『スター・ウォーズ』『ロボコップ』『スターシップ・トゥルーパーズ』シリーズなど、誰もが知る名作の特殊効果の数々を手掛け、その後のSF作品に計り知れない影響を与えた巨匠フィル・ティペット。その最新作は、驚異の制作期間30年をかけ生み出された、地獄のディストピアを巡るダークファンタジーだ。
今から約30年前、ティペットは『ロボコップ2』(90)の撮影後に本作のアイデアを閃き、制作を始めた。だが、『ジュラシック・パーク』(93)で時代が転換点を迎え、業界が本格的にCGへ移行。「俺の仕事は絶滅した」とプロジェクトは中断された――。それから20年後。ティペット・スタジオの若きクリエイターたちが奇跡的に当時のセットを発見し、彼らの熱望により企画が再始動。さらに、クラウドファウンディングで世界中のファンからの応援も集まり、2021年のシッチェス映画祭で上映され狂喜乱舞を呼んだ。CGに駆逐された<ストップモーションアニメ>の巨匠が放つ、魂の一撃。映画史に反撃の狼煙を上げる、最高傑作がここに完成した!
本作は、主人公である孤高のアサシンが、とある人類最後の男に派遣され、地下深くの荒廃した暗黒世界に降りていき、無残な化け物たちの巣窟と化したこの世の終わりを巡っていく未踏の物語。その人類最後の男<ラストマン>を演じるのが、世界一パンクな監督であり俳優であるアレックス・コックス!
アレックス・コックスは1954年12月15日、イギリス、リバプール生まれ。オックスフォード大学で法律を学び、その後カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で映画を学ぶ。UCLAでは実験的なコメディ『Sleep is Sissies』(80)の脚本を書き、ジャック・ニコルソン映画脚本賞を受賞。1984年の『レポマン』で長編監督デビューし、アメリカでカルト的人気を獲得した。その他の代表作に、『シド・アンド・ナンシー』(86)、『ストレート・トゥ・ヘル』(87)、『ウォーカー』(87)などがある。
フィル・ティペットとアレックス・コックスは、『ロボコップ』『スターシップ・トゥルーパーズ』を手がけた有名映画プロデューサーのジョン・デイヴィソンと共に長年の友人で、何か一緒にやろうと話していたそうだ。実は、『マーズ・アタック!』(1996年)でそれを実現すべくコックスが脚本を書いたが、スタジオに採用されず、最終的にはティム・バートン監督が手掛けることになったという。本作は、ティペットの個人的なプロジェクトということで、俳優としてコックスに実写パートを演じてもらうことになり、念願のコラボレーションが叶ったという。
本作で、アレックス・コックスは、ラストマンをどのように怪演するのか。長いキャリアの中で熱狂的なコア映画ファンを魅了してきた彼の新たな顔が開花する——!
マッドゴッド
12/2(金)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺
ほか全国順次公開
配給:ロングライド
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