カバー画像:Photo by Axelle/Bauer-Griffin/FilmMagic
杉山すぴ豊
アメキャラ系映画ライター。雑誌や劇場パンフレットなどにコラムを執筆。アメコミ映画のイベントなどではトークショーも。大手広告会社のシニア・エグゼクティブ・ディレクターとしてアメコミ映画のキャンペーンも手がける。
行ってきましたよ! サンディエゴ・コミコン
サンディエゴ・コミコン2023に行ってきました。例の俳優ストでスターが来なかったのは残念ですが、展示とかは充実。
マーベル、DCともに映画で使うヒーローたちのコスチュームが、スター・ウォーズからは「スター・ウォーズ:アソーカ」の衣装、プロップも飾られていました。
またコミコン史上初のインド映画(『Kalki 2898-A.D(原題)』)のパネル(プレゼンの場)があって生プラバース氏を見られたことは感動。
アニメ映画『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』と日本発の配信アニメ「GAMERA -Rebirth-(ガメラ リバース)」のパネルも開催され“亀”が人気。
あと2022年は『トップガン マーヴェリック』がらみのコスプレ、コーデが多かったですが、今年は何と言っても『バービー』! ピンクな人が多かった(笑)。
そしてちょうどディズニープラスで配信中だったのでマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のドラマ「シークレット・インベージョン」に登場する変身エイリアン、スクラル人のコスプレーヤーも目につきました。
ドラマ同様、スクラル人が日常生活にまぎれこむとこんな感じなんでしょうね。
あの時点で入れ替わっていた? ローズ大佐、今後の運命は!?
さて「シークレット・インベージョン」。賛否両論のドラマとなりました。僕は“賛”です。単品のドラマとしてというより、今後MCUにつながる重要パーツの1つとしては十分期待に応えてくれました。
が、“否”の声もわからなくはない。特に本作で一番物議をかもしたのがジェームズ・“ローディ”・ローズ大佐の扱い。彼は拉致されスクラル人がずっとなりすましていた、という設定で描かれます。
これ自体は想定内ですが、問題はいつから入れ替わっていたのか?ということ。
本ドラマで彼が救出された際に、入院患者風のガウンを着ていました。このガウンが映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)の時のそれに酷似している。
そうなると『シビル・ウォー』以降のローズはスクラル人が化けた姿で『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)のローズは偽物だったということになります。
『エンドゲーム』に本人は参加していないから親友のアイアンマンことトニーの死を知らないわけです。この後真実を知ることになるローズの衝撃と喪失感は、計り知れないでしょう。
ローズが次に活躍するとされる映画『アーマー・ウォーズ(原題)』は、アイアンマンのアーマーの技術の秘密が世界の悪者たちの間に流出してしまう、というコミックでのエピソードがベース。
だからトニーの死に立ち合えなかったローズが、せめても償いに親友の名誉と技術を守るために戦うという燃える展開になるかも。
一方で『エンドゲーム』等のローズが偽者だったというのはウォーマシン好きとしてはちょっと複雑。ここで本作を嫌いになるファンがいてもおかしくはないですね。ローズの今後の運命から目が離せません。
最新作も話題に! 「死霊のはらわた」
突然話題を変えますが、全米で大ヒットした人気ホラー映画の最新作『死霊のはらわた ライジング』が日本でもリリースされました。
魔書“死者の本”の呪文によって人間にとりつく邪悪な死霊との戦いを描いたスプラッター映画です。本作は過去作とのつながりはいっさいなく単品映画として楽しめる。
残酷シーン満載でお子様厳禁ですが、このシリーズならではの過激すぎて笑ってしまうというブラック・コメディ的な面白さは健在。6500リットルの血のりを使ったというだけあって、とにかく血しぶきあびまくり。
本作には登場しませんが、過去の「死霊のはらわた」シリーズにはアッシュという死霊軍団と戦うメイン・キャラがいました。死霊たちを斬り刻む電動ノコギリを義手としてはめています。
このアッシュを主人公にしたアメコミのシリーズが作られたことがあり、さらにこのコミックは出版社の枠を超えマーベルとコラボ。死霊のはらわた×マーベル・ゾンビーズなる企画もつくられました。
だからマルチバース上では“死霊のはらわた”はマーベル・ファミリーなのです(笑)。