『ナチスに仕掛けたチェスゲーム』が7月21日(金)より全国公開となる。それに合わせ、本作の時代背景が鮮明に描き出された大規模なロケ撮影シーンの本編映像を解禁される。

エキストラ180 人が参加した大規模な“ナチ派市民によるデモ行進”シーン

『帰ってきたヒトラー』(15)でヒトラー役を演じたオリヴァー・マスッチが主演を務め、木村拓哉が出演し話題になった海外ドラマ「THE SWARM」(23)のフィリップ・シュテルツェル監督の最新作『ナチスに仕掛けたチェスゲーム』が公開となる。

本作の原案は文豪シュテファン・ツヴァイクの傑作小説「チェスの話」。ナチス占領下のオーストリアを舞台に、ヒトラーの命令でホテルに監禁された男が、1冊のチェス本を武器にナチスとの心理戦に挑む驚愕のサスペンス映画だ。

画像: 7/21(金)公開『ナチスに仕掛けたチェスゲーム』本編映像「群衆編」 youtu.be

7/21(金)公開『ナチスに仕掛けたチェスゲーム』本編映像「群衆編」

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このたび解禁された本編映像は、ナチスがオーストリアに進駐する直前のウィーン市街の様子を克明に描いたワンシーン。ウィーンで公証人を務める主人公ヨーゼフと彼の妻アンナの乗る車が、ドイツ軍を支持する市民で埋め尽くされた街をゆっくりと進んでいる。不安そうに車窓をみつめるアンナは「今日は多いわね、正気を失ってるみたい」と呟く。

だがヨーゼフは「日曜にも騒ぎは終わる」とあまり深刻に受け止めていない様子で、「未来が見えるの?」と尋ねるアンナに「新聞のおかげさ」と吞気に答える。しかし外を歩く市民たちの声は興奮を増していき、やがて“資産家を倒せ”、“ユダヤ人を追い出せ”といった旗を掲げた群衆に取り囲まれ、車は立ち往生してしまう。

彼らは皆一様に腕章を身に着け、「ハイル・ヒトラー」とナチス式の敬礼を見せる者さえおり、辺りは異様な空気に包まれている。「新聞どおりだといいけど」と心配するアンナをよそにヨーゼフは「じき終わる」と現実から目を逸らすのだった。

画像1: エキストラ180 人が参加した大規模な“ナチ派市民によるデモ行進”シーン

この衝撃的な映像は、およそ180 人のエキストラが参加し、実際のウィーン市庁舎の真裏で撮影された、本作のなかでも最も大規模なシーンである。

本作のプロデューサーであるトビアス・ウォーカーは「人前でナチスのシンボルを見せることは法律的な面でも複雑で、ウィーン市警察本部長の特別許可が必要だったんだ。180人が行進し、当時の歌を歌い、「ハイル・ヒトラー」と叫んだ時には、悪寒が背筋を走ったよ。もちろん、その一方で本作にとっては素晴らしいものだった。本物さながらだったからね」と撮影を振り返った。

画像2: エキストラ180 人が参加した大規模な“ナチ派市民によるデモ行進”シーン

アンナを演じたビルギット・ミニヒマイアーは「辺り一面がナチスの旗や制服だらけで、恥ずかしく、恐ろしかった。人前であの撮影をするのはあまり楽しくなかったと言うしかないわ。最初から最後までとても緊張したの」と複雑な心境を明かしている 。

原案「チェスの話」の 著者 シュテファン・ツヴァイクは、祖国オーストリアがナチス の侵攻 によって崩壊していく様を 憂いて この原稿を書き上げた。そうした背景を持つ本作は、フィクション でありながら も 、 当時の 情勢 を残酷なリアリティーを伴って描き出し ている 特異なサスペンス映画と 言えるだろう。

スリルに満ちた展開から目を離せない、観る者の心をかき乱すヒューマン・サスペンス 文豪ツヴァイク最期の傑作 『ナチスに仕掛けたチェスゲーム』は 7月21日(金)よりシネマート新宿他全国順次ロードショー 。

『ナチスに仕掛けたチェスゲーム』
7月21日(金) シネマート新宿 他 全国 順次 ロードショー
監督:フィリップ・シュテルツェル
出演:オリヴァー・マスッチ、アルブレヒト・シュッへ、ビルギット・ミニヒマイアー
配給:キノフィルムズ
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