人生を変えるような大きな選択を迫られた時、あなただったらどうする? ここで紹介するのは、万国共通、誰しもが訪れる“究極の選択”を描いた珠玉の4作。これらの作品から人生のヒントを得ることができるかも。
中国『シスター 夏のわかれ道』
11月25日(金) 新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋ほか全国公開
コロナ禍の公開にも関わらず本国で2週連続No.1を記録し、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』を超えた異例の大ヒット作。医者になるために北京の大学院進学を目指していたアン・ランのもとに、両親が遺した見知らぬ6歳の弟が突然現れる―。揺れ動く現代の中国社会を背景に、人生の選択に悩みながらも成長する主人公の姿や、揺れる姉弟の絆が観客の心を掴んだ本作。中国ではSNSで感動と共感の口コミが爆発し社会現象を巻き起こした。迷いながらも現代(いま)を生きる私たちに勇気をくれる感動作。
看護師として働くアン・ランは、医者になるために北京の大学院進学を目指していた。ある日、疎遠だった両親を交通事故で失い、見知らぬ6歳の弟・ズーハンが突然現れる。望まれなかった娘として、早くから親元を離れて自立してきたアン・ラン。一方で待望の長男として愛情を受けて育ってきたズーハン。姉であることを理由に親戚から養育を押し付けられるが、アン・ランは弟を養子に出すと宣言する。養子先が見つかるまで仕方なく面倒をみることになり、両親の死すら理解できずワガママばかりの弟に振り回される毎日。しかし、幼い弟を思いやる気持ちが少しずつ芽生え、アン・ランの固い決意が揺らぎ始める…。自分の人生か、姉として生きるか。葛藤しながらも踏み出した未来への一歩とはー。
配給:松竹
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イギリス『家族を想うとき』
10月14日(金)より新宿武蔵野館、kino cinema横浜みなとみらいにて2週間限定上映中
労働者や社会的弱者に寄り添った人間ドラマを描いてきたイギリスの名匠、ケン・ローチ監督が描くヒューマンドラマ。理不尽なシステムによる過酷な労働条件に振り回されながら、家族のために働き続ける父と、そんな父を少しでも支えようと互いを思いやり懸命に生き抜く母と子供たち―。新自由主義が生み出した現代社会のゆがみとその渦中で翻弄される家族の姿に激しく胸を揺さぶられる。19年12月に劇場公開された作品だが、新型ウイルスの拡大を経て格差が広がり貧困問題が深刻化した今こそ観るべきとリバイバル上映も行われている。
アメリカ『はじまりへの旅』
第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で監督賞受賞、全米で公開されるとわずか4館での上映から口コミで評判が広がり、600館にまで拡大した大ヒット作。名優ヴィゴ・モーテンセンが、独特な教育方針のもと世間と切り離された森で6人の子供たちを育てる厳格な父親を演じる。風変わりで個性的な一家が、旅先で世の中とのギャップに戸惑いながらも自分たちらしさを失わずに生きようとする姿に、現代を生きる誰もが共感できると世界中で絶賛され、数々の映画祭で観客賞他を受賞した感動作。
フランス『エール!』
第94回アカデミー賞授賞式で作品賞を含む主要3部門を受賞し、日本でも多くの観客の心を動かした『コーダ あいのうた』のもととなったフランス映画。聴覚障がいを持つ家族の中でただひとり耳の聞こえる少女が、歌手になる夢を家族に理解してもらおうと奮闘する姿を描く。フランスで公開当時4週連続1位、750万人の動員を記録。美しい家族愛と心に響く歌声で、世界中に感動の嵐を巻き起こした。