おうち時間が増え、4Kの大画面テレビを購入された方も多いのでは。。 10月22日が「アニメの日」 だったことを記念し、 大画面でより楽しめる4K UHDのディズニー・アニメーション作品を中心におススメ作品をAVライターの折原一也氏の解説と共にご紹介します。
AVライター折原一也氏
1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長。ツイッター:@oriharakazuya
そもそも4K UHDとは…?
4K UHD(4K Ultra HD)ブルーレイとは、これまでのブルーレイをより進化させ、解像度・輝度・色域の3要素が従来のブルーレイを遥かに超えたメディアです。
4Kの超高精細画質
従来のブルーレイの4倍の情報量!
見違えるような精細さで映像を表現!
より細かい“光”の表現
これまで表現不可能だった光や闇を映す
HDRを採用!臨場感も格段に向上!
豊かな色彩表現
色表現に制限があった従来のブルーレイに比べ、
人間が視覚する色に限りなく迫り、映像がよりリアルに!
※音声も、ドルビーアトモスにより、これまでにないリアルな臨場感の多次元サウンドが楽しめます。※4K UHDを最大限にお楽しみ頂くには、対応するディスプレイ、プレイヤー、ケーブルが必要です。
水の表現と色とりどりの街並みが美しい『あの夏のルカ』
折原氏4K・アニメーションおすすめポイント
4K/HDRの映像として目を見張るのが、シー・モンスターとして海で暮らす地中海の滑らかな水面、そして海岸に打ち寄せる波のリアルさ、水中から見あげる街の姿と、海のある景色がどこまでも美しいんです。まるでイタリアの海辺の村を訪れているような気分になるひと夏の思い出の情景が、どこまでも素敵に再現されています。
アニメーションとしての見どころは、地中海沿いの実在の街を取材して作り込まれた、人々の生活が垣間見える町の風景です。なかでもお気に入りが、何度か出てくる自転車の練習をしながら町中を疾走するシーン。複雑な路地で道の先の見えないハラハラ感、そんな中でも陽射しの美しい温かみある町並みと、舞台となったイタリアの魅力が詰まっています。
『あの夏のルカ』
4K UHD MovieNEX発売中/デジタル配信中
© 2021 Disney/Pixar
発売/ウォルト・ディズニー・ジャパン
STORY
平穏な海の世界に暮らすシー・モンスターの少年ルカ。友人のアルベルトと〈海の掟〉を破り、人間の世界に足を踏み入れる。身体が乾くと人間の姿になる彼らは、少しでも水に濡れると元の姿に…。この“秘密”を抱きながらも、ルカは目の前に広がる新しい世界に魅了されていく。だが、2人の無邪気な冒険と友情はやがて、海と陸とに分断されてきた2つの世界に大事件を巻き起こす─。
5つの美しい国の風景と迫力のアクションを楽しめる『ラーヤと龍の王国』
折原氏4K・アニメーションおすすめポイント
物語の序盤の舞台となるハート国の龍の石を祀った聖域の美しい輝き、そして迫る心を持たない魔物の不気味な紫色の淀みは、まさに4K/HDRの映像でしか再現できない幻想的な表現。緑あふれるハート国、荒涼とした土地の広がるテイル国、水上国家のタロン国の灯籠、都市国家ファング国の整然とした建物、雪の国のスパインと、5つの王国が異なる風景も美しい、スケールの大きな冒険アドベンチャーを楽しめます。
またアニメーションとしては、迫力あるアクションが、とにかくリアルでカッコいいんです。主人公のラーヤの格闘術は東南アジアのプンチャック・シラット、剣術はフィリピンのアーニスの動きが元となっていて、実際の動きをアニメーション化していて、そのキレある動きも躍動感もしっかりと再現。そのカメラワークまでもライブ感満点で、剣術アクション好きでも納得の作品だと思います。
