優れた映画監督であると同時に優れた目利きでもある彼は、1970年に弟のトニー・スコットと共に自身の映画製作会社「スコット・フリー・プロダクションズ」を設立、制作総指揮を務めて、数々の作品を世に送り出している。たとえ無名の監督のデビュー作だとしても、気に入れば自ら名乗りを上げ参加、先付けのロゴムービーさながらに、そのマークをつけた作品は翼を授けられ世界中にはばたくのである。
そんなリドリー・スコットが携わった作品が、くしくもこの秋から立て続けに公開される。世界の注目を集める豪華スター陣が出演する話題作から人との繋がりを親密に温かに描いたヒューマンドラマ、ユニークなドキュメンタリーまで多種多様な注目作を一挙に紹介しよう。
10月15日(金)全国公開『Our Friend/アワー・フレンド』
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』でアカデミー主演男優賞に輝いたケイシー・アフレック、『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』のダコタ・ジョンソン、『人生はローリングストーン』のジェイソン・シーゲルという実力派の3人が共演した本作。熱い共感の声に包まれた傑作エッセーの映画化で、リドリー・スコットは製作総指揮として本作に参加。
2人の幼い娘を育てながら懸命に毎日を送っていた夫婦は、ある日突然告げられた妻への末期がんの宣告で生活が一変。妻の介護と子育てによる負担が重くのしかかる中、ふたりの親友でもある男が自身の生活を投げうって一家を支えるためやってくる。2年にも及ぶ闘病生活。3人の想いと苦悩が交差する中で彼らが見つけた希望とは‥‥。親密で切なくも温かい心揺さぶる実話。
『Our Friend アワー ・ フレンド 』
配給:STAR CHANNEL MOVIES
10月15日(金)新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー!
© BBP Friend, LLC – 2020
10月15日(金)全国公開『最後の決闘裁判』
さあ、そしてこちらはリドリー・スコット監督作。 アカデミー脚本賞受賞作「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」以来のタッグとなるマット・デイモンとベン・アフレックによる脚本を映画化した歴史ミステリーだ。
1386年、百年戦争さなかの中世フランスを舞台に、実際に執り行われたフランス史上最後の「決闘裁判」を基にした物語を描く。中世フランス――騎士の妻マルグリットが、夫の旧友に乱暴されたと訴えるが、彼は無実を主張し、目撃者もいない。真実の行方は、夫と被告による生死を賭けた“決闘裁判”に委ねられる。それは、神による絶対的な裁き――。「ダイナミックさが肝心」とも語るスコット監督の演出に期待してほしい。
『最後の決闘裁判』
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
10月15日(金)全国公開
©2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.
11月12日(金)全国順次公開『ドーナツキング』
SXSW映画祭2020<審査員特別賞>受賞し絶賛で迎えられた注目の女性監督アリス・グーの長編デビュー作。リドリー・スコットは本作には製作総指揮として参加している。
米カリフォルニア州に住む人々の朝の定番は「ドーナツ2個と1杯のコーヒー」。そんなアメリカ人が愛してやまないドーナツ店の経営を始めて資産2千万ドル(日本円で約22億円)をも所有する“ドーナツ王”となったカンボジア人男性がいた。
誰もがうらやむアメリカンドリームを掴んだ彼は、なぜアメリカに渡り、いかにして現在も脈々と継がれるドーナツ店経営に至ったのか?誰もが大好きなドーナツにまつわる、誰も知らない真実には驚き。全米の〝ドーナツ王“がみせる笑顔だけでは終わらない、スイート&ビターなとびきりのドーナツタイムをご堪能あれ。
『ドーナツキング』
11月12日(金)全国順次公開
配給:ツイン
© 2020- TDK Documentary, LLC. All Rights Reserved.
2022年1月14日(金)全国公開『ハウス・オブ・グッチ』
リドリー・スコット監督作!グッチ家の光と影を綴ったサラ・ゲイ・フォーデンの『ハウス・オブ・グッチ』をもとに、グッチ一族の確執と、1995年にイタリア・ミラノで発生したグッチの3代目社長マウリツィオ・グッチ殺害事件を描くサスペンス。
グッチ一族の確執の中で起きたグッチ創業者の孫マウリツィオ・グッチの殺害事件が描かれる。レディー・ガガがグッチ家崩壊のきっかけとなる謎めいた女性パトリツィア・レッジアーニ役として出演。その他、アダム・ドライバー、ジャレッド・レト、アル・パチーノ、ジェレミー・アイアンズらが共演している。
『ハウス・オブ・グッチ』
2022年1月14日(金)全国公開
配給:東宝東和
©2021 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. ALL RIGHTS RESERVED.