“映画のWOWOW”が開局30周年を記念し、俳優たちと立ち上げたショート・フィルム・プロジェクト『アクターズ・ショート・フィルム2』。ここでの一編『物語』の監督・脚本を担当した玉城ティナと主演の琉花の2ショット・インタビューをお届け。

アクターズ・ショート・フィルム2とは?

“映画のWOWOW”が開局30周年を記念し、俳優たちと立ち上げたショート・フィルム・プロジェクト。予算・撮影日数など同条件で5人の俳優たちが25分以内のショートフィルムを作成し、WOWOWで放送・配信をする短編映画企画の第2弾。
ルールは以下の4つ。
1.尺は25分以内 2.予算は全作共通 3.原作物はなし 4.監督本人が出演すること

画像1: アクターズ・ショート・フィルム2とは?

モデルとして共演経験のある玉城ティナと琉花。「私たちにしか分からないことがある、それを表現したい」と声を揃える2人が、監督、主演としてタッグを組む『物語』を通して発見したお互いの魅力とは? 

玉城ティナ
1997年生まれ、沖縄県出身。『Diner ダイナー』(19)、『惡の華』(19)で第44回報知映画賞の新人賞を受賞。「群像」や「小説新潮」でコラムを寄稿するなど執筆活動にも定評がある。

琉花
1998年生まれ、東京都出身。モデルとして「GINZA」「装苑」などのファッション誌で活躍。CMやミュージックビデオにも多数出演、luka名義で写真家としても活動。マルチな才能を発揮。

ーー 脚本はどのような経緯で生まれたのでしょうか?
玉城「“何かに使えるかも”という気持ちで、20歳を過ぎた頃から日々書き留めていたメモ書きが元になっています。私がずっと考えていることだったり、自分の中に全然ないものまで。内容に決まりはなく、気になることを書き留めています。今回は、監督のお話をいただいたので映画の脚本になりましたが、もしかしたら小説になっていたかもしれないネタです」

ーー 脚本を読んだときの感想を教えてください。
琉花「最初に思ったのは、セリフが多くて自分にはできないんじゃないかということ(笑)。でもしっかり読んでみたら、同い年で同じ仕事をしている私たちにしか分からないことが書かれている気がして。読めば読むほど玉城監督が考えていること、物語の深みを理解できた気がします」

ーー 琉花さんのキャスティング理由は?
玉城「私の中でキャラクターのイメージがハッキリとありました。“画が持つ”という表現が正しい言い方かは分からないけれど、顔の持つ強さ、存在感がないとこのタイプの話を表現するのは難しいし、成り立たないと思っていました。セリフも多いし、1人語りをしながら真ん中を担ってもらえる存在。自分と近しい素材で、かつ自分が撮ってみたいと素直に感じる人じゃないと無理だなと思って。以前、モデルで一緒に仕事をしたときに私と似たような部分を感じた琉花ちゃんにお願いしたいと思いました」

ーー 似たような部分とは?
玉城「何を考えているのかよく分からない、と言われることが多いのですが、きっと琉花ちゃんもそのタイプかなと思って(笑)」
琉花「よく言われます(笑)」
玉城「写真やMVの琉花ちゃんは観たことあるけれど演技の印象がなくて。このセリフをどう読んでくれるだろうと興味が湧いたので、やってほしいなと思いオファーしました。この脚本の中には、同い年で同じ仕事をしている私たちにしか分からないことがあって、それを丁寧に汲み取ってくれる人がいいなって」
琉花「素直にうれしいです。“まさか、私が?”という気持ちはありましたが、数回、それもバタバタした現場で一緒になっただけなのに、そこまで感じ取ってくれたとは、という気持ちです」

ーー 撮影現場で思い出に残っていることはありますか?
玉城「撮影前の本読みが印象に残っています。準備稿ではもっとセリフがたくさんありました。文字上では完結していた物語だけど、役者さんの声がプラスされることでその人に合わせていくことが大事だと感じました。言葉が多すぎて大事な言葉が聞こえない、セリフが流れてしまう不安があって、削ぎ落とした経緯があります。それでも私が演じる側だったら“嫌だな”と思うくらいにはセリフは多いかもしれないです(笑)」
琉花「とにかくセリフを覚えなければという気持ちでいたのですが、“言いやすいように変えていいよ”という玉城監督の言葉に、気持ちが一気に楽になりました。動きの確認も丁寧だったので、すごくやりやすかったです」
玉城「ここに書かれているのは人の日常の覗き見のようなこと。琉花ちゃんが演じる中で言いたいことが出てきたらセリフを変えてもらっていい、むしろそっちのほうがいいと思っていました。撮影前に、会議室を撮影場所に見立てたリハをしっかりしていたので、現場では大幅に直すこともなくスムーズに撮影が進みました」
琉花「セリフがある作品への出演はほぼ初めてでしたが、最初が玉城監督作でよかったです。こういう映像作品に興味が出ました」
玉城「やったー!」
琉花「作品に出演もしているのですが、監督から女優になるときのスイッチの切り替え、その瞬間を見ることができたのも収穫でした」
玉城「私的には撮りたい顔、欲しい画がバッチリ撮れたので大満足。出演してくれてありがというという気持ちでいっぱいです。分からないことは質問してね、と伝えたけれど、質問もほとんどなくて、肝が据わっているなって感心しちゃいました」
琉花「内心ドキドキ、心臓バクバクだったけれど、演じやすい現場を作ってくれていたので、そう見えたのかも(笑)。とにかく楽しかったです!」

画像2: アクターズ・ショート・フィルム2とは?

『物語』
監督・脚本:玉城ティナ
主演:琉花、奥平大兼

高層ビルに囲まれた都会の雑踏。ひとり音楽を聴きながら歩いている少女(琉花)が、向かった先は、なにもない真っ白な部屋。部屋にはものいわぬ美少年(奥平大兼)が、ひとりベッドに横たわっている。そのベッドのかたわらで、少女は少年に向かって自分の装わない気持ちを問わず語りに語り出す。二人のスリリングな関係の行方は…。

<2/6(日)午後5:00~ WOWOWにて放送・配信>

text/タナカシノブ

スタイリスト・入江陽子(SIGNO) 
ヘア&メイク・吉崎沙世子(io/玉城さん) 上川タカエ(mod's hair/琉花さん)
カメラマン  中田智章

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『アクターズ・ショート・フィルム2』
2月6日(日)午後5:00 WOWOWで放送・配信
監督:青柳翔、玉城ティナ、千葉雄大、永山瑛太、前田敦子(※五十音順)
主演:村上虹郎、琉花・奥平大兼、伊藤沙莉・千葉雄大、役所広司、柳英里紗・三浦貴大(※監督の五十音順)

番組公式Twitter:https://twitter.com/asf_wowow

番組公式インスタグラム:https://www.instagram.com/asf_wowow/

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