記憶潜入＜レミニセンス＞のアイデアは日常の不思議なできごとからー監督リサ・ジョイが明かす『レミニセンス』の出発点

記憶を360度の空間で再現。あなたはダマされずにいられるか！？

『グレイテスト・ショーマン』『X-メン』シリーズなどで、エンターテイメント界の最前線を駆け抜けてきたヒュー・ジャックマンが演じる新たなキャラクターは、〈記憶潜入(レミニセンス)エージェント〉。人の記憶にレミニセンス(潜入)し、その記憶を360度の空間映像に再現して事件を解決する。

共演は、『グレイテスト・ショーマン』でヒューと共演したレベッカ・ファーガソン、「ウエストワールド」のタンディ・ニュートンら豪華キャストが集結。監督はドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』の視聴者数を抜いて全米を騒然とさせたドラマ『ウエストワールド』のリサ・ジョイ。製作には『ダークナイト』『インターステラー』の脚本も手がけた、ジョナサン・ノーラン。

人の記憶に潜入（レミニセンス）し、記憶を360度の空間で再現。＜膨大な記憶＞×＜再現される空間＞によるトリックにダマされる、未だかつてない新感覚体験をさせてくれるハリウッドSFサスペンス超大作『レミニセンス』が2021年9月17日（金）に公開される。

リサ・ジョイ、発想のきっかけは日常の不思議な出来事

本作の最大の魅力は「他人の”記憶に潜入＜レミニセンス＞”して記憶の世界を体験」するという独創的なコンセプト。製作を務めたジョナサン・ノーランの妻であり、大ヒットドラマ『ウエストワールド』を手掛け、本作で監督を務めたリサ・ジョイはどのようにこの設定を思いついたのだろうか。その答えは【SF的な世界観とはかけ離れた日常の不思議な出来事】からだという。

リサの祖父母の家には【スキ・リン】という名前がついており、その理由を尋ねても祖父は教えてはくれなかったという。そんな祖父の遺品整理をしていた時、50～60年前に撮影されたであろう美しいアジア人女性の写真を見つけ、その裏に【スキ・リン】の文字が記されていた。しかしリサの祖父は、家族の前で一度も【スキ・リン】という人物に関する話はしなかった。

それでもその【スキ・リン】という名が、祖父にとっては自身の家の名前にする程強く記憶に残る存在だったのだと思った時リサは、のちに本作のコンセプトととなる人生と記憶の意味について考え始めたという。

「人生の中で、たった一瞬の出来事や人とのつながりが、どれだけ影響力のあるものなのかと。そんな記憶を蘇らせて、当時の出来事を再体験することができたら、きっと素敵だろうな、と思いました」。

また、リサは本作の台本を、長女の妊娠から出産後にかけて完成させたという。この時期に台本に取り組んだことも本作のストーリーに大きく寄与したとリサは語る。

「お子さんがいる方なら理解できると思うのですが、過労のあまりほぼ陶酔状態で娘をあやし、赤ちゃん特有の頭の匂いを嗅いでいる時に、“この瞬間を封じ込めて保管したい”と思ったのを覚えています。娘はすぐに抱けないほど大きく育ち、赤ちゃん特有の匂いもしなくなってしまうと分かっていましたから。

育児に疲れながらも、この日常の瞬間が、どれだけ特別なものなのかと気づいたんです。大学の卒業式や、授賞式のような典型的な記念日よりも、こんな風に、ふとした瞬間にこそ影響力があるのだと思います。愛や、人との繋がりや美を感じて心が動く瞬間は、私たち全員が経験するものですから」。

このような日常におけるワンシーンが【人生に影響力がある過去の記憶を再体験することができたら】という本作のコンセプトの原点になったというのは非常に驚きである。

それと共に、このアイデアの種に、サスペンスやアクションといった映画として不可欠な要素、そして現実の世界が抱える問題などを盛り込み、誰も観たことのないSF超大作に仕上げた監督のリサ・ジョイと、製作を務めたジョナサン・ノーランの手腕は驚くべきものだ。

日常のワンシーンから生まれ出た、新たなSFサスペンス超大作『レミニセンス』。久しぶりに日本の劇場にて公開されるハリウッド発のSF大作に、是非、ご期待頂きたい！