日本に居ながらにして、身近な映画館からパリ・オペラ座の世界への旅を楽しむ
YEBISU GARDEN CINEMAではこれまで世界最高峰のパリ・オペラ座によるバレエ公演を収録した映像作品パリ・オペラ座バレエ シネマ シリーズを上映してきた。施設の工事に伴い閉館していたが、約1年半ぶりに2022年11月8日(火)に営業を再開する。
そこで、YEBISU GARDEN CINEMAの再オープンを記念して、現在日本で劇場上映が可能なパリ・オペラ座バレエ シネマの作品を全て今冬から来春にかけて一挙上映していく《パリ・オペラ座バレエ フェスティバル》を開催。第一弾の上映作品として『シンデレラ』を12月2日(金)から上映するのを皮切りに、全8作品が上映予定。
【上映作品と日程詳細】
12/2(金)〜『シンデレラ』
12/9(金)〜『白鳥の湖』
1/6(金)〜『マノン』
1/13(金)〜『夏の夜の夢』
3/24(金)〜『眠れる森の美女』
3/31(金)〜『バレエ・リュス』
4/7(金)〜 『プレイ』 『ジェローム・ロビンズ・トリビュート』 ※2作品を交代で上映
【各作品概要】
『シンデレラ』
パリ・オペラ座での上演日:2018年 12月
場所:パリ・オペラ座 バスティーユ
上映時間:2時間30分
振付:ルドルフ・ヌレエフ 原振付: シャルル・ペロー 音楽:セルゲイ・プロコフィエフ 指揮者:ヴェロ・パーン
舞台美術:パトリカ・イオネスコ 衣装:森英恵 照明:グィード・レヴィ オーケストラ:コンセール・パドルー
芸術監督:オーレリ・デュポン
キャスト:
シンデレラ/ヴァランティーヌ・コラサント(エトワール)
映画スター/カール・パケット(エトワール)
姉妹/ドロテ・ジルベール(エトワール)、リュドミラ・パリエロ(エトワール)
継母/オーレリアン・ウエット(スジェ)
プロデューサー/アレッシオ・カルボーネ(プルミエール・ダンスール)
その他、エトワール、プルミエール・ダンスール、パリ・オペラ座バレエ団員
見どころ:
ルドルフ・ヌレエフは、セルゲイ・プロコフィエフの音楽にのせ、シャルル・ペローの有名な物語を映画のセットに置き換えることで、アメリカ映画スターとともにシンデレラをハリウッドのスポットライトの下へと導いた。仙女をプロデューサーに、王子様をスター俳優にしたこのヌレエフ版で、シンデレラは悲惨な運命から逃れ夢を実現していく。黄金期ハリウッドへのオマージュ的な作品で、キングコングや、ジークフリート・フォリーズへのオマージュも登場。本作で、パリ・オペラ座バレエ団は元芸術監督ルドルフ・ヌレエフに敬意を表した。華やかな衣装デザインは森英恵が手がけた。日本でも人気の高いエトワール、カール・パケットの引退公演としても注目を浴び、意地悪姉妹にドロテ・ジルベール、リュドミラ・パリエロとエトワールを配し、コミカルな演技を見せてくれているのも楽しい作品。
『白鳥の湖』
パリ・オペラ座での上演日:2016年 12月
場所:パリ・オペラ座 バスティーユ
上映時間:2時間33分
振付:ルドルフ・ヌレエフ (マウルス・プティパ、レイ・イワノフ版に基づく)
音楽:ピョートル・チャイコフスキー 指揮者:ヴェロ・パーン 衣装:フランカ・スカルシャピノ
舞台美術:エツィオ・フリジェリオ 照明:ヴィニシオ・シェリ 演奏:パリ・オペラ座管弦楽団
芸術監督:オーレリ・デュポン 映像監督:フランソワ・ルシヨン
キャスト:
オデット&オディール/アマンディーヌ・アルビッソン(エトワール)
ジークフリート王子/マチュー・ガニオ(エトワール)
ロットバルト/フランソワ・アリュ(プルミエ・ダンスール※撮影当時、現在はエトワール)
王妃/ステファニー・ロンベール(プルミエール・ダンスール)
その他、エトワール、プルミエール・ダンスール、パリ・オペラ座バレエ団員
見どころ:
