第36回東京国際映画祭コンペティション部門正式出品作品としても注目を集める『正欲』(11月10日公開)。今回は、本作のプロデューサーによる若手キャスト陣の貴重なオーディションやキャスティング秘話を特別にご紹介しよう。

朝井リョウによるベストセラー小説を、監督・岸善幸、脚本・港岳彦で、稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗、佐藤寛太、東野絢香を迎え映画化した映画『正欲』。描かれるのは、家庭環境、性的指向、容姿――様々に異なる背景を持つ人たちを同じ地平で描写しながら、人が生きていくための推進力になるのは何なのかというテーマを炙り出していく衝撃的な物語。監督は『前科者』(2022)の岸善幸が務め、『あゝ、荒野』(17)でも岸と組んだ港岳彦が脚本を手掛ける。

主演の稲垣を始め、豪華実力派キャストが集結した本作では、今を時めく若手俳優たちの活躍も見逃せない。メインキャスト陣の熱演と合わせ、映画をより印象的に魅せている若手俳優たちの活躍にも注目だ。

映画初出演にして圧倒的な存在感!
メインキャスト・神戸八重子役<東野絢香>

18歳で単身上京し、現所属事務所の養成所に入所。出演作は多くないものの、連続テレビ小説「おちょやん」(NHK)やドラマ「六本木クラス」(テレビ朝日)など、話題作で確かな演技力が評価されている東野。長編映画出演は『正欲』が初めてとなり、劇中では主要キャラクターの一人、佐藤演じる大也の大学の同級生でどこか陰のある神戸八重子役を演じている。

画像: 映画初出演にして圧倒的な存在感! メインキャスト・神戸八重子役<東野絢香>

兼ねてより東野と面識のあった本作プロデューサーは、彼女と一緒に作品作りができる日を心待ちにしていたのだとか。本作映画化にあたり原作を読んだ際、「これこそ、東野さんがピッタリ」と感じ、彼女の顔を浮かべながら読み進め、八重子役を熱望したという。

東野の演技は、共演シーンの多かった佐藤はもちろん、主演の稲垣ら他の共演者たちも大絶賛。東野自身も、「八重子が感じている不安感や恐怖心というものは、私も25年間、人として女性として生きてきた中で感じたことがあるものでした」「本作では、八重子のその先の人生と向かい合った時間がかなりありました」と、八重子役への強い思い入れを語っている。日本を代表する豪華俳優陣も絶賛の、東野の記憶に残る熱演は必見だ!

監督が“透明感”を絶賛!
新垣演じる夏月の中学生時代役<滝口芽里衣>

本作では、新垣演じる夏月と磯村演じる佳道、同級生だった二人の中学生時代のシーンも登場。中学生時代のキャスティングには、新垣と磯村にイメージか重なる俳優であることを条件にオーディションが実施され、多数の候補者の中から、岸善幸監督とプロデューサーらで入念な話し合いのもと抜擢されている。

画像: 監督が“透明感”を絶賛! 新垣演じる夏月の中学生時代役<滝口芽里衣>

夏月の中学生時代を演じたのは、滝口芽里衣。「Seventeen」専属モデルとして若年層の絶大な支持を集めるほか、ドラマ「ノーサイド・ゲーム」(TBS)、映画『バイオレンスアクション』(2022)などの話題作にも出演を果たしている。本作プロデューサーは、滝口のたたずまいを「無駄がなく、自然体。岸監督が最も重要視した“透明感”を持っていて、夏月(新垣)と似た雰囲気を醸し出してくれたと思っています」と絶賛。実際の滝口は、活発でテニスが上手なスポーツウーマンだというが、「目の芝居が魅力的。どことなく目の奥が暗いと言うか、影を感じます」と、彼女の底知れぬ魅力を感じ取ったという。岸監督も太鼓判を押す彼女の“透明感”は、劇場で体感してほしい!

製作陣が「来た!」と大歓喜!
磯村演じる佳道の中学生時代役<齋藤潤>

夏月同様にキャスティングが重視された、佳道の中学生時代役を演じたのは、映画『カラオケ行こ!』(2024年公開)のメインキャストとしても話題の注目株、齋藤潤。磯村演じる佳道の中学生時代役ということもあり、オーディションは至難を極めたという。本作プロデューサーも、「磯村さんが目に強さがある方なのでそれに似せるとついつい、“陽キャ”の方が集まるんですよね。だけど中学生時代役はセンシティブな方がいいと思ったので、随分粘ってたくさんの人に会いました。やっと齋藤さんと出会った時に『来た!』と思いました。最後の最後に出会えたという感じです」と、齋藤との奇跡的な出会いについて振り返っている。

画像: 製作陣が「来た!」と大歓喜! 磯村演じる佳道の中学生時代役<齋藤潤>

キャスティングの決め手は、「素直で、(夏月の中学生時代役の)滝口さんとの距離感がとても良かった」ことだという。「何の疑いもなく、佳道(磯村)にしか見えないと思います。繊細なキャラクター作りを見てあげてください」とプロデューサーも大絶賛する、齋藤の演技も見逃せない!

主演の稲垣と堂々共演!
啓喜の息子・泰希役<潤浩>

稲垣演じる主人公・啓喜の一人息子・泰希を演じているのは、数々のドラマやCM、映画『太陽の家』(2020)や『ゾッキ』(2021)などに出演している、注目の子役・潤浩。本作では、不登校インフルエンサーに憧れ、学校に行かずに動画配信に挑戦しようとし、父の啓喜とすれ違っていく息子役を熱演。

画像: 主演の稲垣と堂々共演! 啓喜の息子・泰希役<潤浩>

本作プロデューサーは、潤浩の魅力について「啓喜に遠慮しながら、探りながら相談するあの表情、佇まい」とコメント。「待ち時間とかはごくごく普通の少年です。でも、いざ本番となるときちんと対応してくれる。精神的に大人っぽいんですよね、きっと。特に稲垣さんと空き時間にベタベタするようなこともありませんでした。」と撮影中の様子にも言及し、まだ12歳ながらプロフェッショナルな一面を明かしている。

ベテランのような演技で魅了!
不登校YouTuberミワ役<白鳥玉季>

啓喜の息子・泰希の憧れの存在である、不登校の小学生YouTuberミワを演じるのは白鳥玉季。近年も大河ドラマ「どうする家康」(NHK)、映画『流浪の月』(2022)、Netflix「御手洗家、炎上する」、「いちばんすきな花」(フジテレビ)など、話題作への出演が続いている。

画像: ベテランのような演技で魅了! 不登校YouTuberミワ役<白鳥玉季>

本作プロデューサーは、「この世代の女優で断トツ魅力的な方ということで、キャスティング担当からのお薦めでした。私も『テセウスの船』『流浪の月』を見て、とてもイイ、と注目していました」と、本作での抜擢の経緯について言及。白鳥が演じたのは、同世代の泰希に大きな影響を与えるカリスマ的存在という役どころで、「出演シーンは長くはないですが、短い中でとても良く表現してくださっている」「まるでベテランのようなお芝居だった」のだとか。一体どんな出演シーンに仕上がっているかは、映画本編をお楽しみに!

『正欲』
11月10日(金)、全国ロードショー
© 2021 朝井リョウ/新潮社 ⓒ 2023「正欲」製作委員会
配給:ビターズ・エンド

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