9月2日(金)に新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町他にて全国公開される『地下室のヘンな穴』は本国で『ジュラシック・ワールド』『トップガン』といったハリウッド超大作に次ぐ初登場第3位、フランス映画ではNo.1のヒットを記録した話題作。「時間軸が半日進み、肉体が3日若返る」という微妙すぎるパワーを持ったヘンな穴。この穴にハマったせいで、平凡な夫婦の、胸の奥底に封印していた欲望、衝動が呼び覚まされていくという物語だ。ナンセンスなまでにバカバカしい設定が、あれよあれよという間に現実味を獲得していくストーリー展開に引き込まれずにいられない。
そんな怪作を手掛けたのが“フランスのスパイク・ジョーンズ”の異名をとるカンタン・デュピュー。殺人タイヤの『ラバー』、鹿革男の狂気『ディアスキン 鹿革の殺人鬼』などの異色作、怪作で知られ、新作ごとに同国でスマッシュヒットを記録している今、仏映画界で最も注目されるオンリーワンの鬼才だ。
1974年パリで生まれたデュピューは、18歳から映画制作を始め2007年、監督、撮影、編集、音楽を務めた『STEAK』で監督デビュー。その後も殺人タイヤのコメディホラー『ラバー』(10)やオスカー俳優ジャン・デュジャルダン出演で鹿革男の狂気を描く『ディアスキン 鹿革の殺人鬼』(19)など異彩を放つ作品を次々と発表。フランス映画の概念を覆す奇抜すぎるテーマを、同国の一流俳優たちを迎えて描く!同国の映画好きで知らぬ者はいない、唯一無二の監督として君臨している。さらにミュージシャンとしての顔も持ち、DJミスター・オワゾ(Mr. Oizo)の名義でヨーロッパを中心に100万枚を超えるセールスを記録し世界的に活躍している。
今回は日本で劇場未公開作品も多く、これが本格的な日本公開となる新作『地下室のヘンな穴』で、日本でも多くの映画ファンを獲得すること間違いなしのデュピューがこれまでどんな作品を世に送り出してきたのか、そして、まだまだ爆走は止まらない! 今年のカンヌに出品され観客の度肝を抜いた新作もご紹介!!
『ラバー』(10)
監督:カンタン・デュピュー
出演:スティーヴン・スピネラ、ロキサーヌ・メスキダ他
「僕の名前はロバート。小さいタイヤだけど…特技は殺陣!!」
カリフォルニアの砂漠で朽ち果てたタイヤに生命が宿り、突然動き出す。サイコキネシスパワーを持ち、動物や人間を殺めながらロードを突き進む彼は1人の美しい女性と出会い、彼女の魅力に取り憑かれる。カンヌ国際映画祭批評家週間出品。シッチェス・カタロニア国際映画祭ヤング審査員賞/ヨーロッパ映画・長編部門銀賞受賞、プチョン国際ファンタスティック映画祭作品賞受賞。デュピューのブレイク作にして国際的にも高く評価された初期代表作。
『勤務につけ!』(18) ※映画配信サービスJAIHOにて9/14〜独占配信
監督:カンタン・デュピュー
出演:ブノワ・ポールヴールド、アナイス・ドゥムースティ他
尋問、拘束、その次は?? 何が起こるかさっぱり謎!な究極ミステリーコメディ
自宅の外で血の海に横たわっている男の死体を発見したルイスは、事件への関与を疑われ警察署で拘束され尋問を受ける。彼は無実を主張するが、風変わりでなぜか胸に穴が開いている警官のマイペースで非常識な取り調べを受け愕然とする。『アーティスト』(11)でアカデミー賞監督賞を受賞し、最新作『キャメラを止めるな!』(22)が公開中のミシェル・アザナヴィシウス監督も出演している。
『ディアスキン 鹿革の殺人鬼』(19) ※Amazonプライム・ビデオにて配信中
監督:カンタン・デュピュー
出演:ジャン・デュジャルダン、アデル・エネル他
映画ファンには、“お前は着るな、俺はキル!!”のキャッチコピーでおなじみ
鹿革ジャケットを手に入れたジョルジュは、異常なまでにそのジャケットに愛着を抱く。ひょんなことからビデオカメラも手にしたジョルジュは、ジャケットを羽織り、映画監督に扮して街へ繰り出し、“死のジャケット狩り”を開始する。凶行を繰り返す主人公を『アーティスト』(11)でアカデミー賞主演男優賞を受賞したジャン・デュジャルダンが怪演。
『マンディブル 2人の男と巨大なハエ』(20) ※映画配信サービスJAIHOにて8/15〜独占配信
監督:カンタン・デュピュー
出演:ダヴィ・マルセ、グレゴワール・ルディッグ、アデル・エグザルコプロス
巨大バエの調教で一稼ぎ!?おバカ親友コンビのバカンスコメディ
バカンスを満喫中の親友ジャンとマヌは、車のトランクに閉じ込められていた巨大なハエを発見する。2人はハエに芸を教えて大金を稼ごうと目論むのだが…
『地下室のヘンな穴』(22) ※9/3(金)全国順次ロードショー!
監督:カンタン・デュピュー
出演:アラン・シャバ、レア・ドリュッケール、ブノワ・マジメル、アナイス・ドゥムースティエ
引っ越した家には「12時間進んで3日若返る」奇妙な穴がありました…
緑豊かな郊外に建つモダニズム風一軒家の下見に訪れた中年夫婦のアランとマリー。購入すべきか迷う夫婦に怪しげな不動産業者がとっておきのセールスポイントを伝える。地下室にぽっかり空いた“穴”に入ると「12時間進んで、3日若返る」というのだ。夫婦は半信半疑でその新居に引っ越すが、やがてこの穴はふたりの生活を一変させていく……。 6/15に公開された本国でハリウッド超大作に次ぐ初登場第3位、フランス映画ではNo.1のヒットを記録。監督史上最大のヒットを叩き出した。
『Smoking Causes Coughing』(22) ※日本公開未定
監督:カンタン・デュピュー
出演:アナイス・ドゥムースティエ、アデル・エグザルコプロス他
原題の直訳は「喫煙は咳の原因になる」…。
もはや説明不能。もちろん最新作にもカンヌが度肝を抜かれました
5人のヒーロー戦隊タバコ・フォースは煙草に含まれる有害物質を武器に、今日も凶悪な亀怪獣と戦う。チームのボス(下品なネズミのパペット)に結果を報告するが、チームの士気と結束を高めるために一週間の休息を命じられる。やることがなくなり一同は途方に暮れるが、全能のトカゲ星人から恐ろしいメッセージが届く。今年のカンヌ国際映画祭ミッドナイト部門で上映され深夜のカンヌの街に抱腹絶倒の笑い声が木霊した。