視力を失ったクライマー・コバ(小林幸一郎・55歳)と、彼の視力となるサイトガイド・ナオヤ(鈴木直也・47歳)。「右手、1 時半、遠め。右、右、右!」、相棒・ナオヤの声を自分の目のように頼り、8の字結びのロープでつながり、命をゆだねて岩を登るクライマー・コバ。やがて彼らはパラクライミング世界選手権で4連覇を成し遂げ、2021年、ユタ州の大地に聳え立つ真っ赤な砂岩“フィッシャー・タワーズ”の尖塔に立つことを目指し、アメリカへと旅に出る。
この度、解禁となったのは、旅の後半、目的地となる“フィッシャー・タワーズ”のクライミングシーンをおさめたダイジェスト映像。アメリカ・ユタ州、そこにはいつ崩れてもおかしくないタワーが無数にあり、その中でも極めて不思議な造形をした砂岩が“フィッシャー・タワーズ”。全盲の日本人クライマーで、この岩のクライミングに挑むのは初といわれる。「“フィッシャー・タワーズ”にコバちゃんを立たせたい」という、ナオヤのシンプルかつ真っ直ぐな思いから始まったアメリカの旅。視力を失ったクライマーが相棒の声だけを頼りに、一体どうやって登るのか?不可能とも思える無謀な挑戦にふたりが臨む!
撮影は、2021年10月15日、天気は快晴。何億年もかけて作り上げられたアメリカ・ユタ州の“フィッシャー・タワーズ”を前に、二人が会話をするシーンから始まる。ナオヤのガイドを頼りに、その尖塔を目指すコバ。綿密な打ち合わせシーンや、絆を示すフィストバンプのショット、命懸けのクライミングに挑む映像が次々と映し出され、正に、“クレイジー”で“アメイジング”なハラハラ、ドキドキなシーンの連続で目が離せない。最後の難関、細い渡り廊下のような岩をナオヤの声をたよりに進むコバ。この後、一体どうなるのか?全編に流れる音楽はMONKEY MAJIK の主題歌「Amazing」。コバのクライミングに衝撃をうけ、映画をイメージして完成させた楽曲。アメリカの大自然を背景に、ふたりのクライミングの結末に期待が高まる仕上がりとなっている。
フィッシャー・タワーズとはアメリカ合衆国・ユタ州モアブの近くにある赤褐色の砂岩で覆われた一連の岩山のひとつ。1880 年代に近くに住んでいた鉱山労働者にちなんで名付けられた。二人が目指したのは、フィッシャー・タワーズの中で、“エンシアントアート”いう名の砂岩。尖塔は座布団一枚くらいの大きさで、ロッククライミングのルートで世界的に有名。晴眼者で経験あるクライマーなら難易度はさほど高くないが、全盲のクライマーが挑むのは正に驚異といえる。
『ライフ・イズ・クライミング!』
5 月12日(金)新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMA 他にて全国公開
配給:シンカ
© Life Is Climbing 製作委員会