カンヌ、ヴェネチア、ベルリンなど 世界の映画祭で 数々の賞を受賞
人生の達人、オタール・イオセリアーニ監督の作品をたどる
“まさに、ジャック・タチやチャップリンのよう!(テレラマ)”などと評される名匠オタール・イ
オセリアーニ監督 。 ジョージア(旧ソビエト連邦グルジア共和国)に生まれ、映画制作を行うも
上映禁止など制限を受け、故郷を離れパリへと移り住 んだ 経歴をもつ。
それでも映画を制作し続け、カンヌ、ヴェネチア、ベルリンなどで数々の賞を受賞し、世界各国でゆるぎない評価を得ており、日本でも、『月曜日に乾杯!』や『皆さま、ごきげんよう』などのヒットで熱狂的なファンが多い 。時代や場所が 違えど 、変わることなく繰り返される日々の営み、争いや略奪、犯罪は決してなくならないが、あふれるほどの愛や友情、希望は必ずあるー。 観る者に、 そんな 人生の豊かさを気づかせてくれる人生の達人、オタール・イオセリアーニの全監督作品をたどることができる貴重な 映画祭 だ。

『月曜日に乾杯!』
長編は、 1 作目にしてジョージアでは公開禁止となった が カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞 した 『落葉』 をはじめ、 各国でロングランヒットとなった 『素敵な歌と舟はゆく』 や、 ベルリン国際映画祭にて銀熊賞(監督賞)を受賞 し 世界の名匠としての地位を確立した 『月曜日に乾杯!』 、またレトロスペクティブが開催され、再評価が高まるピエール・エテックス や、 『 アメリ 』 などジャン=ピエール・ジュネ監督作品でおなじみのリュファスが 出演していることも話題となった 集大成的傑作 『皆さま、ごきげんよう』 など。
さらに、ウェス・アンダーソン監督作常連のマチュー・アマルリックの役者デビュー作となった『月の寵児たち』、全編アフリカ・セネガルで撮影が行われた『そして光ありき』 がこの度日本初上映される 。 いずれもヴェネツィア 国際 映画祭にて審査員特別大賞を受賞した作品だ 。
そのほか、本国ジョージアにて上映禁止を受け たものの 、 2000 年には カンヌ 国際 映画祭で復元版による 特別上映が行われた 中編 『四月』 、ジョージアの映像資料を用いて歴史・文化を紹介した三部構成となる日本初公開のドキュメンタリー 三部作 『唯一、ゲオルギア』 なども上映。

『四月』
上映作品一覧
<長編12本>
『落葉』
『歌うつぐみがおりました』
『田園詩』
『月の寵児たち』 *劇場初公開
『そして光ありき』 *劇場初公開
『蝶採り』
『群盗、第七章』
『素敵な歌と舟はゆく』
『月曜日に乾杯!』
『ここに幸あり』
『汽車はふたたび故郷へ』
『皆さま、ごきげんよう』

『素敵な歌と舟はゆく』
<中編3 本>
『四月』
『エウスカディ、 1982 年夏』 劇場 初公開
『トスカーナの小さな修道院』 *劇場初公開
<短編5 本>
『水彩画』 *劇場初公開
『珍しい花の歌』 *劇場初公開
『鋳鉄』
『ジョージアの古い歌』
『ある映画作家の手紙 白黒映画のための七
つの断片』 *劇場初公開
<3 部作 ドキュメンタリー>
『唯一、ゲオルギア』(3部作)*劇場初公開
監督プロフィール
1934年 2 月 2 日、旧ソビエト連邦グルジア共和国(現ジョージア)のトビリシに生まれる。 44 年、トビリシ音楽院に入り 、 ピアノ、作曲、指揮を、 53 年から 55 年にかけてモスクワ大学で、数学、工学を学ぶ。
その後、 56 年から 61 年まで、モスクワのソ連映画学院の監督科に在籍。 卒業後は編集技師として働 く。 62 年に中編『四月』を監督するが、「抽象的、形式主義的」という理由で、上映を禁止された。 66 年、長編第1作『落葉』を発表。公開禁止となるが、 2 年後の 68 年のカンヌ国際映画祭に出品。初めて西側で紹介され、国際批評家連盟賞とジョルジュ・サドゥール賞を受賞。イオセリアーニの名前は一躍世界に知られることとなる。 79 年、活動の拠点をフランス・パ リに移し、短編や 中編ドキュメンタリーをいくつか制作した後、 84 年に長編第 4 作 『月の寵児たち』を、 89 年にはセネガルで撮影した長編第 5 作『そして光ありき』を発表。 これら 2 作品はヴェネチア国際映画祭審査員大賞を受賞する。 96 年制作の 『群盗、第七章』では、ヴェネチア国際映画祭審査員特別大賞を三度受賞する快挙を遂げる。 06 年、『ここに幸あり』を、 10 年、『汽車はふたたび故郷へ』を、 15 年、集大成ともいえる シニカルな人間賛歌 『皆さま、ごきげんよう』を発表。
「オタール・イオセリアーニ映画祭 〜 ジョージア 、そして パリ 〜 」
202 3 年 2 月 17 日( 金) より ヒューマン ト ラストシネマ有楽町、シアター・イメージフォーラムて劇場初公開作品含む 全 監督作 21 本 一挙公開!
協力:ジョージア映画祭 配給:ビターズ・エンド