90年代にロック・シーンを席巻した「ブリット・ポップ」において、オアシス、プライマル・スクリーム、ティーンエイジ・ファンクラブ、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインなど人気バンドを次々と世に送り出したクリエイション・レコーズ。「世界で最も成功したインディ・レーベル」とも言われ、メジャーに匹敵する影響力を持ったクリエイションを創設したアラン・マッギーとは一体どんな人物なのか。
親から出来損ない扱いされていた田舎の青年が、反骨精神で自分のやりたいことを貫き、ロック・シーンの頂点に上り詰めていく。本作にはアラン・マッギーを中心にブリット・ポップの歴史が綴られているだけでなく、90年代のファッションやカルチャーもたっぷり盛り込まれている。以下、9つの当時の重要ワードをおさえておくと、本作をもっと楽しむことができるはず!
Ecstacyエクスタシー
90年代にイギリスの若者たちの間で爆発的に広がった幻覚剤。小さな錠剤で安価で手に入れることができ、アシッド・ハウス全盛期にはクラブやレイヴパーティーで服用された。
Acid house ハウス・アシッド
80年代後半にシカゴから世界に広がったダンスミュージック。アナログ・シンセを使ったエレクトロニックなサウンドが特徴でドラッグやファッションなど様々な要素を巻き込んでイギリスで爆発的なブームになった。
Rave Culture カルチャー・レイヴ
80年代後半にイギリスで起こった音楽ムーヴメント。野外や廃屋など様々な場所で大音量でダンスミュージックをかけ、ドラッグをやりながらパーティを開いた。そこで主にかかっていたのはアシッドハウスやテクノ。
Aleister Crowley クロウリー・アレイスター
イギリスの神秘主義者。オカルトやドラッグを研究し、没後その思想は60年代のカウンターカルチャーで注目を集めた。
Malcolm McLaren マクレーン・マルコム
セックス・ピストルズのマネージャーでありパンクというスタイルを作り出した仕掛け人。劇中では本作の監督、ニック・モランがマルコム役で登場。
Labor Party 労働党
イギリスの政党。イギリスでは保守党と労働党が二大政党で政権交代を繰り返していたが、79年以来、長らく保守党が政権を握っていた。ボビー・ギレスピーの父親が熱烈な労働党だったことが劇中で触れられている。
Tony Blair トニー・ブレア
労働党の党首で選挙を経て18年ぶりに保守党を破って首相になる。学生時代にバンドをやっていたブレアはロック好きをアピール。ロックを文化的に評価して生活に苦しむミュージシャンを支援したい、というブレアに共感したアランは、選挙で大々的に、ブレアを応援した。
Cool Britanni クール・ブリタニア
90年代のイギリスでは、音楽、映画、ファッションなど、様々な分野で新世代アーティストが注目を集めた。そこに目をつけたトニー・ブレア首相が「クール・ブリタニア」という掛け声のもとイギリス文化をブランド化した。
Jimmy Savile ジミー・サヴィル
イギリスの人気音楽番組「ポップ・ザ・オブ・トップ」の初代司会者。90年にはナイトの爵位を授かり、音楽業界に絶大な権力を握っていた。しかし、少年少女に性的暴行を加えているという噂があり、没後、噂が真実だったことが明らかになって社会問題となった。
クリエイション・ストーリーズ~世界の音楽シーンを塗り替えた男~
10月21日(金)、新宿シネマカリテほか全国ロードショー
配給:ポニーキャニオン
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