カンヌ国際映画祭騒然!「私はキリストの花嫁になった」
『エル ELLE』の次にヴァーホーベンが題材に選んだのは17世紀に実在した修道⼥の裁判記録。幼い頃からキリストのビジョンを⾒続け、聖痕や奇蹟を起こし⺠衆から崇められた⼀⽅、同性愛の罪で裁判にかけられたベネデッタ・カルリーニ。男性が⽀配する時代に権⼒を⼿にした彼⼥がおこした奇蹟は本物か、はたまた狂⾔か。彼⼥に翻弄される⼈々を描いた奇想天外セクシュアル・サスペンスが完成した。
今回完成した予告編では、時に尊く、時に奇妙な教会内の様⼦と混乱が映し出される。ベネデッタの⾒たキリストのビジョンから始まり、聖痕を受けて修道院⻑に任命されるも「⾃作⾃演では?」と訝しむ同僚にまるでキリストが宿ったかのように恐ろしい声で糾弾するベネデッタ。彼⼥は果たして聖者なのか罪⼈なのか。混乱したペシアの⼈々を⾒据え、最後には祈りを捧げ、何を告⽩するのだろう
か…?
『ベネデッタ』⽇本版ビジュアルデザインを担当したのは、今年公開の映画『激怒』の監督であり、テレビ・ラジオ・雑誌・インターネットとメディアを横断して活躍する映画評論家で(「週刊プレイボーイ」連載中)、映画のポスターや書籍の装丁など多くのデザインも⼿がけるアートディレクター・⾼橋ヨシキ。今回のデザインは、信仰と法悦、教会と個⼈の間で揺れ動くベネデッタが幻想的な
啓⽰を⾒つめる⼤きな瞳の上にタイトルロゴと⼗字架を重ねたもので、同じく瞳をデザイン上の焦点にした北⽶版ポスターのコンセプトを踏襲しつつ、斬新で教会芸術の静謐さも取り込んでいる。⼝から出る⾔葉のように描かれたキャッチコピーは中世宗教絵画の⼿法を踏まえたもの。気鋭のクリエイターが作り上げたスタイリッシュなデザインは「部屋の壁に飾りたい」という声も出るほどの逸品と
なっている。
【STORY】
17 世紀のペシアの町(現在のイタリア・トスカーナ地方)。幼い頃から聖母マリアと対話し奇蹟を起こす少女とされていたベネデッタは、6 歳で出家しテアティノ修道院に入る。純粋無垢なまま成人したベネデッタは、ある日修道院に逃げ込んできた若い女性バルトロメアを助ける。様々な心情が絡み合い2 人は秘密の関係を深めるが、同時期にベネデッタが聖痕を受け、イエスに娶られたとみなされ新しい修道院長に就任したことで、周囲に波紋が広がる。民衆には聖女と崇められペシアでの権力を手にしたベネデッタだったが、彼女に疑惑と嫉妬の目を向けた修道女の身に耐えがたい悲劇が起こる。そして、ペスト流行にベネデッタを糾弾する教皇大使の来訪が重なり、ペシアの町全体に更なる混乱と騒動が降りかかろうとしていた…。
監督:ポール・ヴァーホーベン 脚本:デヴィッド・バーク、ポール・ヴァーホーベン 原案:ジュディス・C・ブラウン『ルネサンス修道女物語―聖と性のミクロストリア』
出演:ヴィルジニー・エフィラ、ダフネ・パタキア、シャーロット・ランプリング、ランベール・ウィルソン [2021/フランス・オランダ/131 分/R18+/原題:BENEDETTA]
配給:クロックワークス
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