「まだ未熟な主人公に、映画業界での私自身の旅や野心など、多くの類似点を見出すことができた」
本作は『A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー』のデヴィッド・ロウリー監督最新作。「指輪物語」のJ・R・R・トールキンが現代英語にも翻訳した14世紀の作者不明の叙事詩「サー・ガウェインと緑の騎士」を、ロウリー監督自身が深い愛と敬意をもって大胆に脚色した。
デヴ・パテルが演じるのは、主人公サー・ガウェイン。アーサー王の甥都として恵まれた環境にいながらも怠惰な日々を送る青年だ。まだ正式な騎士ではなく未熟でどこか頼りないガウェインが、クリスマスの残酷な“ゲーム”から1年後、未知の世界へと挑んでゆく姿を魅力的に演じている。
パテル演じるガウェインが、緑の騎士がいるという緑の礼拝堂を目指す冒険の旅の途中でたどり着いた城の主人を演じているのがエドガートンだ。エドガートンは、2004年にアントワーン・フークア監督作『キング・アーサー』でサー・ガウェインを演じており、「そういった些細な事実や、その名残を継続させるというアイデアがとても気に入っています」というロウリー監督のアイデアによるキャスティングだ。主人は苦難の旅のすえ力尽きたガウェインを快く迎え入れるが、なぜか彼のことやその境遇を知っており、謎めいたある提案を持ちかけてくる。
エドガートンは、本作に際してのアプローチについて「第一にロウリー監督の視点に立つことが大切でした。その考えを理解し、そのビジョンを成功させられるかは私達と彼との対話と協力関係にかかっていました」と語る。パテルも、「私のプロセスはある意味ではロウリー監督のプロセスであり、明確なビジョンを持つ彼を本当に信頼してついていくことでした」と、エドガートンと近い考えを持ち撮影に臨んでいたことを伺わせる。
物語について、パテルは「より心理的な“旅”の側面に焦点を当てています。この詩の複雑さや運命と野心、当時の騎士道精神に対する疑問をより的確に表現しています」と説明。エドガートンは「この物語で私が魅了されたのは、探検のような側面がありながら、ガウェイン以外のキャラクターたちが、彼の性格や誠実さ、彼の挑戦の価値を試すために登場し、その正体を明らかにしていくところです」と語る。
パテルは、ガウェインという役柄について「彼には偉大で伝説的な人達や騎士らに混ざる形で、円卓での席が用意されていますが、彼自身は伝説をもっていません。私にとってこれは、世の中に出て行く若い青年が目的を見出し、自分自身のために歴史書に載るような物語を努力して作り上げるという物語なのです」と分析する。その上で、「特に、若い俳優である私にとっては、映画業界での私自身の旅や野心、人生のエゴや男らしさのバランスなど、多くの類似点を見出すことができました。そこに全ての糸口がありました」と自身との共通点を明かしている。
『グリーン・ナイト』
11月25日(金)TOHOシネマズ シャンテ ほか全国ロードショー
配給:トランスフォーマー/提供:トランスフォーマー、Filmarks、スカーレット
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