(撮影/久保田司 取材・文/宮田英一郎)
ファンサをもらう気持ちがわかって、“推す”ってこんなに楽しいんだなって
──地下アイドル「ChamJam(チャムジャム)」のメンバー・市井舞菜に人生の全てを捧げている伝説的なファン・えりぴよを演じています。
松村 えりぴよの気持ちがすごくわかるんです。私の場合は二次元オタクなんですけど、高校時代は毎日のようにアニメショップに行って、推しのキャラクターのグッズを買ったりしていたので。イラストが描かれた抱き枕も持っていて、高校生の頃は推しキャラに抱きついて寝てたこともあります(笑)。
──オタク役を演じる上で心がけたことは?
松村 台本を読んで気になるところがあったら、監督さんに「こういうのはどうですか?」って伝えるようにしていました。ライブのシーンでは、曲の間奏中にChamJamのメンバーが名前を呼ぶところがあったんです。でも、「オタクなら推しの名前を叫びたいはず!」と思ったので、現場で監督さんにお伝えして、オタクがコールするところを追加していただきました。
──約10年アイドル活動をしていた松村さんだから説得力がありますね。撮影現場の様子はいかがでしたか?
松村 現場でオタク仲間役のみなさんが集まると、自然にChamJamの話題になるんです。「空音ちゃん最高!」「れおちゃんも負けてないよ!」みたいな熱いオタトークが繰り広げられて、リアルなアイドル現場のように盛り上がっていました(笑)。
──作中で描かれるファンの心理で「なるほど」と思ったことは?
松村 握手会に行く時のドキドキ感や、推しからファンサをもらった時のウキウキ感は、えりぴよを演じて「こういう気持ちだったんだ」って初めて気付くことができました。撮影の合間にパッと見たら、ChamJamのみんなと目が合って、微笑んでくれたことが何度もあって。そのたびにオタク仲間たちに「レスもらっちゃった!」とか「こっち見て笑ってくれた!」って報告してました。
今回の撮影を通じて、ファンサをもらう気持ちがわかって、“推す”ってこんなに楽しいんだな、って思ったんです。クランクアップ後、プライベートでアイドルの現場に行ってみたい!ってウズウズしてました(笑)。
『劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ』
5月12日(金)新宿バルト9ほか全国ロードショー
物語の主人公・フリーターのえりぴよ(松村)は、地元・岡山のマイナー地下アイドル・ChamJam(チャムジャム)のメンバー・市井舞菜(伊礼)に人生のすべてを捧げている伝説的なファン。自らの服は高校時代の赤ジャージのみ、収入の全てを推しである舞菜に貢ぎ、24時間推しのことを想い、声の限りを尽くして名前を呼び、プライベートでの布教活動など、推しが生きる活力となっていた――。
出演 : 松村沙友理
中村里帆 MOMO(@onefive) KANO(@onefive) SOYO(@onefive) GUMI(@onefive)和田美羽 ・ 伊礼姫奈 豊田裕大 ジャンボたかお(レインボー)
監督:大谷健太郎
配給:ポニーキャニオン
©平尾アウリ・徳間書店/「劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ」製作委員会