古典の代表作『白鳥の湖』の初演は高い評価を得られなかったが、1895年にレフ・イワノフとともにマリウス・プティパはこの作品に新たな生命を吹き込むことに成功し、今ではどのバレエ団もレパートリーとして取り入れる人気演目となった。チャイコフスキーによる初のバレエ曲は深いノスタルジーが溢れ、チャイコフスキー自身が抱く愛の概念を反映させた物語。1984年にパリ・オペラ座バレエ団で演じられたルドルフ・ヌレエフ版では、「白鳥の湖」は家庭教師にふんした悪魔ロットバルトに操られたジークフリート王子が現実世界で抱える結婚という問題から逃げ込む夢の世界。ヌレエフ版は音楽との調和により悲劇的な結末を迎えながらも王子の深層心理を深く描き、より共感ができる作品となっている。日本でも大人気の貴公子マチュー・ガニオが王子、マーベル・コミックの「ソー」をイメージしたというフランソワ・アリュ(現エトワール)が演じる家庭教師/ロットバルトにも注目。
『マノン』
パリ・オペラ座での上演日:2015年 5月
場所:パリ・オペラ座 ガルニエ宮
上映時間:2時間11分
振付:ケネス・マクミラン 照明:ジョン・B・リード
音楽:ジュール・マスネ 指揮・編曲:マーティン・イェーツ
舞台美術・衣装:ニコラス・ジョージアディス 演奏:パリ・オペラ座管弦楽団
芸術監督:バンジャマン・ミルピエ 映像監督:セドリック・クラピッシュ、ミゲル・オクターブ
キャスト:
マノン・レスコー/オーレリ・デュポン
デ・グリュー/ロベルト・ボッレ
レスコー/ステファン・ビュリョン
レスコーの愛人/アリス・ルナヴァン
ムッシューG.M./バンジャマン・ペッシュ
看守/カール・パケット
その他、パリ・オペラ座バレエ団
見どころ:
バレエファンならずとも、“オーレリ・デュポン”の名前は聞いたことがあるはず。バレエ史上最も多くの ファン に愛されたバレエダンサーの一人であり、長年年トップエトワールとして活躍してきたパリ・オペラ座で、芸術監督も務めた。2015年5月に行われた彼女の引退公演を収めた作品が本作。
この引退公演「マノン」には、主役のオーレリ・デュポンだけでなく、ステファン・ビュリョン、アリス・ルナヴァン、バンジャマン・ペッシュ、カール・パケットなど豪華エトワールが参加している。オーレリ・デュポン の相手役を務めたゲスト・ダンサーのロベルト・ボッレ(『ミルピエ 〜~パリ・オペラ座に挑んだ男〜~』と同時期公開 の『ミラノ・スカラ座 魅惑の神殿』にも出演)はミラノ・スカラ座バレエ団エトワールであり当時アメリカン・バレエ・ シアターのプリンシパルだったスーパースター。オーレリのためにトップダンサーが集結した引退公演は、ファンに大きな感動を与え、 オーレリ・デュポンにとってはダンサー人生の素晴らしい幕引きとなった。収録にあたり監督を務めたのは、世界の映画祭でも高い評価を得てきた映画監督セドリック・クラピッシュ(『PARIS』『スパニッシュ・アパートメント』)。 クラピッシュによる繊細な映像は、生の公演の感動をそのままに、オーレリの細かな表情や仕草、そしてダイナミックな舞台上の動きを見見事にとらえている。
『夏の夜の夢』
パリ・オペラ座での上演日:2017年 3月
場所:パリ・オペラ座 バスティーユ
上映時間:1時間40分
振付:ジョージ・バランシン
音楽:フェリックス・メンデルスゾーン 指揮: サイモン・ヒューイット 演奏:パリ・オペラ座管弦楽団
舞台美術・衣装:クリスチャン・ラクロワ 照明:ジェニファー・ティプトン
キャスト:
タイターニア/エレオノラ・アバニャート
オベロン/ユーゴ・マルシャン
パック/エマニュエル・ティボー
ハーミア/レティシア・プジョル
ライサンダー/アレッシオ・カルボーネ
ヘレナ/ファニー・ゴルス
ディミトリウス/オドリック・ベザール
ヒッポリタ/アリス・ルナヴァン
テーセス/フロリアン・マニュネ
ボトム/フランチェスコ・ヴァンタッグロ
タイターニアの騎士/ステファン・ビュリヨン
パピヨン/ミュリエル・ズスペルギー
ディヴェルティスマン/パク・セウン、カール・パケット
その他、パリ・オペラ座バレエ団
見どころ:
