日本犯罪史上最も猟奇的な性犯罪事件 “ルーシー・ブラックマン事件
日本犯罪史上最も猟奇的な性犯罪事件 “ルーシー・ブラックマン事件 から 23 年 ──世界がいまなお注目する事件の真相に 迫る注目作が、ついに配信決定!当時の警視庁捜査一課の捜査員、幹部が全面協力!
2000年7月、警視庁麻布署に届けられた一件の家出人捜索願。捜索対象は後に世界を震撼させる猟奇事件の被害者 、 イギリス人女性のルーシー・ブラックマン だった。
イギリスから来日した家族が記者会見を開き、犯人逮捕を懇願する様子が当時 TV でも多く取り上げられ、 トニー・ブレア首相 当時 もコメントするなど政治レベルまで反響を及ぼす事件にまで発展する。
来日した被害者の家族が、進まない捜査に関して警視庁の態勢を厳しく批判したこともあった。そんな文化的な衝突の裏側では、執拗までに綿密な捜査が行われており、 憎むべき凶悪犯罪者 逮捕に執念を燃やした刑事たちがいた。
捜査に関わった数々の警視庁捜査第一課のベテラン刑事たちの視点から、日本犯罪史上、最も猟奇的な性犯罪事件の一つであるルーシー・ブラックマン事件において、如何にして犯人逮捕まで至ったかを詳細に描くのが、長編ドキュメンタリー『警視庁捜査一課 ルーシー・ブラックマン事件』 である。
日本で起こった犯罪事件を扱う ドキュメンタリーとして 注目を集める 本作の監督は、 映画 『サムライと愚か者 オリンパス事件の全貌』 ( で 、グローバル社会における日本の企業文化に鋭いメスを入れた山本兵衛 。本作でも2つの文化と価値観が複雑に絡み合う事件を題材に、独自の視点で何が起こったかを描いている。
山本兵衛監督 コメント
2つの文化や価値観が衝突する、そんなストーリーの中に、自分は監督としてユニークな視点を見出せるのではないかと考えています。 2000 年に起きたルーシー・ブラックマン事件も異なった価値観や考え方が、国内外でのメディア報道や警視庁による捜査など、様々な面において影響したという部分に非常に興味を持っていました。
しかし決定的に作品になると感じたのは、高尾昌司氏の『刑事たちの挽歌 警視庁捜査一課 ルーシー事件』を読んだ時に、事件に関わった数人の刑事たちが、いまだに毎年遺体発見現場の洞窟を訪れていることを知ったときでした 。
洞窟を掃除し、竹でできた手製の祭壇を作り、ルーシーに祈りを捧げる彼らの姿に感銘を受けながら、彼らがどのような気持ちで困難な捜査に臨んだのか、そして会ったこともない外国人に抱いた<共感の力>が、いかに彼らを事件解明に導いたかについて考え始めました。それがこの作品の起源となりました。
そして20年以上前に起きたこの事件のストーリーを辿っていくうちに、いまだに大きな社会課題である性犯罪に対する対応のあり方もテーマの一つとなりました。数百件に及ぶ被害が確認されたにも関わらず、立件されたのはわずか 10件以下だったと いう事実に、当時の性犯罪立件の難しさがうかがえます。
これは作品にも登場する被害者の事情聴取を担当した女性捜査官である丸山とき江警部補(当時)と山口光子巡査部長(当時)の女性としての葛藤と苦悩にそのまま重なります。
ルーシーの失踪を発端として明らかになった日本犯罪史上最悪の性犯罪事件は、 20 年以上経ったいまも大きな課題を突きつける事件だと考えます。
最後に、この場をかりて、熟考を重ねた上にインタビュー協力を承諾していただいたルーシーの父ティム・ブラックマン氏へ感謝の意を表するとともに、凶悪犯に命を奪われた2人の 被害者の遺族と友人の方々に謹んで哀悼の意を表します。
『 警視庁捜査一課 ルーシー・ブラックマン事件 』
7月26日(水)より Netflixで独占配信
監督:山本兵衛
プロデューサー:デボラ・バリヤス
エグゼクティブ・プロデューサー:ドノバン・チャン、ジョスリン・リトル、ロブ・シックススミス
撮影:アレクサンダー・バルトロ
音楽: Saycet 編集:アレクサンダー・サンチェス
原案:高尾昌司著『刑事たちの挽歌
警視庁捜査一課 ルーシー事件』(文春文庫)