『シェイン 世界が愛する厄介者のうた』
アイリッシュ・パンクという一大ジャンルを築き上げた伝説の英パンク・バンド「ザ・ポーグズ（THE POGUES）」。そのフロントマンで、多くのミュージシャンが愛して止まない天才シンガー、シェイン・マガウアンの破天荒すぎる音楽人生を30年来の友人ジョニー・デップ製作でドキュメンタリー映画化。本作では爆弾発言だらけのシェインのインタビュー映像に加え、貴重なライブ映像や、米国の作家ハンター・S・トンプソンのコラボで知られるイラストレーター、ラルフ・ステッドマンによるアニメーションを交えながら、彼の半生を丸裸にしていく。ボビー・ギレスピーやジョニー・デップ本人がインタビュアーとして出演。第68回サン・セバスチャン国際映画祭で審査員特別賞を受賞。米映画批評サイトRotten Tomatoesで批評家・観客共に96%（2022/3/23時点）の超高評価を獲得している。先日、名優ジョニー・デップ&ジュリアン・テンプル監督のシェインに対する想いを語ったインタビュー映像が解禁となり、公開を待ち切れないファンからは熱いメッセージが続々と到着。いいことばかりじゃない私たちの人生を鼓舞してくれる、破天荒パンクドキュメンタリーの傑作だ。
この度解禁されたイラストは、社会への壮絶な怒りと反体制を貫くアナーキーかつエネルギーに満ちた政治風刺漫画で一世を風靡したイギリスを代表する風刺漫画家、ラルフ・ステッドマンによるもの。ステッドマンはゴンゾー・ジャーナリズムの生みの親ハンター・Ｓ・トンプソンの代表作「ラスベガスをやっつけろ」の挿絵も手がけた後もハンターが死去するまでコラボし続け、フランシス・ウィリアムズ挿絵賞やＷＨスミス挿絵賞など数々の賞を受賞。1979 年には、アメリカン・インスティテュート・オブ・グラフィック・アーツの年間最優秀イラストレーターに選ばれた。さらに、ステッドマンは映画『ラスベガスをやっつけろ』（98）で主演を務めたジョニー・デップとも交流があり、ステッドマンのキャリアを追ったドキュメンタリー『マンガで世界を変えようとした男 ラルフ・ステッドマン』(12)で、ジョニーはインタビューとナレーションを担当した。
86歳にしてもなお現役、ペンを武器に戦う風刺漫画家ラルフ・ステッドマンが本作のイラストを担当し、一筋縄ではいかない、シェインの複雑なキャリアがステッドマンの多彩なイラストにより紐解かれている…！
無数の頭蓋骨が地面に敷き詰められている中、3人の男性が踊っているという、この青を基調とした画は、薬物を多く接種したシェインの幻覚を描いたもの。シェイン曰く、この裸の男たちはマオリ族だそう。そのほか、赤い炎が燃えたぎる中に描かれたシェインのイラストやアイルランドで親戚の大人たちと交流している幼少期を描いたイラスト、幼い頃よく遊びに来ていたアイルランドの家など、シェインの人生を物語る上で重要なポイントが独創的な筆致で描かれている。ジュリアン・テンプル監督が万華鏡のようにコラージュしたラルフ・ステッドマンのイラストはぜひ劇場で堪能してみよう。
『シェイン 世界が愛する厄介者のうた』
6月3日(金)、渋谷CINE QUINTOほか全国順次公開
配給：ロングライド
© The Gift Film Limited 2020
