‟メンフィス・ジューキン”の動きには人生が込められている――
本作の舞台は、全米有数の犯罪多発地域で公民権運動のキング牧師が暗殺された場所でも
あるメンフィス。そこで育ったチャールズ・ライリー(愛称リル・バック)は、メンフィス発祥のストリートダンス”メンフィス・ジューキン”にのめり込む。さらには、そのダンスを磨くため、奨学金を得てクラシックバレエにも挑戦、ジューキンとバレエを融合させ、名曲「白鳥」(「瀕死の白鳥」)を踊る。そのダンスをみた世界的チェロ奏者ヨーヨー・マは、チャリティ・パーティーに彼を招いて共演し、偶然居合わせた映画監督スパイク・ジョーンズが、その様子を携帯で撮影して動画を投稿すると、動画は一気に拡散。1 本の動画が、リル・バックの運命を大きく変え、彼は世界中に注目されるダンサーとなっていく。
ヨーヨー・マ、スパイク・ジョーンズ……誰もが魅了される驚異のダンサー
少年時代のリル・バックが自ら撮影した動画からはじまり、次にメンフィス出身のラッパー、アル・カポーンの人気曲「Memphis Pride」にのせ、伝説的ローラースケート場「クリスタル・パレス」が映し出される。ここは土曜夜になるとダンスフロアに変わり、リル・バックのダンスの原点になった場所だ。「俺たちは人殺しになるよりダンスがしたい」。メンフィスの過酷な現実を伝える言葉。一転、音楽がクラシックに変わるとヨーヨー・マ「瀕死の白鳥」を共演するリル・バック。これはスパイク・ジョーンズが実際に撮影した映像だ。他にもリル・バックのダンスがたっぷり、人間業と思えないスムーズな動き、スニーカーの爪先立ちで踊る信じられないテクニック。リル・バックの凄すぎるダンスが、メンフィスという街としっかり結びついていることに胸が熱くなる予告編だ。
リル・バック
1988年生まれ。ヨーヨー・マとの共演のほかジャネール・モネイ「Tightrope」の MV、シルク・ドゥ・ソレイユへの出演、マドンナのツアーへの参加、ルイ・ヴィトン財団での公演、ヴェルサーチやナイキとのラボレーション、ユニクロや GAP、Apple の CM 出演など多彩な活動を続ける。MOVEMENT ART IS (M.A.I.)を立ち上げ、現在、NY のジュリアード音楽院のクリエィティブ・アソシエイツも務める。
『リル・バック ストリートから世界へ』
8/20(金)公開
監督:ルイ・ウォレカン
配給:ムヴィオラ