是枝監督が現場へ送ったお手紙も明らかに!貴重なエピソードも披露
韓国の製作・俳優陣と長年温めてきたオリジナル企画を映画化した是枝監督初の韓国映画となり、主演を務めるのは、2020年アカデミー賞作品賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』のソン・ガンホ。パルムドール受賞『万引き家族』の是枝裕和監督×アカデミー賞受賞『パラサイト 半地下の家族』のソン・ガンホ主演で贈る『ベイビー・ブローカー』。
本作の撮影が行われた韓国にて開催された制作報告会イベントには、主演のソン・ガンホ、カン・ドンウォン、イ・ジウン(IU)、イ・ジュヨンといった豪華韓国キャスト陣、さらには日本からのリモート出演で是枝裕和監督も登場!
それぞれが『ベイビー・ブローカー』という作品の魅力をはじめ、撮影での思い出や、翌週から開催されるカンヌ国際映画祭にむけての意気込みなどを熱く語り合った!本作初のイベントということもあって、会場にはマスコミ陣が大勢集まり、監督やキャストに直接質問の出来るQ&Aも挙手の嵐!是枝裕和監督が初めて韓国で映画を制作した最新作の注目度の高さが窺える大盛況のイベントとなった。本作初のイベントということもあって、会場にはマスコミ陣が大勢集まり、監督やキャストに直接質問の出来るQ&Aも挙手の嵐!是枝裕和監督が初めて韓国で映画を制作した最新作の注目度の高さが窺える大盛況!
マスコミ陣から大きな拍手とフラッシュの嵐とともに出迎えられた面々。赤ちゃんポストに預けられた赤ん坊を連れ去るベイビー・ブローカーのサンヒョンを演じたソン・ガンホの「個人的に3年ぶりにこういう場で是枝監督の新作と共にご挨拶できるようになり、嬉しいです。ありがとうございます。」という挨拶に続き、サンヒョンの相棒であるドンスを演じたカン・ドンウォン、2人と共に旅をすることになった赤ん坊の母親ソヨンを演じるイ・ジウン(IU)、彼らを検挙しようと尾行を続ける刑事スジン(ペ・ドゥナ)の後輩、イ刑事を演じたイ・ジュヨンもご挨拶。
その後、日本からリモートでイベントに参加した是枝裕和監督もモニター越しに「長年の夢が叶って、映画が完成してこの日を迎えられたことを嬉しく思います。」と明かした。
5月17日(火)より開催される第75回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門への出品決定が決まったことについての想いを聞かれた是枝監督は「あの場所は何度行っても本当に緊張しますし、喜びでもありますし、この作品にとっては本当に最高のワールド・プレミアの場所に選んでいただいたなと思っています。」と並々ならぬ思いを吐露。
本作でカンヌ国際映画祭への参加が7回目となるソン・ガンホは「光栄なことにも、素晴らしい監督と役者さんたちのおかげで、このような結果になり、嬉しいです。特に是枝監督の初めての韓国映画演出作ですし、こういう素晴らしい役者さんたちと一緒に行けるようになり、とても嬉しく思います。」とコメントし、カンヌ国際映画祭への参加が初となるイ·ジウン(IU)は「私も本当に光栄に思います。コンペ部門に招待され、人生にこんな日が何度あるか分からないので、(向こうで)一生懸命学び、満喫してきたいです。」、同じく初参加のイ·ジュヨンは「もしかしたら行けるのではないかと考えてはいましたが、実際に参加することができて嬉しいです。先輩たちとジウンさん、監督と一緒にフランスの雰囲気を感じることができるだけでもワクワクしています。」とそれぞれが意気込みを語った。。
本作の企画のはじまりについて問われた是枝監督は「ペ・ドゥナさんは一度映画をご一緒させていただきましたし、ソン・ガンホさんとカン・ドンウォンさんは映画祭でお会いさせていただいたり、日本へ新作のPRイベントで来日された際に上映に花束を持って参加させていただいたり…というような交流をさせていただいておりまして、“いつか映画でご一緒しましょう”という漠然とした言葉を交わしていたんですが、2016年頃にふと思いついたプロットがありまして、これなら自分の頭の中にいる韓国の役者の方々と一緒に映画が作れるのではないかと…その思いつきがきっかけでした。神父の格好をしたソン・ガンホさんが赤ん坊を抱き上げて、すごくいい人に見えるんだけど実は……、そんなワンシーンを最初は思い浮かべていました。」と初期の貴重なプロットの内容とともに今作の企画に至るまでのエピソードを披露。
続いて、作品の紹介を改めて問われ、「赤ちゃんポストというのは日本にも存在していて、前から関心を持っていたんですが。韓国にも同じようなものがあると聞きまして。そこに預けられた一人の赤ちゃんを巡って、そこに善意と悪意が絡まりながら、赤ん坊と一緒にいろんな思惑をもった人間たちが旅をしていく、そういう話にしたいと思って作った映画です。」と説明した。
ソン・ガンホは是枝監督からオファーがあった当時のことを尋ねられ、「正確な年度は覚えてないですが、6-7年前に、釜山(プサン)映画祭で初めてミーティングをしました。昔から是枝監督の作品世界のファンでしたし、尊敬する芸術家ですので、とても光栄でした。監督の映画を見ていると、先入観かもしれませんが、冷たい話の中に暖かいヒューマニズムが描かれて終わる印象でしたが、この作品を経験したら、監督の冷徹な現実直視により、温かいストーリーの中でも、冷静な視線で社会を俯瞰している感じがして、とても感動しましたし、新しい挑戦でもあり、ワクワクする作業でした。」と是枝監督との初のコラボレーションに感無量の様子でコメント。
カン・ドンウォンは「私も6-7年前に東京で監督に初めて会いました。その後、映画化されるまでかなり時間がかかったんですが、やっと去年、撮影をすることになり、こうやって公開を控えていますね。感慨深いです。」と懐古。本作が劇場公開映画への初出演となったイ・ジウン(IU)は「もらったシナリオを読む前に、短編映画の撮影で共演したことのあるペ·ドゥナさんに電話をしたんです。そしたら“とてもハマり役だ”と言ってくれたんです。好きな先輩からそう言われて、私も確信を持って台本を読んだ覚えがあります。」とペ・ドゥナとのエピソードを披露しながら、自信を持って役と向き合ったことを明かした。
シナリオを読んだときに涙を流したというイ・ジュヨンは「ネタバレにならない範囲で言いますと、登場人物たちがお互いの心を理解しながら会話するシーンがありますが、ソヨンがあの3人に言ってあげる言葉があるんです。その言葉をじっくり考えたら、心にとても響きました。人物たちの感情をきちんと積み上げていくシナリオでした。監督の作品がとても好きで、この映画の中に自分が存在できて光栄でした。そして、とても楽しくお仕事ができました。」と是枝監督が本作でも描いた奥深い人間ドラマを役者として身をもって体感した様子。
イ·ジウン(IU)とイ·ジュヨンのキャスティングの経緯について問われた是枝監督は「コロナの自粛の間に、韓流ドラマを配信で観ることにハマリまして、『マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜』(※イ・ジウンが出演するドラマ)を観ていたんですが、後半はイ・ジウンさんが登場するシーンはずっと泣いているような状況で、もうこの人しかいないと思って、オファーしました。そして、イ・ジュヨンさんは『梨泰院クラス』(※イ・ジュヨンが出演するドラマ)にもハマって、2周観たのですが、彼女の存在がとても印象的だったので名前を挙げました」とふたりの演技力に惚れ込んでキャスティングに至ったことを明かした。
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