本作はハリウッドで長年活躍したキャスティングの先駆者マリオン・ドハティ(1923-2011)を中心に、キャスティング(配役)という仕事に迫るドキュメンタリー。絶妙なセンスと直感的な先見の明を頼りに、白人男性至上主義が根強く、役者を単純にタイプ分けしていた古いスタジオの配役方法から、ユニークで多彩なアンサンブルキャストへ移行する道筋をつけ、革新的なアメリカン・ニューシネマの到来を告げたマリオンの人生を通して映画史に新たな光を当てる。
豪華出演者が語る貴重な証言
主な出演者にマーティン・スコセッシ、ロバート・デ・ニーロ、ウディ・アレン、アル・パチーノ、ロバート・レッドフォード、クリント・イーストウッド、メル・ギブソン、ダニー・グローヴァー、ダスティン・ホフマン、ジョン・ヴォイト、グレン・クローズ、ジョン・リスゴー、ベット・ミドラー、ジョン・トラボルタ、バック・ヘンリー、リチャード・ドナー、ジョン・セイルズ、テイラー・ハックフォード、ノーマン・ジュイソン、ピーター・ボグダノビッチ、デヴィッド・ピッカーほか。そして現在活躍する後進のキャスティング・ディレクターたち。
アル・パチーノ
俳優を続ける中で好きになった言葉の一つが“励まし”だが、マリオン・ドハティは“励まし”そのもののような人だった。そんな人を私は彼女以外には知らない。
ダニー・グローヴァー
自分自身ですら気づいていない何かを見つけてくれる、彼女のような人の前で私は自然と謙虚でいられた。
グレン・クローズ
マリオン・ドハティのようなキャスティング・ディレクターの仕事はとても特別で、いつも映画の質にそのまま繋がっていた。
ロバート・レッドフォード
彼女は明らかに映画界の水準を引き上げた。私自身も、いろいろな役に挑戦できたのは彼女のお陰だった。
ノーマン・リア
マリオンのような人と仕事をするとき、私たちはキャスティングが高度な技術だと実感した。
マーティン・スコセッシ
映画監督の仕事の9割は、キャスティングの質で決まってしまう。
クリント・イーストウッド
彼女は唯一無二のとても特別な人だった。
リン・スタルマスター
「マリオン・ドハティはアカデミー協会の功労賞を受賞すべき」と主張した多くの俳優や監督たちに、私は100%同感だった。
キャスティング・ディレクター ハリウッドの顔を変えた女性
4月2日(土)よりシアター・イメージフォーラム ほか全国順次公開
監督:トム・ドナヒュー
配給:テレビマンユニオン