『MINAMATA―ミナマター』
熊本県水俣市のチッソ水俣工場による工業排水を原因とし、現在まで補償や救済をめぐる問題が続く水俣病。その存在を世界に知らしめたのが、写真家ユージン・スミス氏とアイリーン・美緒子・スミス氏が1975年に発表した写真集「ＭＩＮＡＭＡＴＡ」だ。ジョニー・デップ自身が長年の憧れだったと語るユージン氏。彼の遺作ともなったこの写真集を基に、ジョニー自身の製作/主演で待望の映画化が実現した。映画では、報道写真家として功績を評価されながらも心に傷を抱えたユージン氏が、当時の妻アイリーン氏とともに水俣を訪れ1971年から1974年の3年間現地で暮らし、人々の日常や抗議運動、補償を求め活動する様子を何百枚もの写真に収めていく濃密な日々がドラマチックに描かれる。共演はビル・ナイ、日本から真田広之、國村隼、美波、加瀬亮、浅野忠信、岩瀬晶子、など実力派キャストが集結。音楽を手掛けたのは坂本龍一。本作をいち早く鑑賞した学生たちからは「世界中で起こっている環境汚染の問題に目を向けなければならない」、「水俣で起こったことをもう2度と起こしてはいけない」といった感想が上がっている。
この度『MINAMATAーミナマター』と国際環境NGO「グリーンピース・ジャパン」とのコラボ企画として、オンライントークイベントが開催。ゲストに小野りりあんさん（モデル・気候アクティビスト）、eriさん（デプトカンパニー代表・デザイナー・アクティビスト）、鈴木かずえさん（グリーンピース・ジャパン 気候変動・エネルギー担当）を迎え、9/24(金) 18:45〜より実施する。（https://youtu.be/kvEcz0u8VkM）
映画を観た方もこれから観る方も楽しめる、環境正義や公害と私たちの未来について考える１時間の生配信イベントとなっている。ぜひ、鑑賞とあわせてチェックしてみよう。
あわせて、公害・環境問題をテーマにした映画3作品もピックアップ。アンドリュー・レヴィタス監督はメディアのインタビューで、「工業汚染がいかに世界で多くの人を苦しめているのか、広い視点で見るとともに、ユージン・スミスの目線から水俣の勇敢な人々の姿といまも続くその闘いを知って欲しい」と語る。権力に立ち向かい、社会を動かしてきた人たちの姿は、私たちに声を上げる勇気を教えてくれる。『MINAMATA―ミナマター』をきっかけに、環境問題に向き合い、私たちに何ができるのか考えるきっかけにしてにしてはいかがだろうか。
『MINAMATA―ミナマター』
(9/23(木・祝)、TOHOシネマズ 日比谷他にて絶賛公開中
熊本県水俣市のチッソ水俣工場による工業排水を原因とし、現在まで補償や救済をめぐる問題が続く水俣病。そんな水俣病が公式に認定されてから65年を迎える今年、伝説の写真家ユージン・スミスが水俣病を取材した写真集「MINAMATA」が映画化。「この歴史は語り継がれなければならない」と語るジョニー・デップが製作・主演を務めた。物語は1971年のNYから始まり、報道写真家として活躍するユージンとパートナーのアイリーン(美波)が水俣を訪れ、人々の日常や抗議運動、補填を求め活動する様子をカメラに収めていく姿が描かれ、そこには今もまだ続く水俣の危機が映し出されている。ジョニーの強い想いに賛同し、英国からビル・ナイ、日本からかは真田広之、國村隼、美波、加瀬亮、浅野忠信、岩瀬晶子が参加。音楽は産業公害に強い関心を持つ坂本龍一が手掛けた。
『ダーク・ウォーターズ』(2021年公開予定)
ある村で連続して起きている不審死の調査を頼まれた弁護士のロバート・ビロット（マーク・ラファロ）は、その原因が科学企業デュポン社の有害物質の流出にあることに気付く。訴訟を起こすことに決めたロバートだったが、アメリカを代表する巨大企業を相手にした訴訟は困難を極め… 実際の事件を映画化した衝撃の問題作。『アベンジャーズ』のハルクでおなじみ、環境活動家としても知られるマーク・ラファロをはじめ、ティム・ロビンス、アン・ハサウェイ、ビル・プルマンら豪華キャストが出演、監督はトッド・ヘインズ。
『エリン・ブロコビッチ』(2000年)
スティーブン・ソダーバーグ監督作。訳あって法律事務所で働き始めたエリン・ブロコビッチ(ジュリア・ロバーツ)は、書類の整理中に不審なファイルを発見。独自に調査を進めた結果、企業が有害物質を周辺地域に垂れ流していることに気付く。大手企業を相手に、史上最大級の集団訴訟に勝利した実在の人物を描いた作品。第73回アカデミー賞でジュリア・ロバーツが主演女優賞を受賞、ほか5部門にノミネートされ話題を呼んだ。
MINAMATA―ミナマタ―
9月23日(木・祝)TOHOシネマズ 日比谷他全国公開
配給：ロングライド、アルバトロス・フィルム
© 2020 MINAMATA FILM, LLC
© Larry Horricks
