“ブルーバック”こと 、巨大な青い魚が登場
若き海洋生物学者のアビーは、母親ドラが脳卒中で倒れたとの知らせを受け、故郷の西オーストラリアに帰ってくる。美しい海を一望できる実家で口がきけなくなったドラを世話するアビーは、こ の家で過ごした 少女時代に思いを馳せていく。8歳の誕生日にロバーズヘッドという入り江に初めて潜り、巨大な青い魚の“ブルーバック”と出逢った宝物のような体験。そして環境活動家だったドラから、豊かな恵みをもたらしてくれる海の素晴らしさを教わったこと。そんなかけがえのない日々を 回顧し、アビーは 自らの原点を見つめ直していくのだった……。 自然に寄り添い、故郷の 海に全てを捧げてきたドラの背中を見て育ったアビー。忘れかけていたもの、未来へと繋ぐ大切なものとは何か――
世界最大の珊瑚礁地帯グレートバリアリーフを始めとする数多くの自然遺産があり、比類なきほどの 雄大な風景、独自の生態系が広がるオーストラリア。政治、経済 、文化 など 、さまざまな 面で日本との 交流が盛んなこの 南半球の国から、まばゆい輝き に満ちたヒューマン・ドラマが届けられた。ブッカー賞に 2 度ノミネートされ た実績を持ち 、オーストラリアで最も広く親しまれている作家ティム・ウィントンのベストセラー小説を映画化した『ブルーバック あの海を見ていた』。ターコイズブルーの海 に 育まれ た母と娘の 絆 の物語 を、環境保護のメッセージをこめて紡ぎ上げた感動作である。
監督を務めたのは、昨年日本でも公開された クライム・サスペンス『渇きと偽り』が好評を博し
たロバート・コノリー。 1997 年に出版されたティム・ウィントンの原作小説に魅了され、長らく映画化を 熱 望してきたコノリーにとって、 本作はその夢を叶えたプロジェクトとなった。 原作は 2007 年に日本でも翻訳されており、第 54 回 (2008 年度 青少年読書感想文全国コンクール小学校高学
年の部の課題図書にも選出された。 国際的 に活躍するオーストラリアの実力派 キャストによるアンサンブルも見逃せない。アビーを演じる のは、『アリス・イン・ワンダーランド』 で脚光を浴びたのち 、ジム・ジャームッシュ、パク・チャヌク、デヴィッド・クローネンバーグ 、 ギレルモ・デル・トロといった名だたる巨匠、鬼才の作品に出演してきたミア・ワシコウスカ。母との絆、自然との結びつきを 心の 支え に 、 よりよき 未来 をたぐり寄せようとするア ビーの心模 様を繊細に表現した。そして『サイレントヒル』のラダ・ミッチェルが バイタリティ 溢れる母ドラを 演じ、コノリー監督の前作『渇きと偽り』で主演 ・プロデューサー を務めたエリック・バナが、母子 と心を通わせる 漁師マッカ役で 登場する 。さらに 8 歳と 15 歳の アビーをそれぞれ演じたふたりの新星、アリエル・ドノヒューとイルサ・フォグが、映画にみずみずしい躍動感を 吹き込んでいる。
このたび解禁された 日本版予告編は、 ミア・ワシコウスカ演じる海洋生物学者のアビーが柔らかな表情で海を見つめ る姿がとらえられ 、ターコイズブルーの景色 へと 広がり、まるで海の中にいるようなる 感覚になる。 冒頭では 巨大 な 青い 魚が登場し、 何度見てもその大きさには驚かされるが、 幼いアビーが「ブルーバック」と 名づけ、 海中で 戯れている シーンは 美しく とても 印象的だ 。 久しぶり に戻った 故郷で少女時代に思いを馳せていくアビー。 中盤以降は、 リゾート 化 計画の工事に猛反対し 、 抗議運動 の先頭にたつ 母ドラ の 逞しい 姿や密漁者 に立ち向かうアビーが描かれ、 ブルーバックにも危険が迫っている様子がうかがえる 。 果たして ブルーバックはどうなってしまうのか、 そして 母娘が紡いできたものとは 何か―― 「後悔はしないで」 というドラの言葉が心に沁みる 。
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