この冬、英国俳優ファンにおすすめしたい必見映画４選

2021年下半期には、『007／ノー・タイム・トゥ・ダイ』や『キングスマン：ファースト・エージェント』など何度も公開が延期となっていた話題のイギリス映画が続々と封切られ、興奮冷めやらぬ年末となったが、その波はまだ収まっていない！　この冬は特に、実力も人気も折り紙付きの英国ベテラン俳優たちの活躍に注目。ここで紹介する４本は、いずれも英国を代表する俳優たちの名演に胸が熱くなる必見作ばかりだ。

渋かっこいいコリン・ファースのスパイ姿をたっぷり堪能できる
『オペレーション・ミンスミート ―ナチを欺いた死体―』　2月18日（金）公開

英国俳優の中でも圧倒的な人気を誇るコリン・ファース主演最新作は、1943 年、第二次世界大戦下、何とかナチスを倒したい英国諜報部(MI5)がとった、とんでもない奇策を基にした作品。主演のコリン・ファース、『英国王のスピーチ』プロデューサーのイアン・カニング、そして『恋におちたシェイクスピア』のジョン・マッデン監督とこれ以上ない最強の布陣で描かれる極上のスパイ映画だ。

第二次世界大戦時、1943 年、イギリスはナチスを倒すため、イタリア・シチリアを攻略する計画を立てていた。だが敵の目にも明らかな戦略目標であるシチリア沿岸はドイツ軍の防備に固められている。状況を打開するため、英国諜報部のモンタギュー少佐（コリン・ファース）、チャムリー大尉（マシュー・マクファディン）、イアン・フレミング少佐（ジョニー・フリン）らが練り上げたのが、欺瞞作戦“オペレーション・ミンスミート”。“イギリス軍がギリシャ上陸を計画している”という偽造文書を持たせた死体を地中海に流し、ヒトラーを騙すという奇策だ。彼らは秘かに手に入れた死体をビル・マーティン少佐と名付け、100%嘘のプロフィールをでっち上げていく。こうしてヨーロッパ各国の二重三重スパイたちを巻き込む、一大騙し合い作戦が始まるが――

コリンのバディ役にはドラマ「MI5」で人気を博したマシュー・マクファディン、その他「ダウントン・アビー」のペネロープ・ウィルトンや『ハリー・ポッター』シリーズのジェイソン・アイザックスら英国映画・ドラマファンにはたまらないキャストが名を連ねている。第二次世界大戦時のスパイものと聞くと難解な映画というイメージもあるかもしれないが、思わず笑ってしまうコミカルな会話劇が本作の見どころで、イギリス映画らしいおしゃれな言い回しもたっぷり。さらにジェームズ・ボンドの生みの親、イアン・フレミングも劇中に登場し、「007」ファンをニヤリとさせる小ネタも。凛々しい制服姿で頭脳戦を繰り広げる渋かっこいいコリンの姿をスクリーンでたっぷり堪能できる作品だ。

オペレーション・ミンスミート ―ナチを欺いた死体―
2月18日（金）TOHOシネマズ 日比谷他全国ロードショー
配給：ギャガ
©Haversack Films Limited 2021

ケネス・ブラナー演じる名探偵ポアロが再び難事件に挑む！
『ナイル殺人事件』　2月25日（金）公開

監督最新作『ベルファスト』がアカデミー賞本命ともいわれるケネス・ブラナーが監督・主演を務める名探偵ポアロシリーズの第2弾。前作『オリエント急行殺人事件』でもキレキレの推理を披露したケネス版ポアロが今回も難事件に挑む！　前作にも出演した英国俳優トム・ベイトマンもポアロの友人役で引き続き出演。

舞台は神秘の国エジプトのナイル川を往く豪華客船。数々の難事件を解決してきた世界一の私立探偵ポアロ（ケネス・ブラナー）は、莫大な資産を持つ大富豪の娘・リネット（ガル・ガドット）に招かれ、豪華客船に乗っていた。リネットは夫サイモン（アーミー・ハマー）とクルーズ船の新婚旅行に訪れ、2 人の結婚を祝うため友人らが集まり、船内は 2人の結婚のお祝いムード一色だが、ある晩悲鳴が響き渡り、第一の殺人が起こる。被害者は、まさに幸せの絶頂を迎えるはずのリネット。それは連続殺人事件の幕開けだった――。