ジョージ・バランシンが手がけた中では珍しく物語性のあるバレエ作品の一つで、原作はシェイクスピアの有名な喜劇だが、2幕はほとんど物語のないダンスとディヴェルティスマンで構成し、サンクトペテルブルグ帝室バレエを彷彿させる華麗なバレエの饗宴となっている。バランシンはメンデルスゾーンの作品を徹底的に調べ上げ、前奏曲と夜想曲、間奏曲、交響曲9番の抜粋も加えた。1962年にニューヨーク・シティ・バレエで初演され、2017年にパリ・オペラ座バレエ団のレパートリーに加わった。本作のセットと衣装を手がけたのは舞台を魔法のように変幻させる才能に溢れたクリスチャン・ラクロワ!6人のエトワールを贅沢に配した豪華キャストにも注目。
『眠れる森の美女』
パリ・オペラ座での上演日:2013年12月16日
場所:パリ・オペラ座 バスティーユ
上映時間:2時間41分
振付:ルドルフ・ヌレエフ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
音楽監督:フェイサル・カルイ 指揮: フェイサル・カルイ
美術:エツィオ・フリジェリオ 衣装:フランカ・スカルチアピーノ 演奏:パリ・オペラ座管弦楽団
芸術監督:ブリジット・ルフェーブル
キャスト:
オーロラ姫/ミリアム・ウルド=ブラーム、
デジレ王子/マチアス・エイマン
カラボス/ステファニー・ロンベール
フロリナ姫/ヴァランティーヌ・コラサント
青い鳥/フランソワ・アリュ
その他、パリ・オペラ座バレエ団
見どころ:
オーロラ姫の洗礼式に招かれなかった邪悪な妖精カラボスは激怒して、オーロラ姫に糸紡ぎで指を刺して死ぬという呪いをかけた。リラの精は、カラボスの呪いを和らげる贈り物を贈る。それは、オーロラは死なないが深い眠りに落ち、王子のキスによって目覚めるというもの。成長したオーロラは老婆に変装したカラボスに渡された糸紡ぎで指を刺して100年の深い眠りに落ちてしまう。100年後、狩りに出かけたデジレ王子は、オーロラ姫の幻影を見て魅了され、オーロラを助けるためカラボスと対峙することになる・・・。愛らしいミリアム・ウルド=ブラームは理想のオーロラ姫、マリアス・エイマンが踊る2幕の幻影のシーンにおける王子の超絶技巧のソロは絶品。目が眩むばかりの華麗なバレエの極美の世界に陶酔してほしい。
『バレエ・リュス』
パリ・オペラ座での上演日:2009年12月
場所:パリ・オペラ座 ガルニエ宮
上映時間:1時間48分
<以下の4演目から構成>
「ばらの精」
振付:ミハイル・フォーキン
音楽:カール・マリア・フォン・ウェーバー
編曲:エクトル・ベルリオーズ
美術:レオン・バクスト
キャスト:ばらの精/マチアス・エイマン、少女/イザベル・シアラヴォラ
「牧神の午後」
振付:ワツラフ・ニジンスキー
音楽:クロード・ドビュッシー
美術:レオン・バクスト
キャスト:牧師/ニコラ・ル・リッシュ、ニンフ/エミリー・コゼット
「三角帽子」
振付:レオニード・マシーン
音楽:マヌエル・デ・ファリャ
美術:パブロ・ピカソ
キャスト:粉屋の女房/マリ・アニエス・ジロ、粉屋/ジョゼ・マルティネズ、コリヒドール/ファブリス・ブルジョア
「ペトルーシュカ」
振付:ミハイル・フォーキン
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
美術:アレクサンドル・ブノワ
キャスト:ペトルローシュカ/バンジャマン・ペッシュ、バレリーナ/クレールマリ・オスタ、ムーア人/ヤン・ブリダール、魔術師/ステファン・ファヴォラン
見どころ:
バレエ・リュスとは、1909年にロシア出身芸術プロデューサー、セルゲイ・ディアギレフが主宰したバレエ団。かつて、美術・ファッション・音楽とのコラボレーションにより新たなバレエの価値を生み出したバレエ団。バレエダンサーだけでなく、20世紀を代表する作曲家や芸術家(ピカソ、マティス、コクトー、シャネル、ローランサン、ブラック)などを取り込み、バレエを超えて美術・ファッション・音楽の世界に革新をもたらし、その後のバレエに大きな影響を与えた。「ばらの精」ではかつてニジンスキーが演じてセンセーションを呼んだ役を、マチアス・エイマンがまるで重力がないように香り高く鮮やかに踊り、ピカソが美術をデザインした「三角帽子」では、このたびパリ・オペラ座バレエ団の芸術監督に就任するジョゼ・マルティネスの、スペイン出身ならではの情熱的なスパニッシュ・ダンスを観ることができる。
