『ミューン 月の守護者の伝説』のブルーレイ&DVDが2022年11月16日(水)に発売することが決定。同日にデジタル配信とレンタルも開始されることが決まった。

東京アニメアワードフェスティバル(TAAF2015)では優秀賞を受賞

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『ミューン 月の守護者の伝説』は、太陽と月が同時に存在する不思議な世界を舞台に、“月の守護者”に選ばれたミューンが仲間と共に困難に立ち向かう勇気と成長の冒険物語。アニメーションの最高峰の映画祭であるアヌシー国際アニメーション映画祭にてクリスタル賞(グランプリ)にノミネート、東京アニメアワードフェスティバル(TAAF2015)では優秀賞を受賞するなど、国内外で大きな話題作となった。

監督を務めたのは、フランスを代表するアニメーション映画監督のミッシェル・オスロが手掛けた
『アズールとアスマール』でアニメーターとしてデビューした脚本家兼監督のアレクサンドル・へボヤンと、冒険ものやコメディ、アクション作品を得意とする脚本家兼監督のブノワ・フィリポン。
日本のアニメーション、特に宮崎駿監督作品に多大な影響を受けたと語る2人を中心に、ハリウッドでも活躍するアニメーターなど精鋭のスタッフが集結し、3Dと2Dアニメーションを見事に融合させたファンタジー・アニメーションが誕生した。

テリー・ギリアムとティム・バートン、そしてディズニー作品の影響

画像: 「ミューン 月の守護者の伝説」11/16 ブルーレイ/DVD 発売 www.youtube.com

「ミューン 月の守護者の伝説」11/16 ブルーレイ/DVD 発売

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『ミューン 月の守護者の伝説』の企画は、実写映画の脚本・演出を手掛けてきたブノワ・フィリポンによる短編構想から始まったと言う。当初案は、小鹿のような顔をしたキャラクター(ミューン)が、月にロープをかけて地上に降ろし、食べてしまうという内容であった。それは、テリー・ギリアム監督の『バロン』(1988年)に着想を得たものだった。

『バロン』は18世紀のドイツを舞台とした奇想天外なファンタジー映画である。中盤で月の国を舞台としたバロン(男爵)の冒険が語られる。巨大な首だけで宇宙を飛ぶ月の王とその乗物である機械仕掛けの三頭鷲が登場。バロンは三日月の尖った先端にロープをかけ、宇宙から地上へと帰還する。本作を見ると、確かにこのシーンにインスパイアされたことが確認できる。全編で舞台風の平面的なセットと立体的な特撮が入り乱れ、虚実入り乱れた不統一感が貫かれた演出は、本作の美術様式に影響を与えたと思われる。

また、フィリポンはミューンの青白い肌と華奢な体・人見知りの性格・自信のない挙動などの設定を、ティム・バートン監督の『シザーハンズ』(1990年)の主人公エドワードをイメージして作り上げていったと言う。バートン原案、ヘンリー・セリック監督のストップモーション・アニメーション長編『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』(1993年)にも、二つの異なる世界を混乱させる主人公、世界修復に奔走するヒロイン、ロマンチックな結末など本作との共通点が多い。フィリポ
ン監督に聞いたところ「意識したわけではないが、大元を辿るとその影響もあったかも知れない」と語った。

一方、自信家で頑健な体を持つソホーンの設定・デザインには「スター・ウォーズ」シリーズに登場するハン・ソロ船長や、「トイ・ストーリー」シリーズのメインキャラクターであるバズ・ライトイヤーの影響もあると言う。監督に就任したフィリポンは、こうした往年のハリウッド先行作品のイメージを借りながらも、似て非なる方向へとシナリオを膨らませていった。

宮崎駿のイメージと細田守の表情設計に学ぶ

フィリポンとヘボヤンは異口同音に「日本のセルアニメーション、特に宮崎駿監督作品に多大な影響を受けた」と語っている。確かに『もののけ姫』の神秘的な森やシシ神=デイダラボッチのイメージは、本作の夜の世界の神殿に被って見える。ミューンの操る糸を吐く蜘蛛たちのデザインは『となりのトトロ』(1988年)、『千と千尋の神隠し』(2001年)に登場するススワタリに似ている。言うまでもなく日本は2Dセルルックアニメーション量産大国である。本作の作画は3DCGがメインであるが、夢のシーンは2Dセルルックの手描きで制作されている。

手描きパートのみ、ゴブラン出身のアニメーターが集うスタジオ「ラ・カシェット」に外注されたという。また、キャラクターデザインも目鼻のパーツの凹凸を陰影でぼかすだけでなく、わざわざ手描き風の輪郭線を残して表現している。背景美術も写実そのものでなく、平面的で樹木の葉も厚みが強調されていない。これらは、オスロ監督の半立体画風と、日本の2Dセルルックを融合させたものと言えそうだ。ヘボヤンによると、とりわけヒロインのグリムのデザインと表情の作画について、細田守監督「おおかみこどもの雨と雪」(2012年)をかなり参考にしたとのことだ。大きな眼に小さな鼻と口を持つ細身のヒロイン像には、言われてみれば「おおかみこども~」の母・花や娘・雪の面影がある。同作品のキャラクターデザインは貞本義行である。

豪華日本語吹き替え版声優を起用!

さらに、日本版声優には、主人公ミューン役に歌手、ドラマーとしても活躍中の大橋彩香、自信家でマッチョな“太陽の守護者”ソホーン役に小野友樹、“蝋”でできたヒロイン・グリム役を武藤志織が担当するなど、今大人気の若手実力派声優が勢ぞろいし、そして、日本語吹替版エンディングには中国出身のトリリンガル・シンガー、Julie(ジュリ)による書き下ろし楽曲“Rescue me”が起用され、作品のクオリティを後押しし話題となった。ハリウッドの大胆さとヨーロッパのきめ細やかさ、そして日本への情景が奇跡的に結実した『ミューン 月の守護者の伝説』を、ぜひブルーレイとDVD、デジタル配信でお楽しみに。

ミューン 月の守護者の伝説
11月16日(水)ブルーレイ発売/デジタル配信開始
ブルーレイ:5,170円(税込) DVD:4,180円(税込)
© 2014 ONYX FILMS-ORANGE STUDIO-KINOLOGY
発売/ウォルト・ディズニー・ジャパン

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