「イカゲーム」のイ・ジョンジェが初監督を務め、盟友チョン・ウソンとダブル主演を務めた話題作『ハント』が9月29日(金)より日本公開される。本作の公開を記念して、イ・ジョンジェが来日。ジャパンプレミアに登壇し、ファンが集まる中撮影秘話などを語った。

“これはとても面白い作品になるんではないかという期待を持っていた”

ーー まずはお集まりのファンの皆様に一言ご挨拶をいただけますか。

「(日本語で)こんばんは。日本で僕の映画が公開されるのはどれくらいぶりかわからないくらい、本当に久しぶりなんですけども、再びこうして日本で公開をすることができて本当に嬉しく思います。また、日本の美しい観客の皆様とこうして出会うことができて、本当に本当に嬉しいです。今日はどうもありがとうございます」

画像: “これはとても面白い作品になるんではないかという期待を持っていた”

ーー 一般の観客の方に初お披露目となったカンヌ国際映画祭の上映では7分間のスタンディングベーションが起こったそうですね。映画を観た観客の方達の反応をご覧になって、どんなことをお感じになりましたか。

「序盤のアクションシーンが終わって『HUNT』と映画のタイトルが字幕で上がった時に、観客の皆さんが拍手をしながらわーっと歓声をあげてくださったんですね。この作品を一緒に作った人々とそして見ている観客の皆さんと一緒に呼吸をしている。そんな感じがして、本当に嬉しく思いました』

ーー 今回初監督作品で脚本も書かれていらっしゃいます。どういった道のりでしたか?

「実は最初はシナリオを自分で書くつもりはありませんでした。優れたシナリオ作家の方がこの作品のシナリオを書いてくれたらいいなという風にも思っていましたし、また、この作品を素敵に撮り上げてくれる監督にシナリオを書いて頂いてもいいんではないかという風に思っていました。

ただ、なかなか作家さんのキャスティングが上手くいかず、また素敵な映画を撮ってくださる監督のキャスティングもなかなかうまくいきませんでした。実際に直接私の方で尋ねてお願いしたりもしましたが、皆さんそれぞれ異なる理由から、この作品を引き受けるのは難しいとお話されました。そして、大多数の監督がこの作品を映画化するのは難しいという風にお話しされたんです。観客の方達からたくさん愛される作品にするのは難しいんではないかというような意見もありました。

でも、私の考えは少し違いました。最近はフェイクニュースも多く流れていますし、誤った信念を持つように、まるでおまじないをかけられるような、そんな言葉も世の中に溢れています。なので、誤った知識や情報を基に行動を起こしている人々の姿をときどき目にすることもあります。

そんな私たちの姿を考えながら、この映画を作っていったんですけれども、この映画の中に登場するジョンドとピョンホも信念を持っています。けれども、その誤った信念によって苦痛がもたらされます。そして、その誤った信念を正しく戻していこうという努力をする。そんな男たちの姿をしっかりと映画の中で描くことができれば、これはとても面白い作品になるんではないかという期待を持っていたんです。

なので、自分でシナリオを書いてみようということで書き始めました。そして、シナリオの内容については、自分自身が一番よく知っているわけですから、ならば、自分で撮ってみようという風に思いまして、勇気を出してこの作品の演出をすることになりました」

“チョン・ウソンさんをかっこよく足りたいという一念でこの映画を撮りました”

ーー チョン・ウソンさんとの共演は約24年ぶりになりますが、共演されていかがでしたか。

「本当に親しい同僚であり、親しい友人であり、そして今はご近所さんでもあるんですね。すぐ隣に住んでいる隣人でもあるので、なかなか複雑ですね(笑)。

画像: “チョン・ウソンさんをかっこよく足りたいという一念でこの映画を撮りました”

チョン・ウソンさんは本当にかっこいい俳優です。そして、これまでもかっこいい素敵な映画にたくさん出演してこられました。今回の映画では、チョン・ウソンさん自身が見ても最近撮った作品の中で一番かっこいいなと思えるような作品、また観客の皆さんにとってもチョン・ウソンさんの作品の中でも本当にかっこいいなという風に思っていただけるような作品にしたいと思ったんです。

どうすればより正義感にあふれたキャラクターとして見せることができるのか、またどうすればより迫力のある男として描くことができるのか。そしてまたどうすれば、より胸の痛い、そんなキャラクターとして余韻を残すことができるのか、そんなことを様々なことを悩みながら現場でも本当に多くの会話を重ねながら、ワンシーン、ワンシーンひたすらチョン・ウソンさんをかっこよく撮りたいという一念でこの映画を撮りました」

