新たに登場した凶敵“カーネイジ”や、SSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)についてなど、最新作『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』をさらに楽しむために知っておきたいことをご紹介! また、エディ・ブロック/ヴェノム役を務めるトム・ハーディとアンディ・サーキス監督へのインタビューもお届けします。(文・杉山すぴ豊/デジタル編集・スクリーン編集部)

前作『ヴェノム』(2018)のおさらい

画像: ブルーレイ& DVD セット 発売中 価格:5,217円(税込) ©2018 Columbia Pictures Industries, Inc. and Tencent Pictures (USA) LLC. All Rights Reserved. | MARVEL and all related character names: © & ™ 2019 MARVE

ブルーレイ& DVD セット 発売中 価格:5,217円(税込)

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記者のエディはドレイクが率いるライフ財団の闇を追っていた。しかし、その強引な取材が裏目に出て社会的信用も恋人アンも失う。実はドレイクはエイリアン生命体・シンビオートと人間を融合させ新人類を作るという狂気の計画に取り憑かれていた。真実を突き止めたエディだったが偶然にもシンビオートの1つと合体。ヴェノムとなる。一方ドレイクもシンビオートと一体化しライオットに変異。ヴェノムは邪悪なライオットに立ち向かう。

画像: 『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』をさらに楽しむために知っておきたいこと【コラム&インタビュー】

監督:ルーベン・フライシャー
出演:トム・ハーディ、ミシェル・ウィリアムズ、リズ・アーメッド

コミックにおけるカーネイジ

画像: エディとの出会いもシンビオート付着の経緯もコミックと異なる

エディとの出会いもシンビオート付着の経緯もコミックと異なる

カーネイジは1992年、スパイダーマンのコミックでデビュー。殺人鬼クレタスは、ヴェノムとしての罪を問われ収監されていたエディ・ブロックと刑務所で一緒の房に入っていたが、エディがヴェノムに変身して脱獄。その時残っていたシンビオートの一部がクレタスに付着しカーネイジが生まれた。クレタスが赤毛の殺人鬼であり、その特性を受け継ぎ“赤いヴェノム”ともいうべき外見に。

カーネイジ=殺戮という名の通り凶悪な犯罪を繰り返すが、スパイダーマンとヴェノムが共闘してなんとか食い止めた。コミックのクレタスはDCのバットマンの強敵ジョーカーを思わせるイメージ。バットマンとスパイダーマンが出版社の枠を超え共演するエピソードでは、ジョーカーとカーネイジが共闘し、スパイダーマンとバットマンを襲った。シュリークはカーネイジをフィーチャーした名作「マキシマム・カーネイジ」(1993)でデビュー。カーネイジとなったクレタスが収監先で出会った女ミュータントという設定。クレタスと意気投合し“夫婦”となる。音波攻撃を得意とするが音波はシンビオートの弱点でもありカーネイジには両刃の剣となるパートナーだ。なお当初は口からではなく手から音波を発していた。

ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース

画像: コミックではスパイダーマンの力も借りたが・・・。今作では!?

コミックではスパイダーマンの力も借りたが・・・。今作では!?

ソニー・ピクチャーズはスパイダーマンおよびスパイダーマンのコミックに登場するキャラの映画化権を所有しており、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)とは別のマーベル映画を展開していく。それがソニーズ・スパイダーマン・ユニバース(SSU)。この後は、ジャレッド・レト出演の吸血鬼系ダーク・ヒーロー『モービウス』(全米公開2022年1月21日予定)、スパイダーマン狩りに命を燃やすハンターを描くアーロン・テイラー・ジョンソン出演の『クレイヴン・ザ・ハンター』(全米公開2023年1月13日予定)が登場。さらに2023年の6月23日と10月6日に新作を公開するとも発表しており、10月は『ヴェノム3』、6月は何度か映画化が報じられた『スパイダーウーマン』となる噂もある。

また、アニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』の続編が2022年10月7日に公開予定。なおMCUを展開するマーベル・スタジオはソニーとの話し合いによりスパイダーマンはMCUのキャラとして使うことが可能になっている。将来的に(例えばマルチバース等の設定を使い)MCUとSSUの世界が何らかの形でつながる可能性もある。トム・ホランドのスパイダーマンとトム・ハーディのヴェノムが共演する日も近い!?

