夫婦、母子、葛藤がいろいろ。秋に観たい、余韻に浸りたい“家族映画”4選

うちの家族、めちゃくちゃ。
『靴ひものロンド』

全米絶賛の家族小説をイタリアの名匠ダニエーレ・ルケッティが映画化。実力派名優アルバ・ロルヴァケル、ルイジ・ロ・カーショが若かりし日を、そして熟練の名優ラウラ・モランテ、シルヴィオ・オルランドが老年期の夫婦を演じるイタリア映画界オールスターキャストが集結。4人家族の平穏な暮らしは、夫の浮気で終わりを告げた。

家を出たい夫、繋ぎ止めようとする妻、静かに見つめる子供たち。ばらばらになった家族は、ささやかなきっかけで再び一緒に暮らし始める。波乱の日々を経て30年後、夫婦は夏のバカンスへ。留守中に荒らされた家、飼い猫の失踪。突如起きたこの不穏な出来事をきっかけにそれぞれが抱えていた思いがいま、溢れ出す。愛をめくると見えてくる、胸にしまった秘密と嘘。歪な絆で結ばれた、愚かしくも愛おしい家族の物語。（配給：樂舎）

9月9日（金）より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
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あの人はお母さんじゃない･･･
『この子は邪悪』

オリジナル作品の企画コンテスト「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2017」準グランプリ作品を「町田くんの世界」などの脚本家・片岡翔が監督・脚本を手がけ映画化。主演は南沙良が務め、共演は大西流星、桜井ユキ、渡辺さくら、玉木宏ら。

診療違法室を営む窪史朗一家はかつて交通事故に遭う。それぞれ後遺症を抱え、心に傷を負った高校生の窪花（南）は、母親が心神喪失状態の問題を抱えた高校生四井純と出会い次第に心を通わせる。ある日、父親が植物状態から5年ぶりに目を覚ました母親を家に連れて帰ってくる。「奇跡が起きた」と久々の家族団らんを喜ぶ父だったが「あの人はお母さんじゃない」と違和感を覚える･･･。予想外のストーリーと想定外のラストが待ち受ける、世にも奇妙な謎解きサスペンス。（配給：ハピネットファントム・スタジオ）

9月1日（木）より、新宿バルト9ほか全国公開

森で出会ったのは、母と同じ名前の少女だったー
『秘密の森の、その向こう』

『燃ゆる女の肖像』のセリーヌ・シアマが監督・脚本を手がけた娘・母・祖母の3世代をつなぐ喪失と癒しの物語をつづった人間ドラマ。

大好きだった祖母を亡くした8歳の少女ネリー（ジョゼフィーヌ・サンス）森の中に建つ祖母が住んでいた一軒家を片付けに来る。少女時代をこの家で過ごした母は祖母との思い出に胸を締め付けられ、ついに家を出て行ってしまう。残されたネリーは、森を散策するうちに、マリオンという母と同じ名前の8歳の少女と出会い、親しくなる。少女に招かれて彼女の家を訪れると、そこは“おばあちゃんの家”だった･･････。時空をこえた、少女の出会いが浮き彫りにする女の深淵とは。（配給：GAGA）

9月23日（金・祝）より、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほか全国公開

台湾から帰郷した13歳の少女と家族の物語
『アメリカから来た少女』

台湾アカデミー賞とも称される第58回金馬奨で優秀新人監督賞や最優秀新人俳優賞など5冠に輝き、第34回東京国際映画祭の「アジアの未来」部門に出品されたロアン・フォンイー監督作品。SARSウィルスで揺れる2003年の台北を舞台に、アメリカから帰郷した13歳の少女の心の軌跡を描く半自伝的作品。

2003年冬、母と妹とロサンゼルスで暮らしていた13歳のファンイーは、乳がんになった母の治療のため3人で台湾に戻ってくる。台北の学校に通い始めたファンイーだったが、アメリカでの学校生活との違いから周囲になじめず疎外感を味わう。家では母が術後の不調を訴え、久々に一緒に暮らすことになった父は出張で家を空けてばかり。ファンイーはやり場のない怒りや不満をブログに書いて気を紛らわしていたところ、ブログを読んだ教師からスピーチコンテストに出ることを勧められる。しかし、コンテストの前日、発熱した妹がSARSの疑いで病院に隔離されてしまい･･･。不安や戸惑いを抱えながら成長していく少女と家族の物語。 （配給：A PEOPLE CINEMA）

10月8日（土）より、ユーロスペースほか全国順次公開