ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの個性が開花！『ニトラム／NITRAM』

ここも凄い！『ニトラム／NITRAM』注目ポイント

世界の映画賞で多数受賞

21年のカンヌ国際映画祭では審査委員長のスパイク・リー監督が『ニトラム／NITRAM』を高く評価して主演男優賞（ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ）を受賞した。この年、オーストラリア・アカデミー賞でも高い評価を得ていて、作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞、主演女優賞（ジュディ・デイヴィス）、助演男優賞（アンソニー・ラパリア）、助演女優賞（エッシー・デイヴィス）など主要部門を独占。作品の質の高さが世界中で認められている。

冴えわたる名優たちの演技

主役を支える3人のオーストラリア出身の俳優たちの演技も大きな見どころ。母親役のジュディ・デイヴィスはハリウッドでも活躍する名女優で、最初は主人公の女友達役を打診されたが、あえて母親役を希望。息子を愛しながらも小言を言ってしまう神経質な役をリアルに演じる。息子を温かく見守るアンソニー・ラパリアは脚本にほれ込み、製作総指揮も担当。主人公の女友達役のエッシー・デイヴィスは、監督の夫人で、映画の風変わりな世界観を体現する。

監督&脚本コンビの集大成的作品

オーストラリアの実力派監督、ジャスティン・カーゼルと脚本家、ショーン・グラントは実際に起きた犯罪をもとにした社会的な作品を手掛けてきた。『スノータウン』(11)では12人の犠牲者が出たスノータウンの猟奇殺人事件、『トゥルー・ヒストリー・オブ・ザ・ケリー・ギャング』（19）では19世紀の伝説の犯罪者ネッド・ケリーと仲間、今回は90年代のポート・アーサー事件を取り上げた。人物像の掘り下げも深まり、ふたりの集大成ともいえる内容だ。

第64回カンヌ国際映画祭　批評家週間特別審査賞受賞！
監督ジャスティン・カーゼル×脚本ショーン・グラント長編初タッグ作
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