ーー 本作は80年代の韓国が舞台になっていますが、東京のシーンも登場します。韓国での撮影だったそうですが、東京を再現するにあたってどんなところを工夫されましたか。

「実は日本の東京のシーンは日本の地方の小都市で撮ることを計画していました。以前『黒水仙』という映画の撮影で日本で撮影をしたことがあり『こんな風に日本で撮影できるんだ』という記憶があったので、日本で撮りたいと思っていました。ですが、コロナ禍によって撮影を断念せざるを得ませんでした。

撮影は釜山のとある道路を使って行いました。交差点の何箇所かを車両統制をして撮ったのですが、日本は車両の道路の向きが韓国とは逆ですよね。なので、週末に撮影許可を取って、道路の車両統制をして、逆方向に車を走らせて撮影をしました。その場所で銃撃戦の撮影もしましたし、日本から20台ほど車を持ってきたのですが全て壊してしまいました。

日本で撮影したらもっと製作費は少なく済んだと思います。韓国で撮ったことで制作費は増えてしまったんですね。大変苦労しながら撮り上げた作品なのですが、日本の観客の皆さんにどんな風にご覧になっていただけるのか分かりません。僕たちは撮り終えた後に『それなりにそれらしく撮れてるんじゃないかな』と思ったんですけども、日本の皆さんにはぜひ注意深く観ていただければと思います」

“必ずまた、こうやって日本に来て皆さんにご挨拶したい”

ーー 日本への来日は先ほど伺ったところ、約3年半ぶりという風に伺いました。日本で楽しみにしていることはありますか?

「日本と言えばやはり美味しい食べ物がたくさんありますよね。たくさんなるべくいろんなものを食べて帰りたいなと思うんですけども、かなり今回スケジュールがタイトになっておりまして、もう今もその食べ物のことを考えただけでえゴクリと唾を飲み込んでいますけれども、それでもいくつかは食べて帰られるかなという風に思います。

お寿司屋さんもすでに予約をしています。そして先程は美味しそうなとんかつサンドを持ち帰ろうと思ってバッグの中に忍ばせました(笑)」

―― 最後に映画を観ていただく皆さんに一言お願いします。

「コロナ禍によって、お互いに往来がスムーズにできなくなる状況がありました。それにも関わらず、韓国で僕がイベントをしたり、映画関係のその公開があったりすると、その度にコロナの大変な最中からにもわざわざ韓国に日本のファンの皆さんが来てくださっていたんですね。

今までもそんな風に日本からわざわざ韓国に来てくださっている大切な日本のファンの皆さんに本当に感謝の気持ちを持っていたんですが、ただ実は今「イカゲーム」シーズン2 の撮影をしているところでして、日本の公開に合わせて直接日本に来るというのはたやすい状況ではありませんでした。

そして、こんな風に皆さんとお会いする場を持つのは難しいのではないかという風に思われていたんですけれども、僕にとっては大切な日本のファンの皆さんに日本で直接をお目にかかるというのが、僕にとって本当に特別な意味のあることをでしたので『イカゲーム』のチームの方達にねだって2日だけ時間を下さいという風にお願いをしまして、そしてこうやってスケジュールを取らせてもらいました。

日本でやはりこうして直接ファンの皆さんにお会いすることができて、本当に本当に嬉しいですし、いつも感謝の思いを持っているんですが、それをいくら言葉で伝えて表現しても十分ではないという風に感じていますので、感謝の気持ちと同時に申し訳ないすまない気持ちも持っているんですが、でも今日こうして皆さんに直接お会いすることができて、胸がジーンとするような感じもありますし、本当に胸がいっぱいです。今日は本当にありがとうございました。

画像1: “必ずまた、こうやって日本に来て皆さんにご挨拶したい”

これから機会があれば、できる限り本当に嬉しい気持ちで日本にまた来たいなという風に思っています。今日は皆さんにこの『ハント』を楽しんでご覧いただければという風に願っています。また次の作品がありましたら、必ずまた、こうやって日本に来て皆さんにご挨拶したいと思います。ありがとうございました」

『ハント』
9月29日(金)より新宿バルト9ほか全国ロードショー
配給:クロックワークス
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画像2: “必ずまた、こうやって日本に来て皆さんにご挨拶したい”

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