画像: ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース

トム・ハーディ(エディ・ブロック/ヴェノム役)インタビュー

“ヴェノムもエディも、常に、一人の中に存在しているんだ”

画像: “ヴェノムもエディも、常に、一人の中に存在しているんだ”

トム・ハーディ プロフィール

1977年9月15日、イギリス・ロンドン生まれ。『ブラックホーク・ダウン』(2001)で劇場映画デビュー。『レヴェナント:蘇えりし者』(2016)でアカデミー助演男優賞にノミネートされた。本作では主演のほか、原案と製作にも参加している。

本作すべての核となっているのが、現代映画界で最も風変りで並外れた、そして何をしでかすかわからないコンビ、エディ・ブロックとヴェノムだ。ハーディは彼らについてこう語っている。

「一人は架空のモンスターで、やりたいことは何でもやれるし、言いたいことも言いたいと思ったときになんでも言ってしまうし、人間を食べるんだ。食欲が旺盛で、食べて食べて食べまくる。いろいろなことを象徴しているキャラクターだ。彼は、暴走する身勝手さを体現していて、生きることに極めて貪欲なんだ。それに彼には非常に原始的な面もある。だから背中に常に張り付いているオランウータンを手なずけようとしているようなもんなんだ。しかもそれを人知れずやらなきゃいけないっていうことが、僕は気に入っているんだ。エディは、このことを誰にも知られないように、ヴェノムを秘密にしておかなければいけないんだ」

ハーディはそんな二人を演じるのがとにかく大好きなようだ。

「僕にとってヴェノムとエディは一つだから、その一つの精神の異なる二つの部分を演じるのはすごく楽しいよ。二人の違いは、片方がモンスターで、もう片方がエディだということだけ。ヴェノムもエディも、常に、一人の中に存在しているんだ」

今作は前作から1年後という位置づけ。エディとヴェノムの関係についても変化がある。

「二人とも、お互いにうんざりしている部分もあると思うよ(笑)。二人は、神経を逆なでし合う夫婦やルームメイトのように、一緒に暮らさなくてはならない。けれどうまく行っていないんだ。二人とも、相手のことで気に入っていることもあるし、気に入らないこともあるんだ。そうした状況を隠し通すことは、エディが当初考えていたほど簡単ではない。この2作目では、二人はすでにかなりの時間一緒に暮らしていて、それが苦痛になってきていて、イライラしているんだ」

感情をぶつけ合うエディとヴェノム。ハーディは各シーンを撮影する前にまずヴェノムの声を録音し、その音声に合わせて、エディとしてヴェノム相手のやりとりをしたという。

「僕がヴェノムを演じている声を録音して、その中からみんなが気に入ったものを選ぶ。そして僕はシーンパートナー、つまりサウンドマンのパトリック(・アンダーソン)と一緒にそのシーンを流す。それからパトリックは、すべての台詞を順番通りに用意する。僕にはどうやるかのはっきりとはわからないんだけど、たぶん、彼はエディを演じている僕が発する台詞を合図にスイッチを押すんだろうね」

そんなエディとヴェノムに立ちはだかるのは、名優ウディ・ハレルソンが演じるクレタス・キャサディ/カーネイジだ。演じたハレルソンについてハーディは次のように語ってくれた。

ウディは僕が会った中で、最高にクールな人だよ。人間としても役者としても、彼はとにかく圧倒的にすごい人だ。どんなことを提示しても彼を驚かせることはできない。彼はあらゆることに対して答えや解決策を持っているし、語るべきストーリーも持っているんだ。才能豊かで遊び心のある創造力をもった素晴らしいアーティストだ。そんな彼と仕事をするのは実に楽しかったよ」

とハレルソンを絶賛。ハーディとハレルソンの演技合戦も楽しんでほしい。ハーディは「僕らは1作目から続いている映画を作っていて、もしみんなが望んでくれるのであれば3作目を作ることも考えているよ」 とも語ってくれた。早くも次回作にも期待が高まってしまう。

アンディ・サーキス(監督)インタビュー

“『あのトーンをどうやって維持するか』ということを強く意識していた"

画像: “『あのトーンをどうやって維持するか』ということを強く意識していた"

アンディ・サーキス プロフィール

1964年4月20日、イギリス・ロンドン生まれ。「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ(2001~03)のゴラム役など俳優として活躍する一方で、監督として『ブレス しあわせの呼吸』(2017)、『モーグリ:ジャングルの伝説』(2018)などを手掛けた。

「1作目には何か特別なものがあった。その特別な何かに大きく関係しているのが、トムがヒーロー然としたキャラクターを演じることにまったく関心がないことだと僕は思うんだ。観客にとっては、欠点や短所のあるエディ・ブロックというアンチヒーローがすごく魅力的なんだ。だから今回、僕もスタジオも、『あのトーンをどうやって維持するか』ということを強く意識していた。リアルで現実に根差したものにできるようにね。

ユーモアに関しても、観客を意識するのではなく、リアルで現実に根差したものにしなければならない。同じことはVFXにも言える。たとえば、アニメーションがよく見えるようにヴェノムとカーネイジを常に明るい光で照らすようなことはしていないんだ。暗がりの中に彼らを置いて、彼らが始終くっきりはっきり見えることを避けた。シャロー・フォーカス(※背景をぼかして被写体だけにピントを合わせること)になって、非凡なクリーチャーたちをとらえている感じを出せるんだ」

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