3人でいくはずだったコルシカ島。
本作は、家族3人で幸せに暮らしていたアントワーヌが、テロ発生から2週間の出来事を綴った世界的ベストセラー『ぼくは君たちを憎まないことにした』の映画化である。最愛の人を予想もしないタイミングで失った時、その事実をどう受け入れ、次の行動に出るのか。
誰とも悲しみを共有できない苦しみと、これから続く育児への不安をはねのけるように、アントワーヌは手紙を書き始めた。妻の命を奪ったテロリストへの手紙は、息子と二人でも「今まで通りの生活を続ける」との決意表明であり、亡き妻への誓いのメッセージ。
一晩で20万人以上がシェアし、新聞の一面を飾ったアントワーヌの「憎しみを贈らない」詩的な宣言は、動揺するパリの人々をクールダウンさせ、テロに屈しない団結力を芽生えさせていく。
たった一人の言葉が世の中の声を変えていく。ヒーロー視しない演出が人間の弱さと強さを浮き彫りに
パリ中心部にあるコンサートホールのバタクラン。アメリカのバンド、イーグルス・オブ・ザ・デスメタルのライブ中に3人の男たちが1500人の観客に銃を乱射し、立てこもった。
少し前には、パリ郊外のスタジアムで行われていたフランス対ドイツのサッカー親善試合や周辺のレストランで過激派組織「ISIL」の戦闘員が自爆テロを起こしていた。
バタクランには、アントワーヌの妻、エレーヌと友人がいた。安否確認すらままならないカオスの中で、2日後に判明したのは、友人は生き延び、エレーヌは犠牲となった受け入れがたい事実だった。
この度解禁するのは、テロリストによって最愛の人を理不尽に奪われた父と子が、3人でいくはずだったコルシカ島で幸せな時間を過ごす瞬間を捉えた本編映像。
晴れ渡る天気の中、コルシカ島の美しいビーチで息子メルヴィルに日焼け止めを塗るアントワーヌ。さっそくサッカーボールで遊ぼうとするアントワーヌだが、メルヴィルは見向きもしない。
シーンは切り替わり、今度はイルカのおもちゃで新聞を読んでいるアントワーヌにちょっかいを出すメルヴィル。どこか嚙み合わない2人。アントワーヌがふと目線を映した先には自分と同じくらいの夫婦と小さい子供の家族3人がいて、思わず目を逸らしてしまう。
またシーンが切り替わり、今度はメルヴィルとアントワーヌが楽しそうに追いかけっこをしている。その後も楽しそうにメルヴィルに泳ぎを教えるアントワーヌ。亡き妻エレーヌと三人でくるはずだったコルシカ島。
それでも楽しく幸せな親子の時間を過ごす二人と美しいコルシカ島の景色が溶け合い、
観る者の心を揺さぶる本編映像となっている!
『ぼくは君たちを憎まないことにした』
11/10(金)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
監督・脚本:キリアン・リートホーフ『陽だまりハウスでマラソンを』
原作:「ぼくは君たちを憎まないことにした」
配給:アルバトロス・フィルム
©2022 Komplizen Film Haut et Court Frakas Productions TOBIS / Erfttal Film und Fernsehproduktionnikumanai.com