『ラーヤと龍の王国』
4K UHD MovieNEX発売中/デジタル配信中
© 2021 Disney
発売/ウォルト・ディズニー・ジャパン
STORY
その昔、この王国は聖なる龍たちに守られ、人々は平和に暮らしていた。邪悪な魔物に襲われた時、龍たちは自らを犠牲にして王国を守ったが、残された人々は信じる心を失っていった…。500年もの時が流れ、信じる心を失った王国は、再び魔物に襲われる。聖なる龍の力が宿るという<龍の石>──その守護者の一族の娘、ラーヤの旅が始まる。遠い昔に姿を消した“最後の龍”の力を蘇らせ、再び王国に平和を取り戻すために…。
リアルな街並みと幻想的な世界のコントラストが美しい『ソウルフル・ワールド』
折原氏4K・アニメーションおすすめポイント
主人公のジョーの暮らすCGで作られたニューヨークは、人々が行き交う街の空気感と、太陽の光との陰影、背景のぼかした感じまでを再現。まるで実写を超えたような景色と、コミカルなアニメーションの融合は、4Kテレビの大画面で見ると思わず唸らされるほど。
またアニメーションとしては、作品に登場する舞台の強烈な振り幅に魅力を感じました。ライブハウスから飛び出してリアルなニューヨークの町並みからマンホールに落ちたら、そこもう深淵な黒と白で構成された世界。一気に、まるで別の作品のように雰囲気が切り替わるのは、アニメーションらしい仕掛けですよね。音楽もニューヨークのシーンはジョン・バティステによるジャズ演奏、ソウルの世界はナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナーとアッティカス・ロスによる電子音楽で、その美しい音色で作品に一気に引き込まれました。
『ソウルフル・ワールド』
4K UHD MovieNEX発売中/デジタル配信中
© 2021 Disney/Pixar
発売/ウォルト・ディズニー・ジャパン
STORY
ニューヨークでジャズ・ミュージシャンを夢見る音楽教師ジョーは、夢が叶う直前にマンホールに落下してしまう…。彼が迷い込んだのは、ソウル<魂>たちが地上に生まれる前に「どんな自分になるか」を決める世界だった!そこでジョーが出会ったのは、やりたいことを見つけられず、“人間に生まれたくない”と何百年もソウルの世界に留まっている“22番”と呼ばれるソウル。夢のために地上での人生を取り戻したいジョーは22番に協力を求めるが…奇跡の大冒険を繰り広げる二人が、最後に見つけた<人生のきらめき>とは…?
スタイリッシュなアクションの迫力が魅力『ブラック・ウィドウ』
折原氏4K・アニメーションおすすめポイント
ダイナミック・スパイ・アクション超大作の文句にふさわしく、アメリカ、キューバ、モロッコ、ブダペスト……と世界中を舞台にした壮大なスケールです。ロケ撮影した映像も全編を通して、目が冴えるような超高解像で撮影されていて、圧倒的な臨場感に見入ってしまうほど。なかでも、物語序盤でナターシャの家族が乗る飛行機にS.H.I.E.L.D.が迫る夜間の逃亡シーンは印象的。大画面テレビの実力を極限まで引き出す、まさに4Kテレビで観たい作品です!
『ブラック・ウィドウ』は主人公のナターシャ・ロマノフ役のスカーレット・ヨハンソン、エレーナ役のフローレンス・ピューと2人の女性を中心に物語が進みます。2人とも暗殺者というキャラクターで、4Kでも映えるスタイリッシュなアクションの迫力と共に、顔がアップで映されるシーンでも、どこまでも美貌が映えますよね。美しさと切れのあるアクション、そして、存在感ある2人の熱演を4Kの大画面で楽しんで欲しいです!
