いよいよ今度のアカデミー賞も大詰めのシーズンに突入! 有力作品と評判の高い作品群を見てみると、やはり実在人物の伝記映画や、事実は小説より奇なりといった実話物が並んでいます。ウィル・スミスがついに主演男優賞を受賞するのではと噂される『ドリームプラン』もそんな実話を基にした映画の一つ。大注目の本作の見どころをご紹介します。(文・松坂克己/デジタル編集・スクリーン編集部)

二人の娘をテニス・チャンピオンにした破天荒な父親のサクセス・ストーリーを映画化

イントロダクション

画像: イントロダクション

女子プロテニス界の伝説的存在ビーナスとセリーナのウィリアムズ姉妹を育て上げた父親リチャードの、諦めることなく夢に向かっていく姿を描いた伝記ドラマ。リチャードを演じるウィル・スミスはゴールデングローブ賞のドラマ部門主演男優賞を受賞しており、プロデューサーも務めている。

またビーナスとセリーナ本人、姉妹の一人であるイシャ・プライスも製作総指揮で参加している。監督は2018年に初長編を撮りこれが3作目となるレイナルド・マーカス・グリーン。ウィリアムズ姉妹役にはオーディションで選ばれたサナイヤ・シドニーとデミ・シングルトンが扮し、コーチ役でトニー・ゴールドウィン、ジョン・バーンサルが共演している。

ストーリー

画像1: ストーリー

ロサンゼルス郡南部に住むリチャード(スミス)はTVで優勝したテニス選手が4万ドルの小切手をもらうのを見て、これから生まれてくる子を最強のテニス選手に育て上げようと、テニス未経験だったにもかかわらず78ページもの計画書を作成、周囲の無理解と批判にも負けず、数々の問題を乗り越え妻と共に娘たちにテニスを教え込んでいく。

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やがて成長したビーナスはリチャードの尽力で優秀なコーチの指導を受けるようになり、ジュニアの大会で華々しい戦績を残すようになる。セリーナも母と練習を続けて大会で注目を集めるほどの成績を残す。だがスポンサーをつけようとするコーチの思惑を嫌ったリチャードは新たなコーチ探しを始めた……

コラム

ウィル・スミス三度目の正直でついにオスカー受賞か?

画像: 今回3度目の主演賞候補に挙がったウィル・スミス

今回3度目の主演賞候補に挙がったウィル・スミス

ウィル・スミスはこれまでにも伝説的なプロボクサー、モハメド・アリに扮した『アリ』(2001)と、ホームレスから億万長者になった男の実話で息子ジェイデン・スミスと親子役で共演した『幸せのちから』(2006)でアカデミー賞主演男優賞候補になっており、今回が15年ぶり三度目のノミネートだ。

前二作も実在人物に扮しての候補入りだったが、スミスの今回の演技での受賞はかなり有力視されていて、ロサンゼルス・タイムズ紙は『ウィル・スミスはアカデミー賞受賞確実!』と太鼓判を押しており、すでにゴールデングローブ賞ドラマ部門の主演男優賞のほか、ナショナル・ボード・オブ・レビューの主演男優賞も受賞しており、念願のオスカー受賞に結びつきそうな勢いを見せている。

実際の父親リチャードとウィリアムズ姉妹

本物のビーナス、リチャード、セリーナのウィリアムズ親子

リチャードはフルネームをリチャード・ダヴ・ウィリアムズJr.といい、ルイジアナ州シュリーブポートで1942年2月14日に生まれた。高校卒業後カリフォルニアに移り、1965年に最初の結婚をするが73年に離婚、6年後に3人の娘を持つ未亡人オラシーンと出会い1980年に結婚した。

二人の娘ビーナスは1980年6月17日、セリーナは1981年9月26日に生まれたが、リチャードは二人の誕生前から娘たちをプロテニス選手にしようと決意、テニスの教育法を学び娘たちを指導した。ビーナスはグランドスラム(全豪・全仏・ウィンブルドン・全米のテニスの世界四大大会の制覇)を七回、セリーナは23回も達成、二人で5個のオリンピック金メダルを得ている。

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『ドリームプラン』
2022年2月23日(水・祝)公開

アメリカ/2021/2時間24分/ワーナー・ブラザース映画
監督:レイナルド・マーカス・グリーン
出演:ウィル・スミス、アーンジャニュー・エリス、サナイヤ・シドニー、デミ・シングルトン
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