「こだわったのは叙事詩感と寓話感」
原作は2018年に出版され、NEW YORK TIMESブックレビュー誌の年間最優秀書籍に選ばれたミリアム・トウズによる同名ベストセラー小説『WOMEN TALKING』。2005年から2009年にボリビアで起きた実際の事件を元に描かれている。
監督は『死ぬまでにしたい10のこと』(03)などで女優として活躍しながら、2006年、『アウェイ・フロム・ハー君を想う』で監督、脚本家としてデビューし数々の賞を受賞したサラ・ポーリー。オスカー前哨戦で脚色賞を数多く受賞、本年度のアカデミー賞®で作品賞、脚色賞の2部門にノミネートされ、この度、脚色賞を受賞した。
主演はその演技力で2度アカデミー賞®にノミネートされたルーニー・マーラ。その他、Netflixのドラマシリーズ「ザ・クラウン」で主演女優賞、最優秀ゲスト女優賞と2度エミー賞を獲得したクレア・フォイ、ジェシー・バックリー、日本でも『007』シリーズ、Q役でおなじみのベン・ウィショーなどそうそうたるメンバーが出演。
出演とプロデュースを務めたオスカー女優フランシス・マクドーマンドは本作のオプション権を獲得後、ブラッド・ピットが率いる映画制作会社PLAN Bへ話を持ち込み、映画化が実現した。PLAN Bはその意欲的な映画製作で『ムーンライト』(16)、『ミナリ』(20)など数々のオスカー受賞作を手掛けている。
本作は監督・脚本をサラ・ポーリーひとりが担当。その脚本が高く評価され、オスカー前哨戦でも数々の脚色賞を受賞した。脚色について、サラは「とても楽しい作業だった」と語る。「もちろん、納屋で何時間にも及ぶ会話が続くのだから、難しさはあったけれど、そんななか叙事詩感と寓話感にこだわりながらストーリーを描いていきました。」叙事詩には、語り伝える価値のある事件を物語として語り伝えるもの、という意味がある。そして寓話は、教訓的な本質的な作品の意図を隠しながら表現される、たとえ話だ。サラは本作で取り上げた語り継がれるべき「事件」を、映画作品として練り上げることで、今の私たちに問いかける。そしてもうひとつ、サラは「納屋での会話が、この女性たちの生きる世界の進歩に欠かせないものであることもポイント」だと言う。「この女性たちがどのように今の世界を取り壊し、新しい世界を創造するのかを模索することが何よりも大切なことであるということを表現しようとしました。同時にどんな風景を描くのかについても、最初から視覚的に想像しながら脚本を書き進めていきました。」
アカデミー賞®脚色賞を受賞した本作。「歴史を変える」と言われるほどの強烈なメッセージが待っている。
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