現代の技術革新により、私たちは超高層ビル、巨大タンカー、巨大ダムや橋、巨大飛行機など、より大きなものを造ることができるようになった。しかしサイズが巨大になれば、その分リスクも拡大。この番組ではエピソード毎にメインとなる災害の物語を深掘りし、その他類似する4つの事故との比較検証を加え、災害の原因や発生の背景に迫る。また、シリーズを通して車両、飛行機、電車、船、トラック、ダム、橋、掘削機、建物、クレーンなど、多種に渡る建造物を取り上げ、各分野におけるスペシャリストが法医学的観点から解析。事故現場の目撃証言を元に、どのような技術・科学や、意思決定が影響していたのかを議論。これにより、事故原因、災害後の状況、影響や時代背景とともに、事態が悪化した理由を360度の視点から観察することで、独自の考察を導き出していく。
今回解禁となった特別映像は、番組第5話「隠れた欠陥」で取り上げられる事例の一つ、「スペースシャトル チャレンジャー号爆発事故」の事故原因を追究する本編映像を抜粋した映像となっている。
12億ドルを投じたスペースシャトルは1986年1月28日に乗組員7名を乗せ、宇宙へ旅立つはずだった。しかし、打ち上げから73秒後に機体全体が爆発炎上し、乗組員全員が亡くなるという、宇宙開発の歴史上最悪級の事故となってしまった。その様子はテレビ中継もされ、全世界の期待を背負った中での凄惨な事故だったため、当時から大きな話題となった。ではそのような事故は一体なぜ起こってしまったのか、今回の特別映像では有識者が原因の分析と解説を、実際の映像を交え詳細に解説してくれている。
事故の原因としては、ロケットブースターに引火性の高い気体を密閉するゴム製の「Oリング」というパーツが使用されていたが、この製品の適正温度は17度以上。しかし発射当日の気温はわずか2度しかなかった。有識者の解説によると、ゴムでできている「Oリング」は寒さで固くなりもろくなってしまったという。当時、技術者は気温の影響を懸念し、発射中止を求めたが、なんとNASAは続行を命じたのだった。そして打ち上げ後すぐに、劣化した「Oリング」から引火性の気体が漏れ、爆発するという結果に至ってしまった。
先述の通り、この事故は世界に衝撃を与えたが、より驚かされるのは、発射前に一部の技術者は事故の可能性を見抜いていたにも関わらずNASAが作戦を続行させたという“人為的ミス”が介入していたという点だ。この事故はその後の宇宙開発産業の大きな教訓となった。
36年経った今でもこの爆発映像は衝撃であり、この事実を風化させないために有識者が丁寧に解説してくれる、とても貴重な映像となっている。
「衝撃!巨大建造物 崩壊の瞬間」
配信日時:Huluにて絶賛配信開始
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