ドイツを代表する名匠ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーの『不安は魂を食いつくす』『マリア・ブラウンの結婚』、そしてファスビンダーが原作・脚本、スイスのダニエル・シュミットが監督した『天使の影』の3作品が2023年7 月28 日(金)より全国順次公開されることが決定した。

Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下ほかにて全国順次公開決定!

37年という短い生涯で、強烈な個性に貫かれた40本以上もの作品を手がけ、ヴェンダース、ヘルツォークらと並んで<ニュー・ジャーマン・シネマ>の代表格と称されたライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督。この度、そんなファスビンダー美学の極致とも言えるふたつの監督作、『不安は魂を食いつくす』『マリア・ブラウンの結婚』、そしてファスビンダーが原作・脚本・出演を務め、スイスの名匠ダニエル・シュミットが監督した『天使の影』の三作品の劇場公開が決定した。未亡人の掃除婦と若い外国人労働者を主人公に、愛に起因する苦悩や欺瞞を描き出す傑作『不安は魂を食いつくす』は第27回カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞するなど国際的に高い評価を得ているにも関わらず、日本劇場初公開。また、ファスビンダーが脚本を手掛け、彼の盟友でスイスの至宝、ダニエル・シュミットが監督を務めた問題作『天使の影』も劇場初公開となる。他には運命に翻弄されながらも、たくましく生き抜く女性の姿を戦後ドイツの復興とともに描いたファスビンダーの代表作にして人気作『マリア・ブラウンの結婚』も上映。今回解禁された三つのメインビジュアルは「儚き」「女ありて」「落ちる」と各作品を象徴する言葉とともに、物語のドラマティックなワンシーンを封じ込めた端正なデザインだ。社会のタブーをさらけ出し、人々の剥き出しの姿をスキャンダラスに、しかしそこに宿る仄かな光まで捉えたライナー・ヴェルナー・ファスビンダー 。この度の上映は、伝説的な映画監督が投げかける眼差しに触れる絶好の機会となるだろう。

上映作品

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『不安は魂を食いつくす』(1974)
監督 / ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
出演 / ブリギッテ・ミラ、エル・ヘディ・ベン・サレム、バーバラ・ヴァレンティン、イルム・ヘルマン
ドイツ / カラー / 92分
© Rainer Werner Fassbinder Foundation
ある雨の夜、未亡人の掃除婦エミは近所の酒場で年下の移民労働者の男、アリに出会う。愛し合い、あっという間に結婚を決める彼らだったが、エミの子供たちや仕事仲間からは冷ややかな視線を向けられる。
ダグラス・サーク監督作『天はすべて許し給う』(55)の物語を下敷きに、愛に起因する苦悩や残酷さを鮮やかに描き出した不朽の傑作。アキ・カウリスマキ監督らに影響を与えたとされる。第27回カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞。

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『天使の影』(1976)
監督 / ダニエル・シュミット
出演 / イングリット・カーフェン、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー、クラウス・レーヴィッチュ、アードリアン・ホーヴェン
スイス / カラー / 101分
© Rainer Werner Fassbinder Foundation
舞台は戦後のドイツ、フランクフルト。街角に立つ娼婦リリーはその繊細な性格から仲間内では浮いた存在、家に帰ればヒモ男フランツに金をせびられる日々。そんなある日リリーは闇社会の大物であるユダヤ人に見初められるが、次第に破滅願望が強くなっていく。スイスの至宝、ダニエル・シュミ
ット監督がファスビンダーの戯曲「ゴミ、都市そして死」を映像化。親友同士だった二人の美学が結晶したコラボレーション作品となった。

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『マリア・ブラウンの結婚』(1978)
監督 / ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
出演 / ハンナ・シグラ、クラウス・レーヴィッチュ、ギゼラ・ウーレン、クラウス・ホ
ルム
ドイツ / カラー / 120分
© Rainer Werner Fassbinder Foundation
ファスビンダーの名を世界に轟かせた大ブレイク作にして究極の<女性映画>。第二次世界大戦の真っ只中、マリアは恋人のヘルマンと結婚式を挙げるが、ヘルマンはすぐに戦線に戻り行方不明になってしまう…。戦争末期からドイツがめざましい復興を遂げつつある約10 年間にわたるヒロインの生き様が活き活きと描かれる。波乱万丈な運命を辿るヒロイン、マリアを艶やかに演じたのはファスビンダー映画常連のハンナ・シグラ。本作で第29回ベルリン映画祭銀熊賞(女優賞)を受賞した。

7月28日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国順次公開ロードショー
配給:マーメイドフィルム/コピアポア・フィルム

© Rainer Werner Fassbinder Foundation

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