『プレイ』
パリ・オペラ座での上演日:2017年12月18日、19日
場所:パリ・オペラ座 ガルニエ宮
上映時間:1時間52分
振付:アレクサンダー・エクマン
音楽:ミカエル・カールソン
照明:トム・ヴィッサー
舞台美術:アレクサンダー・エクマン、グザヴィエ・ロンゼ 演奏:パリ・オペラ座管弦楽団
芸術監督:オーレリ・デュポン 映像監督: トミー・パスカル
キャスト:
ステファン・ビュリョン(エトワール)
ミュリエル・ズスペルギー(プルミエール・ダンスーズ)
ヴァンサン・シャイエ(プルミエ・ダンスール)
フランソワ・アリュ(プルミエ・ダンスール)
パリ・オペラ座バレエ団
カリスタ・”キャリー”・デイ(ゴスペル・シンガー)
アデライーデ・ファリエール(ドラムス)
見どころ:
コンテンポラリー・ダンス界の注目のスウェーデン出身の振付家アレクサンダー・エクマンとパリ・オペラ座バレエ団のダンサーたちが初めてコラボした『プレイ』は、”遊び”をテーマにした。本作はエクマンの壮大なイメージを具現化するためにパリ・オペラ座のガルニエ宮の舞台を、金属製の構造物、空間に浮遊するダンサー、高架などで埋め尽くし、ダンサーたちはその中でリズムとコミュニケーションのエネルギーを放出しながら踊り、観たことのないような不思議な世界を創り上げる。収録した2017年当時、芸術監督オーレリ・デュポンが「今シーズンで1つ見るなら『プレイ』」と一押しした作品。
『ジェローム・ロビンズ・トリビュート』
パリ・オペラ座での上演日: 2018年11月
場所:パリ・オペラ座 ガルニエ宮
上映時間:1時間54分
振付:ジェローム・ロビンズ
音楽:ワレリー・オブシャニコフ
演奏:パリ・オペラ座管弦楽団
芸術監督:オーレリ・デュポン
<以下の4演目から構成>
「ファンシー・フリー」(原題:Fancy Free)
音楽:レナード・バーンスタイン
振付:ジェローム・ロビンズ
装置:オリヴァー・スミス
衣裳:カーミット・ラヴ
照明:ジェニファー・ティプトン
出演:エレオノーラ・アバニャート/アリス・ルナヴァン/ステファン・ビュリオン
カール・パケット/フランソワ・アリュ/オーレリア・ベレ/アレクサンドル・カルニアト
「ダンス組曲」(原題:A Suite of Dances)
音楽:ヨハン・セバスチャン・バッハ
振付:ジェローム・ロビンズ
衣裳:サント・ロカスト
照明:ジェニファー・ティプトン
チェロ:ソニア・ヴィーダー=アサートン
出演:マチアス・エイマン
「牧神の午後」(原題:Afternoon of a Faun)
音楽:クロード・ドビュッシー
振付:ジェローム・ロビンズ
装置:ジャン・ローゼンタール
衣裳:イレーヌ・シャラフ
照明:ジェニファー・ティプトン
出演:ニンフ:アマンディーヌ・アルビッソン(ニンフ役)/ユーゴ・マルシャン(牧神役)
「グラス・ピーシズ」(原題:Glass Pieces)
音楽:フィリップ・グラス
振付:ジェローム・ロビンズ
装置:ジェローム・ロビンズ/ ロナルド・ベイツ
衣裳:ベン・ベンソン
照明:ジェニファー・ティプトン
出演:セウン・パク/フロリアン・マニュネ
見どころ:
ジェローム・ロビンズにとって、パリ・オペラ座バレエ団はニューヨーク・シティ・バレエ団に次ぐ第二の故郷だった。彼を記念してパリ・オペラ座で行われた公演では、彼のインスピレーションの源となった無限の多様性と、彼の稀有な才能が舞台上で発揮された作品が結集した。モダンで大規模な「グラス・ピーシズ」のエネルギー、官能的な「牧神の午後」や躍動感に満ちた「ダンス組曲」の親密な甘さなど、音楽に身を委ねることができる秀逸な振付を堪能できる。映画「踊る大紐育」やミュージカル「オン・ザ・タウン」へと発展し、一時代を画した著名なバレエ作品『ファンシー・フリー』はロビンズの才能の新たな一面も見せてくれる。『ファンシー・フリー』ではカール・パケット、ステファン・ビュリヨン、フランソワ・アリュの人気男性ダンサーたちのコミカルな共演にも注目。