ファイナルとなる第3弾!ラインナップ6作品のみどころをご紹介!
韓流20周年を記念して5月から開催されている「韓流映画祭2023」。いよいよファイナルとなる第3弾も、これまでに勝るとも劣らない魅力的な作品が並びました。その6作品をご紹介します。
裏社会でのし上がった男が、難病に侵されたのをきっかけに生き方を見つめ直す『男物語』は、“タフガイ・スター”として一世を風靡したチェ・ミンスの魅力が詰まった一作。韓流映画祭《第2弾》上映作の『ホリデー 有銭無罪/無銭有罪』では憎々しい役柄でカリスマあふれる姿を見せた彼ですが、本作では父性愛をにじませる切ない演技で魅了します。余命が長くないと悟った男は、昔の恋人が9歳になる自分との息子を育てていたことを知って、最後に父親らしいことをしようと考えます。敵との戦いでは怖いもの知らずの男が、不器用ながら愛情深く息子に接する姿に涙せずにはいられません。主人公の人間的な面をチェ・ミンスが繊細に表現していることに注目してください。
ジャンルは違いますが、ファンタジックな要素を交えたラブストーリー『ハミング』も切ないテイストが感じられる作品です。6年近くつき合った恋人を疎ましく思うようになっていた青年のもとに、彼女が交通事故に遭って意識不明だという知らせが入ります。ところが、彼はいつもと変わらぬ彼女に会ったばかり。一体何が起こったのか……。「遅れる前に今、愛していると伝えてほしい」というメッセージが込められた素敵なロマンス。爽やかな魅力のイ・チョニとハン・ジヘが主演を務めました。当時、イ・チョニと同じ事務所に所属していたイ・ミンギが同僚役で特別出演しているのも見逃せません。
ファンタジーの醍醐味を味わえる作品としては、時空を超えた壮大なスケールの大作『帰天図』があります。日本でもドラマ「イ・サン」でおなじみとなった王・正祖の時代、世界を支配すると予言された王の娘を巡って、朝鮮と日本の武士が朝鮮時代と現代を行き来しながら戦いを繰り広げるという奇想天外な物語。娘を守る護衛武士と彼らを追う勢力の死闘が迫力満点のアクションで描かれます。映画・ドラマを問わず多くの作品に出演しているベテラン俳優のイ・ギョンヨンが監督・脚本・主演の3役を務めた作品としても一見の価値ありです。
5人のはみ出し軍人の活躍を描く『最後の防衛』は、破天荒な内容が楽しめる軍隊アクションです。フィリピンで働く韓国人労働者が現地のゲリラに拉致される事件が発生し、特殊部隊要員が派遣されることになりますが、選ばれたのは防衛兵の5人。普段は役所や警察署などに勤務する、今で言う社会服務要員の彼らが、ハッカーのいたずらで精鋭部隊として召集され否応なく作戦に投入されます。情けなかった彼らが捨て身になる姿は爽快感たっぷり。『帰天図』ではクールな魅力を見せたキム・ミンジョンが、チャラいキャラクターを好演しました。
何度もリメイクされ親しまれてきた『晩秋』は今期の目玉とも言える文芸作品。1966年のオリジナルに続いて、72年、75年、82年とリメイクされ、2011年にはヒョンビンとタン・ウェイ主演の『レイトオータム』が話題となりました。今回紹介されるのは82年公開バージョン。“国民の母”として慕われるキム・ヘジャと、「冬のソナタ」の父親役で知られるチョン・ドンファンが、一時的に出獄した模範囚の女性と犯罪組織に追われる青年の恋模様を切々と演じています。
妻を亡くして何度も自殺を図る男と、謎の女の奇妙な交流を描く『なんでウチに来たの?』は、ちょっとほろ苦いヒューマンコメディです。ある日突然、見知らぬ女が家に押しかけて来て同居生活を送るはめになった男は、やがて明らかになる女の目的と衝撃の過去、その過激な生き方に驚くばかり。いつしか彼女に同情する主人公役のパク・ヒスン、エキセントリックなヒロイン役のカン・ヘジョン、2人の個性派俳優がぴったりの役で巧演を見せました。
これらは、いずれも映画祭の最後を飾るにふさわしい貴重な作品ばかり。バラエティに富んだラインナップを最後までお楽しみください。
Text:小田香(ライター、編集者)
韓流映画祭2023《第3弾》
9月22日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋にて開催
[鑑賞料金]一般:2,000円/大学生:1,500円/TCG会員1,400円
高校生以下:1,000円/シニア(60歳以上)1,300円 ※各種サービス、利用可
公式HP:https://www.cinemart.co.jp/dc/o/hanryu-2023.html
Twitter:@hanryu_2023
おうちでCinem@rt同時開催
[視聴料金]550円
[視聴期間]48時間
HP:https://www.cinemart.co.jp/vod/
9月22日(金)より シネマート新宿、シネマート心斎橋にて開催
おうちでCinem@rt 同時開催