トラン・アン・ユン監督×ジュリエット・ビノシュ 初タッグ!
実生活でパートナーだったブノワ・マジメルとは20年ぶりに再共演
19世紀末、フランス。森の中に佇む美しいシャトーに暮らす有名な美食家ドダン(ブノワ・マジメル)と、天才料理人ウージェニー(ジュリエット・ビノシュ)は究極のメニューを次々と作り出す。深い絆と信頼で結ばれ互いをリスペクトしているが、プロとして自立しているウージェニーはドダンのプロポーズを断り続けてきた。そんなふたりの料理への情熱と愛の行方が描かれる。監督は繊細な映像美で高く評価されるトラン・アン・ユン。調理過程の撮影はワンカット、魚と肉を焼く音が音楽、ミシュラン三つ星シェフのピエール・ガニェールが完全監修。新たな文化が反映した“ベル・エポック”では “美食”もまた芸術のひとつとして追求された。つまり、〈食〉とは一大エンターテインメントだということ。
『ポトフ 美食家と料理人』で天才料理人のウージェニーに扮するのは『イングリッシュ・ペイシェント』(96)でアカデミー賞®助演女優賞を受賞し、『ショコラ』(00)で同賞主演女優賞にノミネートされたジュリエット・ビノシュ。1980年代から活躍するビノシュは、ジャン=リュック・ゴダール監督の『ゴダールのマリア』(85)で注目され、レオス・カラックス監督のアレックス三部作『ポンヌフの恋人』(91)で日本でも高い人気を獲得した。その後も国際的に活躍を続け、ポーランドを代表するクシシュトフ・キェシロフスキ監督の『トリコロール/青の愛』(93)でセザール賞とヴェネチア国際映画祭女優賞、『イングリッシュ・ペイシェント』(96)ではオスカーとベルリン国際映画祭銀熊賞、イランの名匠アッバス・キアロスタミ監督『トスカーナの贋作』(10)ではカンヌ国際映画祭女優賞と、世界3大映画祭で全て受賞している。近年は奈良でオールロケを敢行した河瀬直美監督の『Vision』(18)や、世界一エレガントなフランスの象徴カトリーヌ・ドヌーヴと親子役で共演した是枝裕和監督の『真実』(19)と日本の監督とも作品を作り上げている。
本作『ポトフ 美食家と料理人』では、女流作家と詩人のラブロマンス『年下のひと』(00)で共演し、実生活でパートナー関係にあったブノワ・マジメルと20年ぶりの共演が実現。プロの料理人としてのウージェニーのスタイルと矜持が、ビノシュ自身の俳優としてのキャリアと重なり、すべての働く人々の背筋を伸ばすだろう。世界中の名監督が共演を夢見る存在であるジュリエット・ビノシュの出演作を振り返り、最新作『ポトフ 美食家と料理人』を楽しもう!
“20世紀最後の純愛映画”。
今なお愛されるジュリエット・ビノシュの代表作
『ポンヌフの恋人』(86)
鬼才レオス・カラックス監督が手がけた、パリのポンヌフ橋で暮らすホームレスのアレックスと失明の危機にある画学生ミシェルの痛切な愛を描いたラブストーリー。「ボーイ・ミーツ・ガール」「汚れた血」に続く“アレックス3部作”の完結編で、莫大な予算をかけて郊外に大規模なセットを組み撮影されたことでも知られる。予告編に使用された美しいポンヌフ橋で繰り広げられる祝祭の花火や、地下道に張られたポスターが燃え上がるシーンなど強烈な印象を残し、日本でも記録的な大ヒットを実現した作品。
アカデミー賞で作品賞を含む9部門を受賞!
戦時下の壮大なロマンスを描いた傑作
『イングリッシュ・ペイシェント』(96)
英国ブッカー賞を受賞した小説「イギリス人の患者」を原作に、第二次世界大戦中に負傷し自分の名前さえ忘れた男が、献身的な看護を受け断片的に記憶を取り戻していく。運命に翻弄された男女の激しい恋と再起していく男を描いた壮大なヒューマンドラマだ。第69回アカデミー賞で作品賞を含む9部門を受賞した名作で、戦争で愛する人を失い運ばれてきた記憶のない男を看護するハナを演じたジュリエット・ビノシュは、アカデミー賞助演女優賞とベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞、ゴールデングローブ賞にノミネートされた。
ジョニー・デップと共演!
美味しいチョコレートの魅力がたっぷりの寓話的なファンタジー
『ショコラ』(00)
敬虔なクリスチャンが多く住む村に引っ越してきた、すべての人を幸せにする不思議なチョコレートを売る母娘と人々の交流と変化を描くファンタジー。流れ者の青年・ルーにジョニー・デップが扮し、主演のビノシュとのロマンスを演じ。スウェーデンを代表する名匠ラッセ・ハルストレム監督(『ギルバート・グレイプ』、『サイダー・ハウス・ルール』)がメガホンをとった本作で、ビノシュはアカデミー賞(R)、ゴールデングローブ賞、SAG賞、英国アカデミー賞など数々の主演女優賞にノミネートされた。村人の悩みに合わせたレシピでチョコレートを作るビノシュの姿もぜひ観てほしい。
是枝監督の初国際共同制作作品!
映画界の至宝カトリーヌ・ドヌーブとビノシュが初共演で母娘役に
『真実』(19)
カトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリエット・ビノシュ、イーサン・ホークと錚々たるキャストを迎えて紡がれる、国民的大女優の自伝本出版をきっかけに、母と娘の間に隠された“真実”をめぐる物語。『万引き家族』(18)でカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した是枝監督が初めて国際共同製作で手がけた長編作品。かねてより交流のあった監督とビノシュが「一緒に映画を作ろう」と話したことが企画の発端だという本作は、日本人監督初となるヴェネチア国際映画祭コンペティション部門オープニング作品に選出された。
『ポトフ 美食家と料理人』
12月15日(金) Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下
シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか 全国順次公開
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