前作の『オリエント急行殺人事件』では、“乗客全員が容疑者”という究極の謎解きが話題となったが、本作も豪華客船に結婚を祝うため集まった乗客全員が容疑者という展開。さらに愛、嫉妬、欲望という人間の一筋縄ではいかない複雑な感情が物語に絡み合い、「ミステリーの女王」ことアガサ・クリスティ作品の中でも特に大人向けの作品に仕上がっている。主演ケネス・ブラナーをはじめとするベテランたちから、ガル・ガドット、エマ・マッキーといった旬な俳優が揃った豪華オールスター・キャストにも注目だ。

ナイル殺人事件
2月25日（金）全国ロードショー
配給：ウォルト・ディズニー・ジャパン
©2022 20th Century Studios. All rights reserved

嘘のような感動の実話をジム・ブロードベント主演で映画化
『ゴヤの名画と優しい泥棒』　2月25日（金）公開

英国を代表するベテラン俳優陣の出演作が揃ったこの冬、中でも最もベテランなのは本作の主人公を演じたジム・ブロードベント。ロンドン・ナショナル・ギャラリーで起きた、ゴヤの「ウェリントン公爵」盗難事件という実話が、チャーミングなベテラン俳優陣によってほんわか感動作に生まれ変わる。

世界中から年間 600 万人以上が来訪・2300 点以上の貴重なコレクションを揃えるロンドン・ナショナル・ギャラリー。1961 年、“世界屈指の美の殿堂”から、ゴヤの名画「ウェリントン公爵」が盗まれた。この前代未聞の大事件の犯人は、60 歳のタクシー運転手ケンプトン・バントン(ジム・ブロードベント)。孤独な高齢者が、TV に社会との繋がりを求めていた時代。彼らの生活を少しでも楽にしようと、盗んだ絵画の身代金で公共放送（BBC)の受信料を肩代わりしようと企てたのだ。しかし、事件にはもう一つの隠された真相が・・・。当時、イギリス中の人々を感動の渦に巻き込んだケンプトン・バントンの“優しい嘘”とは！？

主人公の妻として登場するのはイギリスの大女優ヘレン・ミレン。長年連れ添った夫婦のユーモアあふれる軽妙な会話劇も映画の見どころのひとつだ。『キングスマン：ファースト・エージェント』のマシュー・グード＆『ダンケルク』のフィオン・ホワイトヘッドといった英国の旬な俳優たちの出演も見逃せない。監督は本作が長編遺作となった『ノッティングヒルの恋人』のロジャー・ミッシェル。

ゴヤの名画と優しい泥棒
2月25日（金）TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
配給：ハピネットファントム・スタジオ
©PATHE PRODUCTIONS LIMITED 2020

「5代目ボンド」が一匹狼の伝説的な盗みのスペシャリストに
『ザ・ミスフィッツ』　現在公開中

5代目ジェームズ・ボンドのピアース・ブロスナン主演、正義の犯罪プロ集団とテロリストたちの手に汗握る大掛かりな騙し合いが最高にスリリングなアクションエンターテインメント大作。ブロスナンは一匹狼の伝説的な盗みのスペシャリストを演じ、インターナショナルな若手俳優陣に負けないカッコよさを見せている。

凄腕の犯罪プロフェッショナル集団「ミスフィッツ」。極悪人を騙して大金を盗み、恵まれない人たちに分け与えることをモットーとする彼らは、多くが謎に包まれた現代の義賊的存在だ。そんな彼らの次のターゲットは、凶悪テロリストの資金源となっている大量の金塊だった。金塊が隠されているのは、ドバイの砂漠に隠された最強セキュリティの私営刑務所。今回の任務が一筋縄でいかないことを悟った彼らは、一匹狼で伝説的な盗みのスペシャリスト、リチャード・ペイス（ピアース・ブロスナン）を半ば強引に勧誘い、ドリームチームを結成する。テロリストに資金が渡るまでのタイムリミットは残り僅か…果たして彼らは無事に金塊を盗み出すことができるのか？

敵役にはこちらも英国のベテラン俳優ティム・ロス。還暦を過ぎてもますます渋みと色気を増していくふたりの対決の行方は？　監督を務めたのは、『ダイ・ハード２』『クリフハンガー』『ドリヴン』などを手掛けたアクション職人レニー・ハーリン。本作では手に汗握る大掛かりな騙し合い、ド派手なアクションシーンと、娯楽映画に必要なすべてをこれでもかと盛り込んでいる。

ザ・ミスフィッツ
全国公開中
配給︓クロックワークス
© 2020 Film Gate Productions FZ LLC. All Rights Reserved