『ブラック・ウィドウ』
4K UHD MovieNEX発売中/デジタル配信中
© 2021 MARVEL
発売/ウォルト・ディズニー・ジャパン
STORY
ブラック・ウィドウの前に突如現れた“妹”エレーナ。“姉妹”は、自分たちを暗殺者に育てたスパイ組織レッドルームの秘密を知ったことで命を狙われる。唯一の味方は、かつて組織が生み出した“偽りの家族”だけ…。だが、この家族の再会によって、レッドルームの恐るべき陰謀が動きだす!世界の命運をかけた、ブラック・ウィドウの作られた過去との戦いが始まる。
衣装の色彩が美しい『クルエラ』
折原氏4K・アニメーションおすすめポイント
時代設定も含め、どこか古めかしいトーンの作品ですが、そんな中で繰り広げられる悪に染まるエマ・ストーンの姿が見どころ。白と黒のパーティで自分に火を放ち赤のドレスへと変身し、“クルエラ”として覚醒していく衣装は、レザージャットの光沢感、屋外パーティーにバイクで乗り付けた際のフラッシュの輝きは4K映像としても映えます。伝統的なファッション業界に反抗していく彼女の人生を、映像を通して追体験できます!
『クルエラ』では、主人公のクルエラ、そして宿敵バロネスの2人ともがデザイナー。映画全体がファッションをテーマにしていて、目を見張るような衣装の作り込みにも4Kでは注目してほしいです。バロネスの60年代的なクラシカルな衣装の生地の重厚感まで本格的だし、47着もの衣装で撮影したというエマ・ストーンの姿は飛び切りチャーミング。登場人物全員(脇役も!)の衣装までもオシャレに作り込まれていて、作品の隅々までチェックしたくなりますよ!
『クルエラ』
4K UHD MovieNEX発売中/デジタル配信中
© 2021 Disney
発売/ウォルト・ディズニー・ジャパン
STORY
パンクムーブメントが吹き荒れる70年代のロンドン。親を亡くした少女エステラは、反骨精神と独創的な才能を活かし、ファッション・デザイナーになることを決意。ロンドンで最も有名な百貨店に潜り込む。そんなある日、エステラは伝説的なカリスマ・デザイナーのバロネスと出会い、ファッショナブルで破壊的かつ復讐心に満ちた“クルエラ”の姿へ染まっていく──。なぜ少女は悪名高き“ヴィラン”<悪役>に変貌したのか?
AVライター折原氏直伝!4Kを最大限楽しむために!
身体的に負荷がかからないような視聴方法は?
4Kを見ると目が疲れるという声は、液晶テレビなどで明るい画面で視聴しているときに起こる事が多いようです。映画は暗い映画館で上映するように作り込まれているので、4K映画を視聴する際には部屋の照明を少し落として、薄型テレビの映像モードを「シネマ」など、やや暗めに切り替えて鑑賞しましょう。平均的な画面の明るさが落ちるので目が疲れにくくなり、HDRの技術によるメリハリある映像を鑑賞できます。テレビ画面との距離もよく言われる画面の1.5倍よりも離れて、2メートル以上の視聴距離がおすすめです。
AVライター折原一也氏が考える年末に向けての4K市場状況とは?
ポイント①オリンピック&パラリンピックにより、大型テレビ需要UP
ポイント②スマホ視聴の多い動画配信サービスに合わせたTVが主流に
映画が4K UHD(4K UltraHD ブルーレイ)で発売されているのはもちろん、映像配信も4K対応のサービスが増え、2018年には4K放送も始まりました。もっと身近な例を挙げると、今やスマホのカメラでも4K動画の撮影もできるようになっています。日本で4Kテレビの販売がスタートしたのは地デジ化と同じ2011年でしたが、10年が経過して身の回りのあちこちに、4Kが進出してきたという事ですね。
その波もあり、2020年上半期は、昨年にも増して薄型テレビの販売台数が伸びたシーズンとなりました。昨年から続く“おうち時間”を充実させる流れと共に、オリンピック・パラリンピック観戦需要もあり、薄型テレビを購入する人の半分弱が、50型以上の大画面4Kテレビを選ぶようになり、自宅で迫力の映像体験を楽しむようになっています。今後の重要なテーマは、まだまだスマホ視聴の多い映画やドラマ、アニメなどの動画配信を、テレビの大画面で楽しむため機能性の充実です。4Kテレビでは既にWi-Fiを内蔵し動画配信に対応するモデルが主流となっていますが、年末に向けてはディズニープラスを始めとする最新の動画配信に対応した機種にも注目が集まっていくことになるでしょう。