ピューリッツァー賞受賞の調査報道×長年隠蔽されてきた大物映画プロデューサーの性的暴行事件
2017年、ニューヨーク・タイムズ紙に衝撃のスクープが掲載されました。のちに“性犯罪告発運動”、#MeToo運動を爆発させたハーヴェイ・ワインスタイン事件―。『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ、『恋におちたシェイクスピア』、『パルプ・フィクション』、『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』、『英国王のスピーチ』ら数々の名作を手掛け、ハリウッドで“神”と呼ばれた映画プロデューサーの数十年に及ぶ性的暴行事件を告発したその記事は、翌年ジャーナリズムの権威であるピューリッツァー賞を受賞、さらに映画業界や国を超えて世界中の性犯罪、セクシャルハラスメントの被害の声を促した。
名もなき女性たちを懸命に取材した調査報道に基づき、社会を動かした勇気ある女性たちとジャーナリストの物語を描く『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』が2023年1月13日(金)から全国公開される。
この度ノミネートされたレベッカ・レンキェヴィチは、パヴェウ・パヴリコフスキ監督と共同で脚本を手掛け、第87回アカデミー賞®でポーランド映画史上初の外国語映画賞に輝いた映画『イーダ』(2013)で知られている。
プロデューサー陣は、映画業界だけでなく文化全体の重大な分岐点となった調査報道を映画化するにあたり、物語の焦点を調査の裏側、そしてサバイバーと目撃者に置くべきだと考えた。そこで、激しく感情を動かすテーマ性のある視点と、専門的な描写とを驚くべき構成力でまとめ上げる手腕を持つレベッカに白羽の矢が立った。プロデューサーや原作者で新聞記者のジョディ・カンター、ミーガン・トゥーイーと協力し、3年かけて本作の脚本を完成させた。
監督のマリア・シュラーダーは「レベッカの脚本は、この映画がワインスタインをメインに描くものではなく、ジャーナリストたちと、自分に起きたことを語るために立ち上がったすべての女性についての映画であることを明確にしていた。ハリウッドよりも何か大きなことを描いていた」と惜しみない賛辞を贈る。
妨害を受けながらも信念を曲げず調査を続けたジャーナリストと、証言を決意した勇気ある女性たちの姿を誠実に描いた脚本に注目が集まる。授賞式は、現地時間2023年2月11日(土)に開催される。
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