスカーの絆が本物でなければこの映画は成功しない」と考え、20 年来の友であるコリンに自ら(実は独断で)脚本を手渡したことから実現した夢の共演だ。

メガホンをとったのはハリー・マックイーン。俳優としてデビューし、オリジナル脚本として書き上げた本作が、監督第 2 作目となる注目の新生監督。撮影監督は『ターナー、光に愛を求めて』などで 2 度アカデミー賞にノミネートされたディック・ポープが務めた。水と緑が織りなす風景が絵画のように美しい湖水地方など、イギリスが誇る景勝を余すところなく捉え、2 人の壮大な人生の旅路を鮮やかに彩っている。

画像: 【公式】映画『スーパーノヴァ』予告編/7月1日(木)公開 www.youtube.com

【公式】映画『スーパーノヴァ』予告編/7月1日(木)公開

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切っても切れないコリンと LGBT 映画の関係

本作でプライベートでも親友であるスタンリー・トゥッチとカップル役を演じるコリン・ファース。コリン×LGBT 映画といえば、アカデミー賞主演男優賞にもノミネートされた『シングルマン』が代表的だが、自身が LGBT 役に扮していない作品も含め、「見返すと実は LGBT 映画だった」という作品に多数出演している。

しかもそういった作品では必ず期待以上の個性的な演技と、抜群の色気を見せ評判を呼び、もはや LGBT 映画の陰の功労者といっても過言ではないほど、切っても切れないコリンと LGBT 映画の関係。そんな個性的演技が光るコリン出演の LGBT 映画の歴史を 5 本の出演作を通してたどってみよう。

80 年代の英国美形ブームの火付け役ともなった名作『アナザー・カントリー』

画像1: コリン・ファースの個性的演技が光る「傑作 LGBT 映画」5選

『アナザー・カントリー』 (84)
言わずと知れたコリンのスクリーンデビュー作!戦時中に実在した「ケンブリッジ・ファイブ」というスパイ組織に所属した英国人男性をモデルに、イギリスの全寮制パブリックスクールで同性愛や共産主義に傾倒していくエリート学生たちの生活を描いた青春ドラマ。キャストにはイケメン若手俳優陣が集結し、80 年代の英国美形ブームの火付け役ともなった名作。コリンはもともと舞台版で主役のガイ・ベネット役を演じていたが、映画版では共産主義に走るアウトサイダーな青年・ジャド役をクールに演じている。本人もゲイであることをカミングアウトしているガイ役のルパート・エヴェレットは、撮影中にコリンに恋をしていたんだとか。

“紳士俳優”のイメージからは想像しづらい役を怪演『アパートメント・ゼロ』

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『アパートメント・ゼロ』 (88)
こちらもデビュー初期の頃の作品。映画オタクで神経質、おまけにマザコン、という今ではすっかり“紳士俳優”のイメージが定着しているコリンからは想像しづらいキャラクターを怪演している。ブエノスアイレスのとあるアパートで暮らす主人公のエイドリアンがアメリカから来たハンサムなジャックに一目惚れしルームシェアに誘うが、実はジャックには危険な秘密があった――。ブロマンスとサスペンスが入り混じる面白い構成と、狂気が光るコリンの演技に、密かにファンも多い一作。

終始漂う微かな怪しさがラストでは驚きの展開に!『秘密のかけら』

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『秘密のかけら』 (05)
鬼才アトム・エゴヤン×コリン・ファース×ケヴィン・ベーコンという豪華な顔ぶれで描かれるミステリー。きらびやかな1950 年代のショウビズ界で起きた事件の真実をめぐり、女性ジャーナリストが取材を進めていくが自らも事件に巻き込まれていってしまう——。コリンとケヴィンが扮するのは事件をきっかけに 15 年前に解散した人気デュオの 2 人。コリンは紳士的でウィットに富んだイギリス人ヴィンス役を持ち前の上品さで演じるが、終始漂う微かな怪しさがラストでは驚きの展開に…!服も脱ぎ捨て、体当たりな演技を披露したコリンの姿は必見。

自暴自棄になる大学教授・ジョージ役で退廃的な美しさを披露『シングルマン』

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『シングルマン』 (09)
世界的ファッションデザイナーであるトム・フォードの監督デビュー作で、恋人を失い人生に絶望するゲイ男性の役を魅力たっぷりに演じ、ベネチア国際映画祭では最優秀主演男優賞を受賞、その他アカデミー賞をはじめ数々の映画賞で主演男優賞にノミネートを果たしたコリンの代表作の一つ。パートナーを失い自暴自棄になる大学教授・ジョージ役で退廃的な美しさを披露したコリン。『アバウト・ア・ボーイ』から成長したニコラス・ホルトの若さ溢れる美しさにも劣らない魅力を見せつけた。

視点を変えるとまた一風違う切なさが見えてくる『裏切りのサーカス』

画像5: コリン・ファースの個性的演技が光る「傑作 LGBT 映画」5選

『裏切りのサーカス』 (11)
スパイ小説の名手、ジョン・ル・カレの小説を基に映画化された硬派なスパイ映画。1960 年代のロンドンを舞台に、ある作戦の失敗を引き起こした諜報機関の 2 重スパイ“もぐら”を探し出すため、元諜報職員が真実を追及していくスパイスリラー。コリンは“もぐら”の候補として疑いの目を向けられる諜報機関幹部のカリスマ溢れるビル・ヘイドン役を演じる。本作を LGBT 映画だと明言するものはないが、実は『アナザー・カントリー』でも触れたスパイ組織「ケンブリッジ・ファイブ」のメンバーを基に描かれたキャラクターが“もぐら”であり、映画のクライマックスでは同性愛を暗示させるシーンも。複雑な物語と、細かく散りばめられた伏線の多さで「難解だ」と話題になった映画も、視点を変えるとまた一風違う切なさが見えてくるかも?

スーパーノヴァ
7月1日(木)TOHO シネマズ シャンテ他 全国順次ロードショー
配給:ギャガ
©2020 British Broadcasting Corporation, The British Film Institute, Supernova Film Ltd.

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