約40年にわたってハリウッドを中心に映画記者活動を続けている筆者が、その期間にインタビューしたスターは星の数。現在の大スターも駆け出しのころから知り合いというわけです。ということで、普段はなかなか知ることのできないビッグスターの昔と今の素顔を語ってもらう興味津々の連載がスタートします。記念すべき第一回目は、スカーレット・ヨハンソンに注目です!

成田陽子
ロサンジェルス在住。ハリウッドのスターたちをインタビューし続けて40年。これまで数知れないセレブと直に会ってきたベテラン映画ジャーナリスト。本誌特別通信員としてハリウッド外国人映画記者協会に在籍。

暇なときはアクセサリーを作るのが好きだったティーン時代

スカーレット・ヨハンソンが昨年の10月、コロナ危機の真っ最中にコリン・ジョストと結婚式を挙げた事にもびっくり、だったが何と今、二人の間の赤ちゃんを妊娠中というニュースが入ってきた。目下彼女の主演作「ブラック・ウィドウ」が絶賛上映中だが、このPR活動に精力的に参加していないのは「赤ちゃん」が原因だったのである。

結婚歴3回目、既に今年の9月に7歳になる娘がいるスカーレットだが、私生活の情報も写真もほとんど出さない主義ゆえ、いまだに妻だの母親だのというイメージが全く湧いてこない。相変わらず、グラマラスで、セクシーで、妖しくも美しく、演技も最高レベルのハリウッド稼ぎ手ナンバーワンのスーパースターなのである。

初めてスカーレットに会ったのは「モンタナの風に抱かれて」(1998)で母親役のクリスティン・スコット・トーマスを馬のスペシャリスト、ロバート・レッドフォードとくっつけようと企む娘を演じた14歳の時。何と言っても低いハスキーな声にまずびっくりした。

12歳の頃のスカーレット

「小さい時CMに出たくて応募したんだけれど一旦しゃべると『えー、この子は大人の声でしゃべるからちょっとねえ』と断られてしまって、でも舞台ならイケるかもしれないと言ってくれて、その隙間から私は入っていったのよ。演劇学校に通って8歳の時、初舞台、それから10歳の時、「ノース 小さな旅人」(1994)っていうブルース・ウィリスとイライジャ・ウッド主演の映画に出たの」整った顔に尖った顎が意思の強さを覗かせていた。

「暇な時はね、アクセサリーを作るの。小さな石、ビーズ、紐、羽根などなどを使って着ていくドレスの色に合わせたり、友達にプレゼントしたり、イマジネーションを広げながらイヤリングやブレスレットを作るのって凄く楽しい。サイドビジネスにしようかな、なんて考えちゃうほど」私も欲しい!と言ったらすぐに請け合いそうなほど、人なつこくて、気さくなテイーンエイジャーだった。

大人になるにつれプライベートのことは一切シャットダウン

画像: 大人になるにつれプライベートのことは一切シャットダウン

それからしばらく経って人気若手女優となってブルガリやら、ティファニーからの宝石がどっさりと届けられるようになったに違いないが、最近聞いた時には、今も娘を相手に手作りアクセサリーを一緒に楽しんでいると嬉しそうに話してくれた。

そんな彼女が最初に有名になった交際相手は2005年から始まったジョシュ・ハートネットで、のっぽのジョシュとの可愛らしいデートの写真が出回る頃になるとスカーレットの警戒心がぐんと跳ね上がり、既にこの頃からプライベートの話はタブーとなってしまった。

二人が共演した「ブラック・ダリア」(2006)は余りヒットせず、二人のロマンスも静かに消えてしまい、その2年後の2008年に突然ライアン・レイノルズと結婚すると、もうライアンのラの字も口にしないぐらい頑なになっていた。後になってライアンのために自撮りしたヌードの写真がネットに出回り、スカーレットは更にプライバシー防衛作戦を強めていくのであった。

画像: スカーレットと筆者

スカーレットと筆者

その代わり、演技のこと、仕事の選択、将来は舞台で勝負したい、スカーレットを女神のように崇めるウディ・アレン監督に「いつか、私を主役にして『市民ケーン』のような作品を作って欲しい」などと訴えて女優としての抱負を情熱的に、雄弁に語っていたのである。

Photo by GettyImages

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