巨匠チャン・イーモウ監督が初めて挑んだスパイ・サスペンス、英題「CLIFF WALKERS(中国語原題:悬崖之上)」が邦題『崖上のスパイ』(配給 アルバトロス・フィルム)として、2023年2月10日(金)より、新宿ピカデリー、グランドシネマサンシャイン池袋ほか全国公開が決定した。

満州国ハルビンを舞台に、極秘作戦に命懸け潜入する4人のスパイチーム

1987年の監督デビュー作『紅いコーリャン』でベルリン国際映画祭金熊賞を受賞し、中国第5世代を牽引する存在として、『紅夢』『秋菊の物語』『HERO』『LOVERS』といった高度な芸術性と娯楽性に富んだ作品の数々で、中国映画界の興行成績を塗り替え大ヒット作を世に送り出してきたチャン・イーモウ監督。さらに、2008年夏季と2022年冬季の北京オリンピックで開会式、閉会式の総監督を務めた。そんな他の追随を許さない華やかなフィルモグラフィーを築き上げてきた世界的巨匠が初めて挑戦したスパイ・サスペンスが『崖上のスパイ』である。

画像: 満州国ハルビンを舞台に、極秘作戦に命懸け潜入する4人のスパイチーム

1934年冬、満州国のハルビンを舞台に、ソ連で特殊訓練を受けたスパイ・チームの男女4人が、極秘作戦“ウートラ計画”を実行するため現地に潜入する。目的は、日本軍の秘密施設から脱走した生き証人を国外に脱出させ、同軍の蛮行を世界に知らしめること。だが、仲間の裏切りによって、そのミッションは天敵である特務警察に察知されていた。執拗な追跡、次々と放たれる罠により、ついにはリーダーの張憲臣(チャン・シエンチェン)が特務の手に落ちてしまう。残された王郁(ワン・ユー)、楚良(チュー・リャン)、小蘭(シャオラン)の3人と、彼らの協力者となった周乙(ジョウ・イー)は、八方塞がりの危機を突破し、命がけのミッションを完遂できるのか……。ヒッチコックの名作を彷彿とさせる列車内の攻防、ハルビン市街地や迷路のような路地での激烈なチェイス、銃撃戦といった息づまる見せ場が満載。スパイの信念と特務警察の威信をかけた騙し合いは、観客をも欺いて翻弄し、快感にも似た極上のスリルを楽しめる。

『HERO』『LOVERS』『SHADOW/影武者』などの武狭アクション大作で、美しい色彩に定評のあるチャン・イーモウ監督は、雪と闇に彩られた鮮烈な世界観を構築。そして、『あの子を探して』『初恋のきた道』などで見せた心に染みる温かいヒューマニズムも吹き込まれ、多彩なジャンルに精通する監督の美学と技巧があらゆる細部にまで宿った。

キャストには、チャン・イーモウ監督の近作『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』主演を務めた中国映画界の実力派チャン・イーをはじめ、『わたしは潘金蓮じゃない』、TVシリーズ「三国志~司馬懿 軍師連盟」のユー・ホーフェイ、『ドリアン ドリアン』『桃タオさんのしあわせ』のチン・ハイルー、『1950 鋼の第7中隊』のチュー・ヤーウェン。そして近作『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』でイーモウガールとして銀幕デビューしたリウ・ハオツン。かつてコン・リー、チャン・ツィイー、チョウ・ドンユィを見出したチャン・イーモウ監督に発掘された新星が、可憐で芯の強いチーム最年少の女スパイを体現しているのも注目だ。中国映画界の実力派と若手ホープのキャストが魅せるスパイの信念と哀愁のドラマは、中国のアカデミー賞である2021年金鶏奨で監督賞、主演男優賞(チャン・イー)、撮影賞を受賞。

このたび完成したポスターは、極寒のハルビンに舞う雪を表すかのような白をベースに、主人公となる男女4人のスパイの写真が配され、スタイリッシュで魅惑的なノワール映画を期待させるビジュアルとなっている。

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