人気アメコミ系映画ライター・杉山すぴ豊さんが、アメコミ・ホラー・SFなど多様なジャンル映画の情報を"深い知識と深い愛"をもってお届けする本連載。今回は、『ゴジラvsコング』(2021)に続く"モンスター・バース"新作、日本のロボットアニメ発の大人気作「ボルトロン」、そして『デッドプール』最新作情報をお届け!

杉山すぴ豊

アメキャラ系映画ライター。雑誌や劇場パンフレットなどにコラムを執筆。アメコミ映画のイベントなどではトークショーも。大手広告会社のシニア・エグゼクティブ・ディレクターとしてアメコミ映画のキャンペーンも手がける。

今年後半には撮影開始!? 今回はキングコングが主役かも

アメコミ・ヒーロー映画以外の話題から。なんと『ゴジラvsコング』の続編が作られることになりました。これは映画会社の発表ではなくオーストラリア政府が運営する映画エージェンシー、スクリーン・クイーンズランドの発表です。オーストラリアは国をあげてドラマ・映画作りやハリウッド映画の撮影の誘致をしているみたいで、それを実行する機関。ここの広報サイトがアナスタシア・パラシェ州首相の発言として、早ければ今年後半にゴールドコーストと南東部の場所で『ゴジラvsコング』の続編の撮影が始まると伝えました。実は『ゴジラvsコング』も『キングコング: 髑髏島の巨神』(2017)もここで撮影されていたとのこと。大掛かりな映画の撮影は地元に大きな雇用と経済効果をもたらすから大歓迎なわけですね。

ただ正確にいうとまたゴジラとコングの対決がまた観られるとは限りません。『GODZILLA ゴジラ』(2014)、『キングコング:髑髏島の巨神』、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)、『ゴジラvsコング』と続く、レジェンダリー・エンターテインメントの怪獣映画版シネマティック・ユニバース“モンスター・バース”の5作目がここで作られるという意味です。ただ東宝とレジェンダリーの契約は一旦終わっていると言われているので、ゴジラ系がまた出るかはわからない。今度の作品はキングコングが主役かもしれません。

もともと『ゴジラvsコング』の監督アダム・ウィンガードはコングを使った続編、そして前作によって明らかになった地球の空洞の中の怪獣世界を掘り下げた作品に意欲を見せています。噂では『コングの息子(SON OF KONG)』 というタイトルになるのではないかと(ちなみに1933年の『キング・コング』にも『SON OF KONG』という続編があって日本では『コングの復讐』というタイトルで公開されました)。またこれとは別にレジェンダリーはモンスター・バースをテーマにしたApple TV+の実写ドラマ・シリーズの開発も進めています。

なお『ゴジラvsコング』で高飛車な女マイアを演じていたエイザ・ゴンザレスはマイケル・ベイの『アンビュランス』に救命士のキャム役で出演。すごくかっこよくてファンになってしまいました。

画像: キャム役のエイザ・ゴンザレス『アンビュランス』公開中 配給:東宝東和 © 2022 Universal Studios.All Rights Reserved.

キャム役のエイザ・ゴンザレス『アンビュランス』公開中 配給:東宝東和

© 2022 Universal Studios.All Rights Reserved.

ルーツは日本のロボットアニメ! 全米で大人気の「ボルトロン」

さてマイケル・ベイといえば、トランスフォーマー。2023年6月9日全米公開予定の『トランスフォーマー/ビースト覚醒』にはプロデューサーとして参加。ご存じのようにトランスフォーマーは日本のおもちゃ発で人気になったコンテンツですが、日本のロボットアニメ発で80年代にアメリカで大人気になったのが「ボルトロン」。日本の合体巨大ロボットアニメ「百獣王ゴライオン」(1981-82)と「機甲艦隊ダイラガーXV」(1982-83)の2作品の映像を使って再編集して全く新しい物語として仕立てたもの。「VOLTRON」というタイトルで全米で放送されました。とはいえVOLTRONで画像検索するとゴライオンのビジュアルが出てくるので、やはりメインは「百獣王ゴライオン」なのかな。

画像: 5体のライオン型ロボットが合体 Netflixシリーズ「ヴォルトロン」独占配信中

5体のライオン型ロボットが合体
Netflixシリーズ「ヴォルトロン」独占配信中

2016年には、Netflixがドリームワークス・アニメーションと組んでリメイク版アニメを配信。日本でのタイトル表記は「ヴォルトロン」となりました。そして今度は実写映画化の動きが進んでいるようです。監督はNetflixのアクション大作『レッド・ノーティス』(2021)を手がけたローソン・マーシャル・サーバーになる模様。本作についてはワーナー、ユニバーサル、Amazonの間で配給権をめぐって争奪戦が繰り広げられているとのことです。

『デッドプール』第3作は鉄板の監督×主演コンビに!?

そういえば映画『デッドプール』でも主人公がボルトロンの指輪を集めてましたよね。このシーンだけでもボルトロンがいかに全米で愛されているかよくわかります。

デッドプールの名が出たところで『デッドプール3』の話題。監督に『ナイト ミュージアム』(2006)の監督で『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のプロデューサーでもあるショーン・レヴィの名が挙がっているそうです。ライアン・レイノルズとは『フリー・ガイ』(2021)『アダム&アダム』(2022)と連続して組んでいます。きっとライアンとの相性がいいのでしょうね。

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